スバル車のバッテリー交換をしたい。選び方やおすすめのメーカーもあれば知りたい…。
一昔前に比べて、車のあらゆる装置が電動化してきており、過酷な使用環境を強いられている「カーバッテリー」。
使用にともない劣化するため、3〜5年くらいが交換の目安といわれています。
ある日突然エンジンがかからない、といった事態を避けるためにも定期的な交換が重要。
そこで、今回はバッテリー交換におすすめなメーカー、国内最強と言われるモデルを含むおすすめ製品をスバル車に特化して紹介します。
- スバル車のバッテリー交換で必要な知識
- スバル車におすすめのバッテリー
- バッテリー上がりに備えた救援アイテムの紹介
この記事を書いている筆者は、本業で自動車販売店で働いており、これまで約1000台以上のスバル車のバッテリー交換を行ってきました。
スバル車のバッテリー交換【基礎知識5選】
車のバッテリーは、エンジンを始動させるために必要な電力を供給し、車の動力源を支える重要な役割を果たしています。
特に、エンジンの始動時や停車中に電力を供給することで、エンジンの再始動を可能にするなど、車の正常な動作に欠かせない存在です。
1:スバル車のバッテリー【種類は3つあります】
現行のスバル車には車種によって搭載されているバッテリーに違いがあります。
ガソリンエンジンのみ搭載車 | 始動+補機+アイドリングストップ用 合計1つ |
ハイブリッド車(e-BOXER) | 始動+補機用 アイドリングストップ用 リチウムイオンバッテリー 合計3つ |
リチウムイオンバッテリー(モーター駆動用)は、定期交換するようなバッテリーではないので気にしなくてOKです。
定期交換が必要なバッテリーは、「始動+補機用」「アイドリングストップ用」のバッテリーです。
現行のスバル車エンジンルームには、「始動+補機用」と「アイドリングストップ用」のバッテリーが存在しており、ハイブリッド車(e-BOXER)の場合は、「始動+補機用」と別体でアイドリングストップからの復帰に使うバッテリーが独立しているので注意です。
つまり、ガソリンエンジンのみ搭載車の場合は、エンジンルームに「始動+補機+アイドリングストップ」を兼用したバッテリーが1つ(Q-85L)、ハイブリッド車(e-BOXER)の場合は、エンジンルームにバッテリーが2つ(55D23L・N-55R)あります。
2:バッテリー形式の見方【適切なサイズを選ぶ】
車のバッテリーには、それぞれ形式と呼ばれるタイプ分けが存在します。
正確にはJIS形式と呼ばれますが、この形式によってそのバッテリーを載せるべき車がおおまかに分かるのです。
現代の路上には様々な種類の車が溢れていますし、各ご家庭の自家用車も非常にバリエーションが豊富ですので、このバッテリーの形式の見極めはとても重要です。
始動+補機用バッテリーの場合
充電制御車を含む標準車に適応したバッテリーのJIS形式には、さまざまなものがあります。
ここではスバル車に標準搭載されている55D23Lを例に解説します。
最初の「55」の数字は、性能のランクを示すものです。
カーバッテリーの総合性能は低温時の始動性能と容量によって決まり、この最初の二桁の数字が大きいほど性能が良いことを示します。
この数字は50未満なら2刻み、50以上は5刻みの表示で、一般的には60を超えると高ランクと言われます。
次の「D」は、カーバッテリーを横に短い面から見た時のサイズを表しています。
AからHまであり、サイズとの対応関係は以下の通りです。
記号 | 幅(mm) | 箱高さ(mm) |
---|---|---|
A | 127 | 162 |
B | 129(127) | 203 |
D | 173 | 204 |
E | 176 | 213 |
F | 182 | 213 |
G | 222 | 213 |
H | 278 | 220 |
続く「23」の数字は、カーバッテリーの長い方の横幅の外寸です。
単位はcmですので、この例の場合は23cm幅ということになります。
最後の「R」は、+と−端子の極性位置を示しています。
