安心と愉しさをコンセプトにこだわりのオーナーから支持し続けられている自動車メーカー「スバル」。
この記事を書いている筆者は、18歳の頃たまたま買ったレガシィ(BE型)によってスバルの良さにハマり、かれこれ10年で5台以上のスバル車を乗り継いできました。
本業では自動車整備士として、スバル車の整備にも携わっております。
この記事では、2023年時点でおすすめできる「スバルのおすすめ車種(新車・中古車)」をご紹介します。
そして後半では「スバル車の特徴や人気の理由、欠点」なども解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
【新車で買える】スバル車のおすすめ人気ランキング
ここからは「現時点で新車で買えるおすすめのスバル車を知りたい!」という人に向けて、一般社団法人 日本自動車販売協会連合会の乗用車ブランド通称名別順位(2021年1月〜2021年12月)を参考におすすめ人気ランキングを作成しました。
2021年の販売台数の順位は以下の通りでした。
順位 | 車種 | 販売台数 |
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23位 | インプレッサ・XV | 26,854台 |
24位 | レヴォーグ | 25,439台 |
27位 | フォレスター | 22,903台 |
インプレッサは、セダン、ハッチバック、SUVという豊富なモデルバリエーションを用意していることもあり、スバル車の中でも人気を誇ります(XVも含む)。
レヴォーグは、フルモデチェンジ後ということも注目され、さらにB型のマイナーチェンジからは2.4Lモデルも追加されたことから、販売台数はまだまだ好調。
そしてフォレスターは、走行性能の高いSUVというキャラクターがまだまだ好調の理由で、スバルが提供するアウトドアの顔です。
おすすめ1位:スバル XV(クロストレック)
※2023年よりクロストレックという車名でフルモデルチェンジ予定です。
街乗りにピッタリでスタイリッシュなデザインが特徴のクロスオーバーSUV「スバル XV(クロストレック)」。
現在、街乗りに最適なコンパクトSUVは世界的に人気となっており、各メーカーから続々と魅力的なクルマがリリースされている中、スバル XVは2010年から誕生。
このクラスの中では歴史が古いことから、信頼性は高いです。
アウトドアライクな見た目となんだか都会ちっくなスタイリッシュさ、スバル培ってきた悪路走破性とセダンのようなトランクではなく、リアシート後ろがラゲッジスペースになり、積載量が大きく、積み下ろしもしやすい。
まさに現代に合ったスバル車と言って良いでしょう。
ミドルクラスのSUVは、SUVとワゴン/ハッチバックの中間に位置し、世界の各メーカーから新モデルが発売されている今人気のジャンルでなわけですが、その元祖は、レガシィ・アウトバック。
見た目だけではない、レガシィ、フォレスターゆずりの悪路走破性を兼ね備える、本格派SUV顔負けの実力の持ち主なんです。
それでいて価格は300万円以下から購入可能と、このクラスでは「コスパ最強」です。
おすすめ2位:レヴォーグ
初代が誕生してから約10年。
スバル車の販売台数の上位につねに顔出しているのが「レヴォーグ」です。
人気が出た理由は、最終型の5代目レガシィ・ツーリングワゴンに比べると100mmほど短く、初めて3ナンバーサイズになった4代目レガシィ(BP/BL型)に近く、日本の道路環境に適した運転のしやすいステーションワゴン、ということで、日本人にちょうどいいサイズ感が主な理由です。
エンジンはスバルの伝統を受け継ぐ水平対向4気筒でターボを装着し、排気量は1.8Lと2.4Lの2種類。
