自動車整備士はきつい!?【結論:現状でもオススメはしない】

自動車整備士はきつい!?【結論:現状でもオススメはしない】

自動車整備士の仕事ってやっぱりきついの?

こんにちは。しーです。

自動車整備士(メカニック)に対するネガティブキャンペーンは、あとを経ちません。

こんな感じですね。

一昔前からずっと「自動車整備士はきつい」「自動車整備士はやめとけ」というワードが多くネットにはあります。

しー

自動車整備士のわたしは、なんやかんやで10年やってきました。

「自動整備士はやめとけ!」とまではいきませんが、わたしは「安易にオススメできる職業ではない」というのが結論になります。

このようなことをわたしが書くべきではないのは分かっています。

ですが大切なことなので包み隠さず書きます!

本記事のテーマ

自動車整備士はきつい!?【結論:現状でもオススメはしない】

自動車整備士はきつい!?

自動車整備士はきつい!?【結論:現状でもオススメはしない】

「自動車整備士の給料は低い!」をはじめとした「待遇」の面は、昔からよく言われる話。

ではその待遇は妥当なものなのか、わりに合っているのか。

ここからは、自動車整備士の仕事内容についてわたし経験で解説します。

基本的にヒマな時間はない

仕事の量はシーズンによってかなり変わります。

ディーラー系の整備工場では新車の販売(登録)台数が多い3,4月は新車の販売・納車に伴いディーラーオプションの取り付けの業務が増えます。

新車販売が多く、車検も行う店舗ではオプション取り付けと同時に車検点検が増え、1年の中で最も忙しい時期となります。

急なトラブルでの来客もありますし、予定に入っていない仕事を営業マンが急に持ってきたり、計画建てて仕事をすすめるのは難しい環境です。

自動車整備業界は人員不足、会社によっては経費削減のために整備士を減らしたりもするところもあるので、整備士一人あたりにかかる負担は大きくなってきています。

冒頭のツイートにあるように、自動車整備士の仕事は3K。

  • きつい(力仕事が多め)
  • 汚い(オイルやグリスで汚れまくり)
  • 危険(ミスると死ぬし、人を殺す)

なので、周りは常にピリピリしています。
職場の雰囲気も良くないところが多いです。

夏は冷房なし、冬も暖房なしなので、劣悪な労働環境。

「仕事は見て盗め」みたいな考え方をしている職場がまだ多く、めったに仕事も教えてもらえません。それで、仕事が分からずにオロオロしていると上記のように怒鳴られたりすることもあります。

そういうことを上司に相談しても「いやいやお前らなんか俺らの時に比べたらまだマシだぞ〜」と説教されます。

なんだかんだで業界は良くなってきているよ〜。という意見もありますが、いまだにこういった職場はマジであります。

自分のクルマをイジる時間さえとれない

自動車整備士になったら、仕事の合間や終業後に自分のクルマがイジれると思っている人は少なくないはずです。

これに関しては、わたしの会社ではほぼなくなってきています

日中は業務に追われますし、残業はあまりできないので終業後にイジれることもできません。

イジろうと思うと自分で工賃を払って設備を使わせてもらう形になります(社員値引きはある)。

なので、「仕事の合間に〜。」みたいなことはひと昔前の話。
そういった雰囲気ではなくなってきています。

自動車整備士の最大のメリットだと思っていましたが。

残業時間は改善されてきている

世間が「働き改革」を謳いだした近年ではかなり改善されてきました。

5年ぐらい前までは、毎日最低でも3時間(それ以上はサービス残業)、休日出勤などは当たり前。

今思えば、かなりブラック化していましたね。

残業や休日出勤になる理由ですが、単純に作業量が多すぎて業務時間内に終わらないからです。

定時になってからようやく自分の仕事に手がつけれるような状況。
完全に残業ありきで仕事がされていました。

ここ最近は、コロナの影響もあって改善されてきていますが、毎日2時間ぐらいの残業は当たり前です。

自動車整備士のメリットは3つ

自動車整備士はきつい!?【結論:現状でもオススメはしない】自動車整備士のメリットは3つ

ここからは自動車整備士になることによって得られるメリットがあります。

クルマに対する知識が違った目線で見れる

一般的な「クルマ好き」とは一線を画した目線でクルマを見ることができます。

なぜなら、クルマに関する構造が理解できているからです。

さらに、構造や仕組みを理解しているといざと言うときに自分で対応ができます。
どんな部品を選べば良いのか、どんな乗り方をすれば良いのかの判断ができます。
また、友人や家族から頼りにされます。