少し言葉が難しいですが、要はカーバッテリーの+端子がどこにあるかということです。
カーバッテリーの横幅の短い方のうち、本体プラス側から見て+端子が左側にあるならL、右側にあるならRと表記されます。この例の場合はLですから、+端子は右側です。
これらのことから、「55D23L」というJIS形式のカーバッテリーは「性能ランク55、短側面173mm×204mmおよび長側面230mm×204mm、端子左側」であることが分かります。
最初は分かりづらいですが、慣れるとすぐに読めるようになります。
アイドリングストップ用の場合
最近のスバル車には、運転支援システムと同じく当たり前のように搭載されるようになったアイドリングストップ機能。
アイドリングストップ搭載車用のバッテリーは、標準車向けのものとは異なり、形式表記も違ってきます。
ここではスバル車に標準搭載されているQ85Lを例に解説します。
先頭の「Q」はバッテリー本体のサイズを表しています。
J、K、M、N、P、O、S、T、U、V、W、Xの12種類で、標準車用のモデルとのサイズ対応は以下のようになります。
標準車用 バッテリー | アイドリングストップ車用 バッテリー | 標準車用 バッテリー | アイドリングストップ車用 バッテリー |
---|---|---|---|
B17 | J | D26 | S |
B19 | K | D31 | T |
B20 | M | E41 | U |
B24 | N | F51 | V |
D20 | P | G51 | W |
D23 | O | H52 | X |
中央の「85」の数字は、標準車用バッテリー同様に性能ランクを示します。
ちなみに「85」は、高性能な部類に入ります。
末尾の「R」は、これも標準車用のものと同じく端子の向きです。
アイドリングストップ車は、一般的なバッテリーとは非常に相性が悪く、この機能に対応するバッテリーは従来製品とはまったく異なります。
なので、アイドリングストップ搭載車にお乗りの方は、バッテリー選びの際にお目当てのモデルが標準車用などの従来製品でないかどうか念入りにチェックしておきましょう。
アイドリングストップ車に標準バッテリーは搭載できても、使用はできないと思って下さい。
3:バッテリーの性能【CCA・性能は上げすぎない】
バッテリーを交換するなら性能の良いものを選びたいものです。
そこで基準となるのがCCAです。
CCAとは、コールドクランキングアンペアの略で、バッテリーの「始動能力」の指標を表します。
CCAは、-18℃で30秒間の放電時に7.2Vまで電圧が降下するときの定電流値を指標としたもの。
単純に考えるとこの値が大きいほどエンジンの始動に強い(大きなエンジンをスタートできる)バッテリーとなります。
例えば、スバルのアイドリングストップ車(ハイブリッドは除く)では620CCAが要求されます。
バッテリーを社外品に交換した場合に、CCA値は同じサイズのバッテリーでもある程度幅があり、バッテリー内の電極の表面積や材質/構造によって変わってしまいます。
CCAが高いほうがエンジンスタートには有利なのですが、限られた容量でCCA性能を上げすぎると耐久性が落ちるため、高CCAほど良いというわけでもなく、バッテリーサイズとのバランスも重要です。
なので、CCA値や性能ランクを上げすぎるのはあまりおすすめではありません。
N-55ならN-55、Q85ならせいぜいQ-100程度で十分です。
4:Ahと時間率容量の関係【性能比較の参考に】
CCAの記載がないバッテリーを選ぶ場合は、アンペア・アワー(Ah)と時間率も確認しましょう。
例えば5時間率容量が100Ahのバッテリーでは、20A(容量÷時間率)の電流を流すと5時間で放電終止電圧になります。
つまり、20Aの電流を5時間使うことができます(条件によって変わるのであくまで目安)。
では、同じ100Ahの容量でも、5時間率容量100Ah(20A×5h)と20時間率容量100Ah(5A×20h)のバッテリーでは、どちらの能力が高いと言えるでしょうか?