1.8Lでもターボの装着により、自然吸気の2.5Lに匹敵する動力性能を得ており、高速道路や峠道の登坂路でも十分にパワフル。
2.4Lのターボになると、3L並みの性能を発揮して活発に走ります。
また、スバルが一貫して力を注いでいる無段変速機「リニアトロニックCVT」を搭載し、アクセルペダルをフルに踏み込んだ時、最も高い性能を発揮できる回転域を維持しながら、速度を高めていけることが可能で、スバルの「安心と愉しさ」を下支えしています。
また、今でとなったら高速道路では必需品の「アイサイトX」を搭載し、3D高精度地図データを利用してあ渋滞時のハンズフリー走行や、レーンチェンジ時の操舵アシスト、コーナーに応じて最適な速度まで減速するレーンキープアシスト付きオートクルーズ機能など、多彩な運転支援機能を装備しています。
アイサイトXの性能は「購入の決め手となった」という声が非常に多く、レヴォーグ購入の約9割以上の人がアイサイトX搭載グレードを選ぶほど、絶大な信頼性を持ちます。
2023年11月24日にレヴォーグの派生モデル「レイバック」が発売されます。
おすすめ3位:フォレスター
新型レヴォーグの「1.8L ターボ 水平対向エンジン」も選べ、スバル XVの「2.0L+モーター」のハイブリッドも選べるフォレスターのパワートレイン。
またフォレスターは他社のSUVに比べて、コーナリング時のロール(横方向の動き)が抑えられています。
コーナリングでも車高が低いほうがロールが小さく、安定して俊敏に曲がることができるわけですが、フォレスターはそれを感じさせません。
これは、水平対向エンジンとシンメトリカルAWD、さらに新プラットフォーム「SGP」の相乗効果をうまくチューニングされているからなんですね。
また、220mmもある最低地上高のお陰で、悪路や雪道の走行性能も抜群でワインディングでも特にSUVであることを意識せず、気持ちよく走ることができます。
さらに、荷室(ラゲッジルーム)の広さや荷物の積み込みやすさがファミリーカー選びにも好ポイント。
フォレスターの荷室容量は509Lで、SPORTグレードのみさらに容量が増え、520Lもの積載量を誇ります。
子育て世代からシニア世代まで、通勤仕様からアウトドアまで、幅広い仕様用途に対応できるのが、フォレスターなんです。
走破性を高めることで街乗りに不向きなSUVもある中で、オンロードの街乗り・オフロードともに快適な万能SUVといえるでしょう。
【中古車でも狙える】スバル車のおすすめ人気ランキング
ここからは「現時点で新車で買えるおすすめのスバル車を知りたい!」という人に向けて、相場と機能性のバランスが取れたおすすめランキングをご紹介します。
中古車おすすめ1位:4代目レガシィ(BP/BL型)
中古車平均価格(2022年6月現在) |
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46.4万円 |
レガシィの中でも、ボディの軽量さ、耐久性、エンジンも低速トルクを増して扱いやすく、品質が安定していること、内外装とも魅力的デザイン、そしてコスパの高さ、挙げればきりがないほどの魅力が詰まっているツーリングワゴンこそ「4代目 レガシィ」です。
歴代レガシィのなかでも特にスタイリッシュで、10年前のクルマとは思えないデザインと日本人にピッタリなサイズ感。
今でもなお中古車市場でも人気が高く、良質な個体が多いのもポイント。
カーセンサーだけがもっている膨大なデータをもとにした、毎年恒例の中古車注目度&競争率ランキング「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー 」というランキングはご存知でしょうか?