車が安く手に入り、安く修理できる

この業界にいたら必ずクルマに関するおいしい話が回ってきますよ。

販売店などで働いていると安く車が買えたりします。
部品も安く調達することができ、自分で修理することができます。

あとは一般ユーザーでは調達ができない工具と出会うことができたりします。
スナップオンやマックツールなどの輸入工具のバンセールスですね。

この辺は自動車業界で働く人にとっての大きなメリットです。

クルマ関連の仲間が増える

単純に同じ趣味の人間と繋がれます。

板金屋さんやオイル屋、部品商さんと繋がりがあれば独立する時に強い見方になってくれるでしょう。

実際にわたしはこの10年間、あらゆる外注先の仕事仲間、カスタムショップ、工具屋、ラリードライバーまで数多くのクルマ関連の方々と接することができました。

あらゆる人々とコミュニケーションをとることでクルマの知識となり、あなたの財産となります。

自動車整備士のロードマップ

自動車整備士はきつい!?【結論:現状でもオススメはしない】自動車整備士のロードマップ

ここまで読んででも、「いや俺はそれでも自動車整備士になるんだ」という人。

向いていると思いますよ。
ぜひ目指して頂きたいです!

ここからは自動車整備士を「仕事」にしたい人に向けたロードマップを解説します。

自動整備士として修理工場で活躍するためにはまずは資格が必要になってきます。

資格取得方法は「独学」がオススメ

自動車整備士として王道の資格である【2級ガソリン自動車整備士】【2級ジーゼル自動車整備士】あるいは【1級小型自動車整備士】取得を目指すことになります。

なぜ2級なのかというと、2級自動車整備士の資格を持っていると、自動車の整備全般に携わることができます。3級の資格ではできない整備が多くあるため、自動車整備士として働くなら、ぜひ取得しておきたい資格なんです。

例えば、3級の資格では、エンジンの分解修理や足回りの大掛かりな整備などはできません。また、2級を持っていると自動車整備主任者、自動車検査員になれますが、3級にはその資格がありません。

ちなみに取得方法は2つあります。

専門学校に入って目指す

高校卒業後に国が指定する自動車整備の専門施設・養成学校を卒業すると、2級自動車整備士の受験資格が得られます。

さらに、2級の資格を取得し、その後3年間の実務経験を積むと、1級の受験資格を満たすことができます。

または、4年制の専門学校や大学校の1級自動車整備士の課程を修了すると、卒業と同時に1級の受験資格が得られます。一級の試験には実技と学科がありますが、実技試験は免除されます。

実務経験を積んで独学で目指す

高等学校を卒業していても、自動車や機械などに関する課程を修了していないと、3級の受験資格はありません。

受験資格を得る条件は、認証工場や指定工場で1年以上の実務経験を積むことです。

また、2級の受験資格を得るには、3年以上の実務経験が必要となります。見習いとして採用している整備工場もありますが、認証工場や指定工場でなければ受験資格が得られないので注意しましょう。

ちなみに私は某メーカーの専門学校を卒業しています。
資格取得する為に2年間学校で学習しました。
普通に授業を受けて、先生の言われたカリキュラムをこなしていけば楽に合格できました。

早く資格を取れて現場でもすぐ活躍できそうな「専門卒」なのですが、自動車整備士は「独学」でも十分可能です。

むしろクルマに携われて、給料を貰いながら勉強できるのでコスパが良いです。
現場での技術力も「専門卒」より早く習得できます。

今の会社では高卒メカニックの採用も多くなってきていますからね。

ちなみにこれは、某メーカー系自動車大学校の2年課程の学費です。

区分入学金1年次1年次2年次2年次
前期後期
納付時期第1次入学
手続き時
第2次入学
手続き時
1年次
9月
1年次
3月
2年次
9月
入学金¥260,000
授業料¥250,000¥250,000¥250,000¥250,000
実習費¥144,000¥144,000¥144,000¥144,000
施設費¥101,500¥101,500¥101,500¥101,500
合計¥260,000¥495,500¥495,500¥495,500¥495,500
物品購入費
等預かり金
¥135,000¥85,000
納付金
合計
¥260,000¥630,500¥495,500¥580,500¥495,500