答えは、5時間容量100Ahのバッテリーの方が高性能と言えます。
容量は同じ100Ahですが、小さな電気を取りだす方が効率がよいので、5時間率容量100Ahのバッテリーならば5Aの電気を20時間以上供給することが可能です。
バッテリーの容量を確認する場合は、アンペア・アワー(Ah)の数値だけでなく時間率も確認しましょう。
5:バッテリーの寿命と交換時期【明確ではない】
バッテリーの交換時期といえば3〜5年が一般的ですが、最近ではその範囲が大きく分かれてきています。
バッテリーといえば「だんだん弱くなってきてエンジンのかかりが悪くなる」というイメージをお持ちの人が多いですよね。
「エンジンのかかりが悪くなった=バッテリーの交換時期かな?」という感覚が一般的かなと思います。
確かにコレは間違いではありませんが、現在のバッテリーは技術の進歩もあって、ギリギリまで性能を維持して突然死ぬという現象を起こします。
現代のクルマにはたくさんのコンピューターやセンサーを酷使して、車両をコントロールしますので、低い電圧で作動させることのないようにしなければならないためです。
命尽きるまで100%の仕事するバッテリー…
良いように聞こえそうですが、ユーザーにとってはいきなりバッテリー上がりがくるようなもの。
「バッテリーは高いからギリギリまで使いたい」という気持ちもわかりますが、外出時にバッテリーが上がると厄介ものです。
実際に自動車整備士として働いている身からすると、アイドリングストップ車のバッテリー点検はかなりシビアに見ています。
実際に自動車整備士として働いている身からすると、アイドリングストップ車のバッテリー点検はかなりシビアに見ています。
始動時電圧、CCA、液量、液のにごり、比重、ユーザーの使用方法、使用環境…。
あらゆる項目を総合的に見て判断しています。
テスターだけの判定で良好でも、3ヶ月後ぐらいには突然バッテリー上がってしまうことも全然あったりもします。
なので当サイトでは、「3〜5年の交換時期+バッテリーの突然死に備えたアイテムを準備しておく」ことをおすすめしています。
この辺の話は、【必読】怖すぎるバッテリーの突然死|バッテリーの進化の裏側に潜む「急なバッテリー上がり」でも解説しています。
【種類別】スバル車のおすすめバッテリー
ここからは、スバル車におすすめなバッテリーを筆者のこれまでの経験をもとにご紹介します。
始動+補機用でおすすめのバッテリー
始動+補機用で良いバッテリーとは、比較的寿命が長く、電圧が安定していること。
CCAなどの始動能力にも注目ですが、信頼のあるメーカーから購入することがポイントです。
100D23L「カオスC8シリーズ 安心サポート付き」
CCA | 非公表 |
5時間率容量 | 非公表 |
バッテリー液補水 | 必要 |
製品重量 | 16kg |
保証期間 | 3年 |
Amazon価格(2023年4月現在) | 18,102円 |
国内カーバッテリー業界においても有名な「パナソニック」。
一般家庭向けの家電から身近な乾電池や充電池まで様々な商品を生産している大手電気メーカーのPanasonicですから、信頼性はバツグンで新車時のバッテリーにも採用されているほど。
特に人気なのが認知度NO.1の「カオス」シリーズの存在です。
カオスは全て安心の日本製。
カオスは、Amazonや価格.comのカーバッテリーの売れ筋ランキングで、常に上位を独占する超人気商品です。
ネットでは値引率が非常に高く、お買い得です。
またカオスは、購入後のアフターサービスが充実しているのもポイント。
- 保証期間中のバッテリー上がり時には無料ジャンピング作業付き
- 再始動しなかった場合にはレッカー搬送
- 商品の保証対応の場合は最短で発送
保証期間は約3年と長く、購入後も安心して使えます。
75D23L「ACデルコ メンテナンスフリーバッテリー」
CCA | 580CCA |
5時間率容量 | 54Ah |
バッテリー液補水 | 不要 |
製品重量 | 16.3kg |
保証期間 | 2年 |
