自動車整備士はAIに仕事を奪われる?【結論:プラスαのスキルがカギになる】

自動車整備士はAIに仕事を奪われる?【結論:プラスαのスキルがカギになる】

こんにちは。しー(@c_mecha_log)です。

さっそくですが、以下のツイートをご覧ください。

5G(第5世代移動通信システム)、VR・AR(仮想現実・拡張現実)、ビックデータ、IOT(モノのインターネット)など、
わたしたちの周りには最先端の技術が進歩してきています。

他にも、自動運転技術、ARを活用したスマートディスプレイ、空飛ぶクルマなど、技術革新が進んでいる自動車業界。

そんな技術革新の2020年代。

現場系の職種の人で、こんな話題を一度はされたことはありませんか?

「オレらっていつかAIに仕事奪われるのかなー」

少子化や若者のクルマ離れ、将来の選択肢の多様化で、
自動車整備士を目指す若者が激減してますよね。

「人手不足」が深刻なこの業界に、AIを搭載した優秀なロボットが登場すれば、
この問題は解決できるでしょうから、現実的にもおかしくない話です。

「じゃあ今いる自動車整備士は今後どうすりゃいいんだよ!」

しー

今後の自動車整備業界は、AIに仕事が奪われる未来が待っているのか。

この前、わたしの職場で「自動車整備士とAIが融合したらどうなるんやろ」という話で盛り上がりました。

みんな思っていることは同じで、
ロボットに仕事が奪われる未来を恐れています。

この記事では、現役自動車整備士(メカニック)10年目のわたしが、自動車整備士の未来について語りたいと思います。

本記事のテーマ

自動車整備士はAIに仕事を奪われる?【結論:プラスαのスキルがカギになる】

自動車整備士はAIに仕事を奪われるのか

自動車整備士はAIに仕事を奪われる?【結論:プラスαのスキルがカギになる】

最初に結論だけ言っておきます。
人と違ったプラスαのスキルを持つことがカギになります。

脳内お花畑くん

「いやいや、自動車整備士がAIに奪われる未来なんてかなり先の話でしょ?なんやかんや国も雇用を守ってくれるはずだからそんな未来有り得ないっすよ」。

分かりますよー。
無計画の自分もなんとなくそう思っていました。

そんな脳内お花畑のあなたに、まずは、AIに仕事が奪われる根拠・論文をお伝えします。

【根拠①】オックスフォード大学の論文

オックスフォード大学は、英語圏で最も歴史の長い大学であり、世界トップの大学としてその卓越した教育や研究、そして社会への貢献で、世界の教育をリードしている大学です。

そんなオックスフォード大学の論文「THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?(外部リンク)」では、将来90%以上の確率で消える職業が紹介されています。

もちろん仮説なので、これが現実になるかどうかはまだ未知数です。

この論文は、2013年に発表され、一時期話題になりました。

「10~20年以内に労働人口の47%が機械に代替されるリスクがある」という文章が引き金を引き、人工知能脅威論が一気に花開きます。たった20年で労働者の半数が失業するリスクにさらされるのですから、世間が騒然とするのも当然。

将来消える確率が高い職業は、一体どのような仕事なのでしょうか?
論文からいくつかピックアップします。

【消える可能性が高い職業】消える確率
保険の査定担当者99%
数理技術者99%
証券会社員98%
弁護士の秘書98%
レジ担当者97%
料理人96%
事務員96%

正確かつスピードが必要になる仕事は消える可能性が高いです。
最近のレジなんかどんどん機械化が進んできていますよね。

特に単純作業の場合は、ミスを起こしてしまうような人間なんかより、
ロボットのほうが正確かつ早そうですよね?

人間は人件費もかかりますし、モチベーションも日によってさまざま。
ロボットは、メンテナンス代のみで済みます。

あなたがもし会社の経営者あればどちらを雇いますか?

【根拠②】厚生労働省の報告書

厚生労働省より以下の調査報告資料がホームページで公開されています。

>>IoT・ビッグデータ・AI 等が雇用・労働に与える影響 に関する研究会

この報告書の中にこんな発表があります。

10~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業は、
人工知能やロボット等への代替が可能

ちなみにこの資料は、平成28年に作成された報告書になります。
国はこんな前から予測していたんですね。

今後、私たちは自らの進む道を考えて行かなければなりません。
時代の変化に対応していく必要が増していることは明白なんです。

AIのできること・できないこと

自動車整備士はAIに仕事を奪われる?【結論:プラスαのスキルがカギになる】AIのできること・できないこと

AI(人工知能)とは、人間の脳で考えているかのような働きをするのが特徴です。

大まかな特徴こちらの通り。

  • 人の言葉を理解すること
  • 画像・映像を認識すること
  • ビックデータを活用して予測を立てること

こんな感じ。
ここをさらに深掘りしていきます。

視覚で得た情報を言葉にできる

画像処理、画像の超解像、視覚で得た情報を言葉にできます。

例えば、自動運転の研究に使われているAIは、車載カメラの画像を取得し、ドライバーと同様に、通行人、対向車、標識などを識別可能。

人の目では見落としやすいようなモノに気づくコトができます。
さらに、モノクロの画像でもカラー化できます。

自動車整備に置き換えると、故障している箇所を漏れなく見つけることができます。

言葉を聞き取り、議事録を作れる

会議での発言をメモ・録音し、議事録を作成するという作業は、とても手間がかかります。
この手間のかかる作業を人工知能が肩代わりしてくれる日も遠くなさそうです。

NTTは、複数人の声を聞き分けてリアルタイムに議事録を作成するAIを開発しているのはご存知でしょうか?