2019年には、その中でもレガシィツーリングワゴン(BP系)は、北海道・東北地方で第1位、レガシィB4(BL系)は北海道地方で第2位と、雪国での注目度が高い車種なんです。
さらに、2018年のカーセンサー・オブ・ザ・イヤー2018では総合第4位に選出されるなど、レガシィの悪路走破性には絶大なる信頼があります。
「水平対向エンジン+ AWD」とBP/BL系の「スマートでコンパクト、そして積載性もバッチリ」なその使いやすさが魅力なんですよね。
また、NAからハイパワーターボや6気筒までのパワーユニットの種類も豊富で、しかもMTが選べた点も見逃せません。
5代目にもMTは存在していましたが、販売台数の低迷と販売期間が短かったこともあってか、中古車市場ではレアな存在になってしまってます。
4代目レガシィが中古車市場で人気なのは、グランドツーリングカーの中でも「選択肢が広い」というのが理由の1つなのかもしれませんね。
中古車おすすめ2位:3代目インプレッサ STI(GRB型)
中古車平均価格(2022年6月現在) |
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166.3万円 |
これまでセダンが主流となっていたインプレッサでしたが、3代目となるGR型インプレッサは5ドアのボディとなって2007年10月に登場。
前後オーバーハングの短縮により、慣性モーメントを低減。
ホイールベースおよび前後トレッドの拡大で操安性が格段に向上。
独特のボディラインは、空力特性にも優れています。
エンジンは名機「EJ20」を搭載し、吸排気バルブの開閉タイミングを連続的にコントロールするデュアルAVCSを採用したことにより、低中速域のトルク向上と高回転域でのレスポンスアップを両立しています。
自主規制の撤廃と、こうしたエンジンの改良により、最高馬力308ps/最大トルク43.0kg・m。
電子制御化も進み、4代目レガシィで採用されていたSI-DRIVE(スバル・インテリジェント・ドライブ)も搭載し、燃費重視のIモードからスポーツ走行でエンジンの性能を最大限発揮するS♯モードなど、走りのシーンに合わせて細かくエンジン特性を任意に変更できるようになりました。
駆動系はさらに進化したマルチモードDCCDと、新たにブレーキ制御やトラクションコントロールを行うマルチモードVDCが採用されています。
走りの質は言うまでもなく「文句なし仕様」
それでいて、3代目のWRX STIことGR型インプレッサは、買い物やクルマでの旅行での収納や、サーキット走行でのヘルメット、工具、スペアタイヤといったものを運べるだけの荷室があり、他のスポーツカーに比べても利便性が高い。
セダンと比べて、ハッチバックの利点として高さに余裕がありますので、出し入れがしやすい。
サーキット走行から、一般走行でも5名乗車で荷物も積める楽しいクルマですよ。
GDBやGVB、VABなどセダンタイプほどの人気はありませんが、いまだ根強い人気があります。
WRX STIを少しでも「安く買いたい!」という人なら狙い目のクルマかもしれません。
中古車おすすめ3位:R1・R2(RJ/RC型)
中古車平均価格(2022年6月現在) |
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36.1.万円 |
ボディサイズをあえて軽自動車規格以下に抑え、スバルの代表的な名車「スバル360」へのオマージュともいえるステキな造形を内外装に採用した「R1」。
販売期間は2005年〜2010年と短くが華々しくデビューを飾るその影で、ひっそりと姿を消していきました。
しかし、スバルが最後に開発した軽自動車は、「ちょっとこだわりすぎじゃないですか?」とおせっかいを焼きたくなるメーカーだからこそ、その走行性能は豪華。
軽自動車のエンジンには直列3気筒が採用されるのが一般的ですが、当時のスバルは「軽自動車にも4気筒を」という姿勢でやっていため、R1のエンジンも658ccの直列4気筒です。
そしてサスペンションも、ほとんどの軽自動車が車軸懸架式(リジットアスクル式=左右が1本の軸でつながっているタイプ)であるのに対し、スバルのそれはストラット式の4輪独立懸架でした。
グレード的に早く走ることは望みませんが、必要にして十分すぎる性能。
高速も4気筒のスムーズさもあり気持ち良く走れ、スバルの4WDなので悪路でも安心感が高い。