Amazon価格(2023年4月現在) | 10,209円 |
ACデルコは自動車部品の製造・販売を始めてから1世紀以上の歴史があるメーカーで、世界中の自動車メーカーのモデルに対応して自動車部品を提供している自動車部品ブランド。
中でもロングセラーモデルである「メンテナンスフリーバッテリー」は、日本のJIS工業規格に準拠し、軽自動車から乗用車、スポーツカー、ミニバンにいたるまで幅広く対応しています。
- 寒さに強い大型極板を採用
- バッテリー液の補水を不要にしたメンテナンスフリー
- バッテリーの状態を知らせるインジケーター
- 2年または4万km 製品保証 (いずれかの早期到達保証)
ACデルコのバッテリーは総じてハイパワーかつ長寿命で、シボレー・コルベットやキャデラック・エスカレードなどの大排気量アメリカ車ユーザーの方からとくに支持が厚いことで有名です。
始動+補機+アイドリングストップ用でおすすめのバッテリー
アイドリングストップ兼用のバッテリーについては、【Amazonで買える】スバル車のアイドリングストップ用バッテリーおすすめ5選|純正相当品をピックアップでも掲載していますが、一部抜粋してご紹介します。
Q-85「BOSCH ハイテックプレミアム」
CCA | 660CCA |
5時間率容量 | 60Ah |
バッテリー液補水 | 不要 |
製品重量 | 18kg |
保証期間 | 18ヶ月 or 3万km |
Amazon価格(2023年4月現在) | 16,799円 |
BOSCHは、ドイツを本拠とする総合自動車部品及び電動工具メーカーです。
輸入車に対する専用バッテリーのシリーズが有名ですが、国産車用に開発・製造されているシリーズの品質でも定評があり、日本のカー用品店の現場でも広く使われています。
ハイテックプレミアムは、信頼性とコスパ、両方ともバランスが良いです。
ハイテックプレミアムのQ-85は、D23サイズで性能ランク「115」の最強スペック。
同じく大容量が特徴的なパナソニックのカオスシリーズでもD23サイズは性能ランク100ですから、数値からいっても実に頼もしい商品と言えるのではないでしょうか。
Q-85「GSユアサ エコアール レボリューション」
CCA | 非公表 |
5時間率容量 | 54Ah |
バッテリー液補水 | 必要 |
製品重量 | 17.5kg |
保証期間 | 2年 or 4万km |
Amazon価格(2023年4月現在) | 18,618円 |
GSユアサは、自動車・二輪車用のバッテリーの生産シェアが国内トップで、世界的にみても第2位のシェアを誇るメーカー。
GSユアサのバッテリーの上位モデルである「エコアールレボリューション」は、圧倒的な長寿命を実現した次世代型バッテリーで、国内最高水準の高性能を誇っています。
アイドリングストップ用バッテリーの基本となる「耐久性」「クイックチャージ性」「寿命指数」は、従来のフラッグシップモデルに比べてどれも150%以上の性能を誇り、幅広い乗り方に対応。
バッテリーにとって過酷な使用になる「ちょい乗り」が多い人には強い味方になってくれるはず。
Q-90「VARTA シルバーダイナミック」
CCA | 660CCA |
5時間率容量 | 60Ah |
バッテリー液補水 | 不要 |
製品重量 | 18kg |
保証期間 | 3年 or 6万km |
Amazon価格(2023年4月現在) | 14,555円 |
アイドリングストップを搭載したヨーロッパ車でとくに人気なのが「VARTA」。
海外での過酷な環境下、過酷な使用状況でも耐えうる性能が好評で、ヨーロッパ車の純正装着率No.1を誇ります。
VARTAのバッテリーの特徴であるグリッド構造は、電流の流れそのものをデザインしたような独自のパワーフレーム。
電流をストレートに最短距離で伝達することで、理想の伝導効率を実現するとともに、グリッドをとり囲むフレームが経年による腐食や破損に効果を発揮し、耐久性がかなり高いです。
また、電極版の上部に電解液のスペースを必要としないため、同規格の一般的なバッテリーより長い極板が利用でき、長期間高い始動性能を発揮することができます。