>>(産経ニュース)NTTグループは独自のAI技術

1、2年後の実用化を目指しているとのことです。

また海外では、会話の内容を分析し、誰がいつまでになにをすれば良いのか、整理してくれるAIサービスもスタートしています。

この技術が発展すると、整備記録簿の記入や見積もりの作成などを代行してくれます。

最適な提案ができる

【機械学習】と【深層学習】という2つの学習方法でAIは進化していきます。

機械学習とは、スマホの顔認証システムのように人間がコンピュータに対して指示を与えて、その指示にしたがって理解していく仕組みです。色の違いを見分けて写真の分類を行わせる学習方法などが挙げられます。将棋AIなども機械学習のシステムを用いて作られています。

深層学習とは、スマホの写真フォルダに格納されている写真の中から特定の人物が写っている写真だけをピックアップする機能のように、コンピュータ自らが幅広い特徴を把握していく仕組みです。

この2つの学習を用いて、特徴量の設定や組み合わせをAI自ら考えて決定します。

機械学習では「色」や「形」のように着目点を指示する必要がありましたが、深層学習の場合は、それを指示をしなくても、どのような値を特徴とすべきかを自ら考えて、最適な分類と予測を行うことができます。

自動車整備に置き換えると、個々のクルマに合った修理方法を提案することが可能です。

マニュアル通りのデータ処理が可能

AIには人間のような「ひらめき」は無いですが、「事実」や「ルール」のみを客観的に判断し、淡々と作業をこなしていくことに優れています。

そして、大量のデータを処理するスピードを比較した場合、人間とAIではスピードや正確さで勝負になりません。

また、AIは大量のデータを分析し、ある一定の「法則」や「傾向」を導き出すことも得意とします。

自動車整備に置き換えると、過去の修理情報を元に、最適な修理方法を提案できます。
そして、マニュアルに沿った正確な作業ができます。

0から1を生み出すことは苦手

要はクリエイティブなことが苦手です。

あくまでもAIは「過去のデータをもとに作業を行うこと」を得意としています。

なので、これまで誰も思いつかなかったようなアイデアを「創造的な作業」として価値のあるものと定義するのであれば、AIの「まったく新しいものを生み出す力」は決して高くないといえます。

マニュアルには無い効率的な作業方法の発見など「過去のデータ」にないアイデアは不得意。

空気を読めない

ビジネスを円滑に進める上では、相手がどのような考えを持っているのかを察して、空気を読むことが重要になる場面も多々あります。

そして、その空気を読むという行動が、後々の大きなチャンスにつながっていくというケースも決して少なくないです。

AIにはそういった「相手の気持ちにより沿って空気を読む」「お客様との絶妙な距離感」みたいなことが苦手です。

これは人間にしかできないことですね。

全てのお客様を網羅することはできません

リーダーシップはとれない

リーダーシップとはコミュニケーション能力で人々を引っ張っていく行くムードメーカー的な存在です。

しかし、AIには人間のように心を通じたやりとりをするスキルはまだありません。
ロボットがマネジメントをするような時代はかなり遠い未来だと思います。

人間関係を円滑に進めるうえで、相手の気持ちを察して空気を読むことがその場の損得以上に重視されるのはよくあることです。

人間の気持ちは複雑なもので、最善解があると分かっていながらも気持ちがそれを許さない、ということもあるでしょう。

人工知能が最善と判断したことは正しいかもしれませんが、人間の気持ちも踏まえた判断にすることは難しいのではないかと言われています。

人を動かすことができるのは人間です。

自動車検査員は確実にいなくなる

自動車整備士はAIに仕事を奪われる?【結論:プラスαのスキルがカギになる】自動車検査員は確実にいなくなる

上記を踏まえて、AIが得意とする事はやはり単純な点検・交換作業です。

自動車整備士で置き換えるとこちらの通り。

  • オイル交換、バッテリー交換などの交換作業。
  • 定期点検
  • 自動車検査員

交換作業や点検は言うまでもないですよね。

自動車検査員をAIに任せられる理由は、検査員は「道路運送車両法」を元に業務を遂行しますので、AIのビックデータを元に公平に「保安基準不適合」見極められることが可能なんです。

検査員からしても、検査ミスなどで行政処分を受けたりすることも無くなります。

検査ラインだけ通せば、自動的にAIが指定整備記録簿を発行してくれるので業務効率化も図れます。

なので、検査員は善悪を判断するだけの仕事です。「人間味」など不要。
AIの仕事にもっとも適していると考えます。

これからの自動車整備士

自動車整備士はAIに仕事を奪われる?【結論:プラスαのスキルがカギになる】これからの自動車整備士
これからの自動車整備士

では、どういった自動車整備士が生き残れるのか。
それは、プラスαのスキルがある自動車整備士です。

例をいくつかご紹介します。

  • 高難度な重整備ができる
    →整備をする上で絶妙な力加減みたいなモノが必要な場面があるため
  • 車内での繊細な作業ができる
    →ロボットの場合、車内を傷つける恐れがあるため
  • 超高難度の故障診断ができる
    →今までに無いような新しい故障に対応できる
  • カスタム、ドレスアップなどの作業ができる
    →AIはクリエイティブな作業が苦手

このへんかなと思います。

新しいアイデア・スキルが生み出せる整備士が生き残れると考えています。

そして、ロボットでは提案できない「お客様と親身に寄り添えるスキル」を持った整備士も生き残れると思います。

単純な仕事だけやっていると確実にオワコン化します。

AIに仕事が奪われる側になるのか、逆に奪う側になるかは、今後のあなたの行動次第です。

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