そして少し不人気だった分、走行距離短めの中古車は今なお車両価格100万円以下という、この世代の軽自動車としては異例の価格で流通しています。
こだわりオーナーから支持されるスバル車の人気の理由
ニッチな自動車メーカー「スバル」。
国内新車販売台数のシェアはわずか約2〜3%。
それでも支持されているのは、世界的に見ても珍しい「独自の技術」が「スバリスト」と呼ばれる熱狂的なファンにリピートされているから、というのは有名な話。
なぜここまで人々を魅了し続けているのか。
スバルの歴史を遡ると、太平洋戦争時代まで航空機メーカーであった中島飛行機がルーツとなります。
太平洋戦争で活躍した「零戦」に搭載していたエンジンは、中島飛行機製の空冷星形14気筒「栄」で、のちの水平対向エンジンの原型です。
中島飛行機は機体のライセンス生産も請け負っており、終戦までに生産された1万425機の零戦のうち、実に6割以上の6545機が中島製でした。
そして終戦後は、元航空技術者が自動車を作り始め、航空機メーカーの経験を活かした「機能性と合理性」を重視したモデルを数多く生産し続けてきました。
また、国内のクルマファンの声、そして航空機メーカーの知見を活かした「独自の技術」で、各種モータースポーツの世界でも数々の栄光を勝ち取り、「スバリスト」と呼ばれる根強いファンを獲得しています。
この「独自の技術」は、1度ハマると良い意味で中毒性があり、「次もスバル車が良い→結果ずっとスバル車を乗り続けている」という人が続出しているほど、クルマファンを虜にします。
そして筆者も紛れもなくそのうちの1人です。
「スバルの名車を見てみたい!」という人は、以下をご覧ください(独断と偏見で作ってます)。
1:水平対向エンジンへのプライド
水平対向エンジンは、量産ではポルシェとスバルしか存在しないのは有名な話。
水平対向エンジンのメリットは、理論上振動が少ない、低重心、同じ気筒の直列エンジンに比べて全長が短くなるなどが挙げられます。
動力の源になるピストンが向かい合って対になって動くうえに180°反転しているので、エンジン振動を相殺することが可能でさらにバランサーも必要ありません。
なによりも低重心は、車両の運動性能に大きく寄与します。
重心が低くなると、カーブでの安定性が増したり、高速走行が安定することなど、メリットが多いです。
さらに全長を短くできるので、無駄なスペースがなくなり、車内の居住スペースを大きく取れるといったメリットもあります。
ポルシェとスバルの水平対向エンジンの違いは、ポルシェはスポーツカー用、スバルは乗用車用なので、市販車を比較してしまえばポルシェに軍配が上がります。
ただし、競技の世界でいうとWRC(世界ラリー選手権)でスバルはかつて一時代を築き、無類の強さを発揮しました。
これは言うまでもなく「市販」という足かせを外せば、世界で十分戦えるだけのパフォーマンスを発揮できる技術があるということにほかなりません。
2:走破性の高い「シンメトリカルAWD」
スバルの「安全性」と「信頼性」を語る上で、欠かせないのは「シンメトリカルAWD」。
シンメトリカルAWDは、スバル独自の4輪駆動システムです。
その最大の特徴は、水平対向エンジンを核としたパワートレーンが、左右対称・一直線にレイアウトされているということです。
左右対称に、綺麗で、なおかつシンプルで無駄のない、レイアウトはスバルの悪路走破性の源泉。
この基本レイアウトは4輪にバランスよく荷重がかかるため、タイヤの接地性をしっかりと確保できます。
簡単に言うと、左右対称でない人間の足とそうでない足だったら、どっちの方が安定して走ることが可能ですか?っといったイメージでしょうか。
つまり4輪に配分されたトルクを無駄なく発揮できる=4輪駆動のポテンシャルを最大限に引き出せるので、雪道や泥道などの悪路から、雨に濡れた道、高速道路まで、さまざまな道を安定して駆け抜けることができるのです。
こういった当たり前のようなレイアウトを、一貫してこだわり抜いているメーカーは他にありません。
だからこそ、クルマファンから「スバルの足回りは良い」と昔から言われるわけです。
3:航空機メーカーのDNA「安全性の高さ」
気持ちよく走れるというのは、安全性能が高いから、とも捉えらます。
スバルはアイサイトを多くの車種で採用し、日常的なシーンでも「あってよかった」と思える装備を充実させています。