アイドリングストップ専用でおすすめのバッテリー
スバルのハイブリッド車(e-BOXER)には、「始動+補機用」以外に「アイドリングストップ専用」のバッテリーが独立してエンジンルームにあります(N-55R)。
ハイブリッド車は、アイドリングストップをかなり頻繁に繰り返すので、耐久性の高いものを選びましょう。
N-55R「古河電池 アシエスウルトラバッテリー」
CCA | 非公表 |
5時間率容量 | 36Ah |
バッテリー液補水 | 必要 |
製品重量 | 13.5kg |
保証期間 | 3年 or 6万km |
Amazon価格(2023年4月現在) | 14,980円 |
バッテリー部門では国内でも老舗中の老舗である「古河電池」。
古河電池は、惑星探査機「はやぶさ」に搭載されているリチウム電池を手掛けたことで有名な国内の電池メーカーでGSユアサバッテリーと並び立つ国内2大メーカー1つ。
アシエスウルトラバッテリーは、古河電池のキャパシタ内蔵バッテリーエクノウルトラバッテリーのAmazon仕様。
「鉛極板」と「キャパシタ層」のダブル充電でクイックチャージ性能が優れています。
ちょい乗りにもしっかり対応してくれます。
N-55R「アトラスBX」
CCA | 非公表 |
5時間率容量 | 43Ah |
バッテリー液補水 | 不要 |
製品重量 | 12.8kg |
保証期間 | 18ヶ月 or 3万km |
Amazon価格(2023年4月現在) | 10,320円 |
ATLASBX(アトラスバッテリー)は、韓国電池が製造しているバッテリーメーカー。
元はバッテリー心臓部である「極板」を修理販売していた会社であったことから、極板の性能に非常にこだわりを持ったメーカーと言えます。
極板に採用されている素材によって腐食防止性能が高く、液減りとガス発生や自己放電が抑えられています。
また始動性や振動耐久性も高く、寿命も長いものとなっています。
バッテリー交換は自分でもできるが…リスクも知るべき
ネットでバッテリーを購入される人は「安いから」「自分でもできそうだから」という理由で購入される人が多いかと思います。
DIYによるバッテリー交換のリスクは知っておいて下さい。
- 作業工程で配線ショートによる火災
- メインヒューズを飛ばす危険性
- エンジン学習値のリセットによる弊害
バッテリーは主にエンジンルームに取り付けられており、基本的にはステーのみで取り付けられていることが多いため取り外しや取り付け自体はそう難しくありません。
しかし、バッテリー交換の作業自体は単純ではあるものの、電力を扱うバッテリーの取り外しにはそれなりのリスクが存在します。
誤った手順や方法で交換すると+端子とアースとなるボディ部分や金属部分の接触によるショートや火災につながる恐れもある作業です。
自動車整備士であるプロでも慎重に取り扱う作業ですし、経験の浅い自動車整備士であれば、ショートさせてしまうこともたまにあります。
たしかに作業工程は単純で、慣れれば5分ぐらいで終わりますが、「簡単」とは言い切れませんよ。
もしメインヒューズを飛ばしたらその時点で走行不能になります。
自分で交換される人は、ぜひこれらの注意点を覚悟した上で行うようにして下さい。
その他、ネットでバッテリーを買うメリットやデメリットについては以下の記事で解説しています。
バッテリー上がりに備えたアイテムも準備しよう
筆者は、仕事で数多くのバッテリートラブルを経験してきました。
お客様のクルマから、展示車、中古車、家族、友人のクルマまでジャンプスターターやブースターケーブルを使って救援してきたわけですが、その中で感じたことは、バッテリーの救援アイテムは持っておいた方が良いということです。
たしかに保険ロードサービス、JAFのバッテリー救援などもあります。
でも、その救援までずっと待っていられますか。
「仕事がある」「大事な約束がある」「子供のお迎えがある」など、さまざまな状況が考えられますよね。
ロードサービスの繁忙期である大型連休になると、救援までに大幅な時間がかかってしまうことは全然あります。