2年間合計¥2,462,000。
その他雑費ももちろんあります。

専門学校を出たら有利ではありますが、ここまでかけてまで取るような資格ではないです。

手取りが20万前後の自動車整備士。

元が取れるのはいつになるでしょうか。

自動車整備士になってからの話

自動車整備士はきつい!?【結論:現状でもオススメはしない】自動車整備士になってからの話

晴れて資格取得ができたら自動車整備主任者、自動車検査員を目指すことになります。

2級の人は、1級を目指すのもアリです。
ディーラーであればメーカーの資格制度を順番に合格していくと良いでしょう。

自動車整備主任者

自動車整備主任者とは整備工場が国から指定を受ける際に最低1名選任しなければならない役職者になります。整備主任者は資格ではないため、試験などはありません。

仕事内容を大まかにいうと分解整備に関わる部分が保安基準(国の基準)を満たしているかチェックすることです。

そして、毎年1回研修を受講しなければなりません。

自動車検査員

整備後の検査や車検を通すための検査をする職種です。

自動車検査員が行う車検の検査業務は、法律上では本来、国が行うべき業務を民間の整備工場が代行して行っていることから、自動車検査員は刑法やその他の罰則の適応などに関して、公務員に準じる「みなし公務員」に該当することになります。

要は車検を国に代わって通す事ができます。

なるために行動することはこちらの通り。

  • 整備主任者として1年以上の実務経験があること
  • 直近の整備主任者研修を受講していること
  • 勤務先が「指定工場」の指定を受けていること、または、「指定工場」の指定を受けようとしていること自動車検査員教習を受講すること
  • 自動車検査員教習の修了試験を合格すること
  • 自動車検査員教習の修了試験を合格すること

上記2点を取得すれば会社から手当ても出ます。

しかし、自動車検査員は「みなし公務員」となるので責任重大です。
法律に基づいて業務を行うのでそれなりの手当てを貰ってもおかしくないです。

道路運送車両法という法律を学ぶのですが、この中に認証工場の取得や指定工場取得に関する知識を学びます。

これは将来独立して自動車屋をする時の知識として重要になりますのでよく覚えておきましょう。

そして、1級自動車整備士を取得し知識を増やし、経験を積んで独立開業ができたら自動車整備士としては理想的ですね。

それとフリーランスでいろんな修理工場で業務をし、技術を売っていくのもありだと思います。

オススメはしないが「得られるものはある」

自動車整備士はきつい!?【結論:現状でもオススメはしない】オススメはしないが「得られるものはある」

とても他人に勧められる業界ではありません。
もちろん自分の子供にもなってほしいとは「現状」思えません。

ネットに書いてある事も殆どが頷ける書き込みばかりで、基本的に薄給激務。

それに加えて理不尽な人間も多く、パワハラなんかも見られますし、営業に回される可能性があるのも事実です。 体力も勿論必要です。

それでいて日々進化し続ける機械工学。 それに伴って整備士も勉強していかなければいけません。 よく部品交換の様な単純作業ばかりしてるみたいに言われますが、そんなことはありません。

全てが事実とは思いませんが、これだけ否定的な意見がネットでも出回ってるわけですし、良い業界とは言えないと思います。

ただ、整備士に限らず待遇や働く環境というのは同じ職種でも職場によって本当に変わります。
全ての職場がブラックとは思っていません。

ただ、最後に1つだけ言いたいことがあります。

わたしは10年間、クルマを乗られている方々の笑顔をたくさん見てきました。

理不尽なことはたくさんあります。
ネガティブなことに目がいきがちですが、それだけではないです。

確かに胸を張って「自動車整備士はオススメだよ!」と言えない現状はあります。問題はまだまだたくさんある業界ですからね。

ただ、日本の道路には電車や飛行機と比にならないほどの多くのクルマが毎日走っています。

自動車整備士は、多くの人々を笑顔できるチャンスがあることを知っておいて下さい。

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