また、衝突安全性能と予防安全性能を評価する「JNCAP」では、クルマの安全性能を評価・公表する自動車アセスメントにおいて、最高評価にあたる「ファイブスター賞」を獲得した 9 車種のうち、アウトバックが 最高得点を獲得し「ファイブスター大賞」に輝いています。
自動車の衝突安全性や、自動ブレーキなどの予防安全装備の違いなどを公平に評価しているのがJNCAP(Japan New Car Assessment Program)です。特定のメーカーに影響を受けない、独立行政法人「自動車事故対策機構」により実車を使った衝突試験などが行われています。
「ファイブスター賞」は、衝突安全性能と予防安全性能が最高ランクということです。
これは、国内で唯一、航空機メーカーを前身にもつ自動車メーカーだからこそできる功績。
航空機はちょっとした操作ミスや判断ミスが大事故につながるため、「そもそも事故を起こしにくい、そして万が一衝突しても安全性能が高い設計」が求められます。
スバルが車を設計する上でとくに重要視しているのが、運転視界を良くすること。
これは、SUBARUの前身である中島飛行機時代から続いてきた言わばスバルのルーツ。
中島飛行機時代に求められていたのは、パイロットが前方、上方、側方、そして後方まで360°を見渡すことができる視界性能でした。
平面の上に落ちた水滴のように全方位が透明なキャノピーが理想で、周囲を良く見渡すことができれば、状況をいち早く察知して対処できます。
航空機においては重要な性能のひとつだった視界の良さが、今日のスバル車まで受け継がれています。
4:元祖ぶつからない車「アイサイト」
スバルの代名詞でもある「アイサイト」には30年以上の歴史があります。
「カメラで車を制御する」という研究は1989年から開始され、2008年にアイサイトと銘打たれた機能・制御装置が登場して以来、より高い性能を目指すべく数々のバージョンアップが重ねられてきました。
現行型の新車に搭載される「アイサイトX」では、高精度地図データと連携した走行位置の推定精度の向上と、先方の道路状況の取得、ドライバーモニタリングシステムなどの車載センサーと協調させることで、自動運転レベル2+まで実現しています。
5:一目見たら分かる「個性派デザイン」
スバルが目標としているデザインは、「一目でスバルと分かるデザインを具現化すること」です。
クルマファンに浸透してきたスバルのフロントフェイスの要素(ヘキサゴングリルとコの字のヘッドランプ)や大きく張り出したフェンダーのカタマリ感は、時代とともに大きくバランスを変えてきました。
さまざまなユーザーがさまざまな車種を見て、すぐにそれぞれの魅力を理解できるように表現しています。
ただ、この独自のデザインはカッコいいとは紙一重で、捉え方によったら「スバル車のデザインは、格好悪い、イケていない、ダサい」といった意見もあります。
よくクルマのデザインには動物のモチーフが出てきます。
近年デザインで定評のあるマツダは、走る動物のような躍動感をクルマのデザインに盛り込んでダイナミックなデザインに仕上げています。
しかし、スバルはあくまで「機械」の美しさをデザインしており、風の流れや機械が持つ機能性の美しさをそのまま表現しているのです。
よく「ガンダムみたい」と言われるのが、まさに証拠かなと。
これは、まさにスバルの歴史と機械エンジニアが作るデザインと言えます。
6:性能と価格のバランスが良質
スバル車を選ぶ人の多くに「コスパが良い」という理由で購入される人が多いのも事実。
最近では、新型レヴォーグ、S4が登場してからは余計に目立たなくなっている感じのあるスバルのハッチバック&セダンの「インプレッサ」。
インプレッサの価格は約200万円から設定されていて、これは例えば同クラスのマツダ3と比べると約20万円も安いプライス。
それでいて、新世代プラットフォームによる優れた走行性能やクラストップの居住性&積載性を実現。
そのうえシンメトリカルAWD、アイサイトを全グレードで採用していることを考えると、かなりコスパに優れたクルマといえるのではないでしょうか。
今の時代、安全機能はカタログの謳い文句のひとつに過ぎないとも思われがちです。
スバルのアイサイトの場合は歴史が古く、技術の蓄積があるだけに、性能、作動具合の自然さは定評ですし、これがスバルの普通車のすべてに投入されています。
7:ニッチなメーカーだからファンを大事にしている
スバルはこれまで多くの限定車を世に出し、数多くのファンを楽しませてきました。
スバル車はもちろん、それ以外のメーカーを問わずクルマに興味のある方であれば一度は耳にするであろうブランド「STI」。
STIとは「スバル・テクニカ・インターナショナル」の略称で、1988年に設立されたスバルのモータースポーツ活動を支える子会社です。
主にレーシングカーの開発、スバル車に向けたチューニングパーツの製造および販売業務を行なっています。
WRCでのメイクス3連覇、ニュルブルクリンク24時間耐久レースでのクラス連続優勝、BRZ GT300でのシリーズチャンピオンなど、スバルとSTIのタッグは数多くの成績をおさめ、多くのスバリストを増やしてきました。
また、スバル車対象の走行会イベント「STIサーキットドライブ」、限定車展示&開発トークショー「STI MOTORSPORT DAY」など、ファンとのコミュニケーションに積極的です。
「スバルがその名を世界で輝かせるためのチューニングを。そして最前線で戦いつづける」。
これがSTIの存在意義であり、設立以来、つねに世界を舞台として戦い続けてきたSTIチューンの凄み。
今後も私たちの期待を良い意味で裏切ってくれるブランドになってくれることでしょう。
良いところだけではない!?スバル車の欠点とは(私見です)
理由1:スバル車は燃費が悪いと言われている
スバル車に乗っている人なら経験あると思いますが「スバル車って燃費悪いらしいけど本当なの?」とだいたい聞かれます。
たしかに燃費の面では他社より悪いです。
WLTCモード燃費 | |
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クロストレック 2.0L + モーター(e-BOXER) | 16.4km/L |
レヴォーグ 1.8L 水平対向直噴ターボ | 13.6km/L |
フォレスター 1.8L 水平対向直噴ターボ | 14.0km/L |
続いて上記の3車種に似たスペックの他車です。
WLTCモード燃費 | |
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カローラクロス 2.0L + モーター(2WD) | 26.2㎞/L |
MAZDA6ワゴン 2.0L NA | 15.0km/L |
トヨタ RAV4 特別仕様車 Adventure “OFFROAD package Ⅱ” | 15.2km/L |
この燃費の差はいったいなんなのでしょうか。
スバルの代名詞「水平対向エンジン」は、「V型エンジンが180度まで開いた」と言えなくもないですが、とにかくエンジンの幅が広くなってしまうのがネック。
エンジンをコンパクトにすることはフレームの設計の自由度も上がり、車体のデザインもやりやすくなるメリットがあります。
そのため、水平対向エンジンはエンジンの幅を抑えるためにショートストロークになりがちで、ロングストロークよりも低速トルクが稼ぎにくく、燃費が悪くなりやすくなります。
ロングストロークのエンジンは、低回転域でも高いトルクが発生させます。低回転域で高いトルクが出ると、実用燃費が向上します。
「燃費」と一括りで語ってても、結局はドライバー次第でかなり左右されます。
ただ「スバル車は燃費が悪い」というのは、構造上おかしな話ではありません。
水平対向エンジンのメリット・デメリットは下記の記事でも解説しています。
理由2:水平対向エンジンとオイル漏れ
「水平対向エンジンはよくオイルが漏れる…。」
これは昔からよく言われます。
一般的な直列エンジンでは、ガスケットは基本的にエンジンの横方向に広がっており、オイルはその脇を流れ落ちていくような形になります。
オイルがガスケットに触れている時間はほんのわずかなので、重力やエンジンの動きによってオイルは断続的にガスケットに当たるような構造です。
水平対向エンジンの場合は、横置きのエンジンになりますので、オイルがガスケットの下側の位置に溜まる結果となります。
重力で自然に流れてはいかないので、なにかしら動くものがない箇所はオイルが常にガスケットに接触している時間が長くなるわけです。
簡単に言うと蓋をしたペットボトルを横向きにし、水平に倒した状態と縦向きに置いた状態では、どちらが漏れやすいのか、といったイメージでしょうか。
ただ、「ガスケット類の品質と向上」や「エンジンオイルの品質向上」、「ゆとりのあるエンジンルームによる熱ごもり軽減」によって一昔前に比べるとオイル漏れ修理も減少傾向にあります。
20年以上前の水平対向エンジンは、車検ごとにオイル漏れ修理を行っていたという話もよく聞いてました。
ちなみに極力オイル漏れを防ぐ方法としては「オイル管理」にあります。
オイル漏れの原因は「ガスケットの劣化」が主になりますので、劣化したままのオイルを使用し続けるとガスケットを痛めます。
「定期的にエンジンオイルを交換する」というのは常識なわけですが、ガスケット下側の位置にオイルが残留しやすい水平対向エンジンにとっては非常に重要なことなので覚えておいて下さい。
これを理解し、徹底的なオイル管理を継続的に行っているユーザーさんのエンジンはコンディションとともに、エンジンルームも非常に綺麗な印象です。
こういったスバル車の故障については下記の記事でも解説しています。
理由3:ハマる人にはハマる!?ほぼ固定化されたレイアウト
水平対向エンジンは、「低振動と低重心」を実現できる代償として、設計上の制約の多さがあり、実際に排気系の取り回しがエンジン搭載位置よりも高くなってしまい、低重心というメリットが損なわれてしまいます。
また横に余裕がないことから、フロントサスペンションなどのレイアウトも大幅に改良することがかなり難しいです。
参考として、水平対向エンジン搭載車には、前輪の転舵角をこれ以上大きくできない特有の理由があります。
例えば、左右の両腕を、真横にかつ左右水平に伸ばします。
この状態(一般的な横置きエンジンFF車の状態)で、左旋回の場合を考え、左の手首を一杯に反らせた状態としてください。
このとき、床面に対して左の手の甲がなす角度を平面で考えると、60°位は確保できます。
つまり、一般的な横置きエンジンFF車の場合、他の制約は抜きにすると、前輪の転舵角を大きく取ることは可能。
これに対して、左右の両腕を、それぞれ前方に20°位傾けつつ、それぞれ下方に20°位傾けた状態(水平対向エンジン搭載車の状態)としながら、左の手首を一杯に反らせた状態とします。
このとき、床面に対して左の手の甲がなす角度を平面で考えると、45°位で一杯かと思います。
つまり、水平対向エンジン搭載車の場合、前輪の転舵角を大きく取るためには、手首を反らせる角度を大きくしないと前輪転舵角を確保できません。
そこで、スバルでは、駆動軸の等速継手の許容折れ角を大きくするための技術開発を進めてきました(参考資料はこちら)。
昔は42°だった等速継手の許容折れ角が、今では55°になっています。
このような努力の甲斐もあり、旋回半径として5.3メートルのレベルを確保しています。
しかし旋回半径が大きいと感じられるユーザーはいます。
ただこれ以上は、技術的な対応がなかなか困難というのが実情です。
スバル車の購入方法
スバル車は、主に4つの購入方法があります。
- ディーラーで購入する
- 中古車販売店で購入する
- ネットでカーリースに申し込む
- フリマサイトで購入する
「初めての車はスバル車で!」という人は、以下の記事もご覧下さい。
買い方1:ディーラーで購入する
質の高いサービスを求めるならディーラーがおすすめ。
ディーラーで購入するメリットは以下の通りです。
このようにメーカーと特約店契約を結んでいるディーラーは、基本的にメーカーの方針に沿ったサービスを展開するため、サービスが手厚いです。
また保証内容の充実さやメーカー研修を受けた専門のメカニックが在籍しているので、アフターサポートが充実しています。
ディーラーについては、以下で詳しく解説しています。
買い方2:中古車販売店で購入する
「価格の安さ」と「即納車」なら中古車がおすすめ。
中古車のメリットとして挙げられるのは何といっても価格の安さでしょう。
たとえば新車時価格300万円だった車を、その後わずか1年落ちの中古車として200万円で手に入れた経験が筆者にはあります。
登場したての新型車などは除いて、中古車の価格は1年落ちのものであっても2〜3割程度安く買うこともザラにあります。
新車と同じ予算なら装備の充実した上級グレード、さらにはワンランク上の車種を買うことができるのも中古車購入ならではの醍醐味です。
また新車のように、0から製造するわけではない為、購入から納車までが早いのもメリットの1つです。
ネットで中古車をお得に買う方法は、以下で解説しています。
買い方3:ネットでカーリースに申し込む
車の費用をすべて定額化するならカーリースがおすすめ。
カーリースは、リース会社が所有する車を定額制で利用できるサービスです。
車を維持していくためには「税金」「点検」など、多くの出費が必要になってきます。
カーリースでは、これらのコストが月額料金にすべて含まれているので、ライフプランが組み立てやすいのが特徴です。
取扱車種が豊富なカーリース会社では、さまざまなメーカーの車種やグレードを比較して検討できます。
特定のメーカーに偏らないフラットな目線でのアドバイスも受けられ、自分にぴったりの車を見つけやすいといったメリットがあります。
また申し込み〜納車まで、すべてネットで完結するため、各メーカーのディーラー巡りをする必要もなくなり、休日を有効に使えるようにもなるでしょう。
カーリースのおすすめ人気ランキングは、以下で解説しています。
買い方4:フリマサイトで購入する
掘り出しモノの中古車を見つけるならフリマサイトがおすすめ。
不用なものを気軽に売ってお金に変えられるのが個人売買などの「フリマ」。
ちょっとしたお金が欲しいときにめちゃくちゃ便利ですし、断捨離ブームの影響もあってフリマサイトを使うこともだいぶ一般的になってきましたよね。
このブームは自動車にも来ており、高く売る為に、個人売買やネットオークション、フリマサイトなどを考える人も増えてきています。
その理由としては、個人売買やネットオークション、フリマサイトは直接商品のやり取りをすることで、「中古車販売店の仲介がない=買いたい人は安く・売りたい人は高く」取引することができるからです。
フリマといえば、メルカリを想像される人が大半かと思いますが、近年では車に特化したフリマサイトも充実してきています。
車に特化したフリマサイトについては、以下で解説しています。
【番外編】値引きが厳しい時代だからこそ「高く売ろう」
これまで新車の値引き相場は、車両本体価格の10%前後と言われていました。
たとえば、車両本体価格が200万円の新車の場合、値引き相場は約20万円です。
今では10%にするなら、ディーラーオプションを数多く装着したり、点検パックなどの新車に付随するサービスを購入しなければ、なかなか引き出すことが難しいです。
車の値引きが難しくなってきている理由は以下で解説しています。
「新車の値引きなし…」と落胆されている人は、今乗っている車を買取業者に任せるのをおすすめします。
車はネットで査定した方が高く売れます。
とくに車一括査定サイトは、1回の入力で複数の業者と交渉できるため、買い取ってくれる競合が多くなるからです。
登録している買取業者が豊富な車一括査定サイトであれば、お住まいの地域ではあまりニーズの高くない車種でも、別の地域でニーズが高いなどの理由で高く売れる可能性が高まります。
たとえば、悪路走破性の高いスバルのフォレスターやアウトバックは、雪国でのニーズはかなり高いため、買取店の対象を全国に広めれば高く売れます。
筆者は、過去にまとまったお金が欲しい(結婚式の資金)がために、車一括査定サイトを利用して売却した経験があります。
結果としては、相場の倍以上の高値で売れました。
さらに今では、半導体不足の影響で中古車相場が活性化しており、車一括査定の需要にブーストがかかっています。
もう一度言いますが、車はネットで査定した方が高く売れます。
車一括査定サイトのおすすめは、以下で解説しています。
正直こんなに安定した四駆はないと思ってる
スバル車のメリットとしては、水平対向エンジンと独自の4WDが有名ですよね。
この相乗効果で、スバル車は全般的に走行安定性と乗り心地が優れているわけですが、他メーカーと比べて大幅な違いがあるワケではないです。
筆者が思うスバル車の良さは、感覚的な面まで含めて、クルマの基本性能が非常に高いこと。
ハンドリングに対して忠実、路面からのダイレクト感、そしてスポーティさが強過ぎると思いきや馴染みやすい動きをしてくれる。
これは、運動性能、安全性能、視界性能が求められる航空機メーカーをルーツに持つ自動車メーカーだからこそできる技。
クルマの基本性能に価値を高めたクルマは飽きにくいですし、さまざまな面で優れたスバル車種は、比較的リーズナブルで購入しやすいのも嬉しいポイントです。
あなたの人生を楽しく、そして命を預けられるクルマを、スバルで見つけてみてはいかがでしょうか。
今回は以上です。