バッテリーは、いつ、どんなタイミングで上がるのかはわかりませんので、自分の身は自分で守る意味でも、もしもの備えはしておきましょう
ここからはバッテリー上がりに有効な便利アイテムは少しご紹介します。
もしものバッテリー上がりのために「ブースターケーブル」
そもそもブースターケーブルとは何でしょうか。
世にある多くのクルマは、スターターモーター(セル)によってエンジンを始動させます。
スターターモーターはバッテリーに蓄えられた電力によって動作する装置ですが、バッテリー上がり(電気容量の低下)など何らかの原因によりバッテリーの能力が低下していると、エンジンを始動させることができません。
こうした場合にエンジンを始動させるためにとられる方法のひとつとして、他の自動車から電力を分けてもらう方法(ジャンプスタート)があり、それに用いられるのがブースターケーブルです。
ブースターケーブルは、両側にワニグチのクリップが付いた2本1組セットの太いケーブルです。
配線の誤りを防止するため、+極用に赤色、-極用に黒色に塗り分けられています。
家電などの配線と比べてケーブルが太い理由は、エンジン始動時に大きな電流が流れるためにケーブルがそれに耐えるよう断面積が太く作られていることが理由になります。
エンジン始動時に流れる電流は、クルマによってさまざまなので、ブースターケーブルには流すことができる電流の許容最大値が記載されています。
ジャンプスタートは、バッテリーが上がってしまった車と同じ電圧の救援車が1台とブースターケーブルさえあればOKです。
ブースターケーブルのおすすめについては、以下の記事で解説しています。
モバイルバッテリーにもなる「ジャンプスターター」
ジャンプスターターとは、バッテリー上がりなどの急なトラブル時に急用携帯型のバッテリーです。
ブースターケーブルのように他のクルマのバッテリーと繋げて救援するのではなく、ケーブルとは別に専用のバッテリーを搭載しているものです。
使用方法は簡単で、ジャンプスターターの赤ケーブルのクリップをバッテリーの赤色端子に、黒ケーブルをのクリップを黒色端子に繋いでエンジンをかけるだけ。
ブースターケーブルと違って扱いやすさ、携帯性が高く、そして最近ではモバイルバッテリーとしても使えるのでクルマには1つ常備はしておきたい優れものです。
ジャンプスターターのおすすめについては以下の記事で解説しています。
自分で点検できるようになるのが理想
バッテリーといえば「だんだん弱くなってきてエンジンのかかりが悪くなる」というイメージをお持ちの人が多いかと思いますが、現在のバッテリーは技術の進歩もあって、ギリギリまで性能を維持して突然死という現象を起こします(バッテリーの突然死)。
とくに、ちょい乗りが多い・1週間に1度しか乗らない人は、たとえ整備工場などの6ヶ月おきの定期点検を受けていたとしてもバッテリー上がりの危険は格段に上がります。
とはいえ、「バッテリーの点検を自分でするのはハードルが高くない?」とか感じられる人が多いかと思います。
本業は自動車整備士のわたしですが、バッテリー関連のトラブルは年々増えてきているように感じます。
個人でも日常的にバッテリーの点検ができるようになれば、こういったトラブルも減ってくると考えています。
そこで当サイトでは、個人レベルでできるバッテリーの点検方法をご紹介しています。
バッテリーの点検・交換時期の把握をできるだけ自分で行う方法については以下の記事で解説しています。
SKEフォレスター乗りですが、取説に、再始動用バッテリーを専用品以外を使うとe-BOXERシステムが正常に動作しなくなる原因になる、とあります。
サイトに交換バッテリーを紹介されているということは、このトリセツ文言は、スバル専売品でないとちゃんと動作しないという意味ではなく、ISSバッテリーを使えば問題ない、いうことでしょうか?
レア機種に乗ると、こういうところが不安になります…
コメントありがとうございます。ISSバッテリーで問題ないです(サイズ・性能・端子の向きなどは注意)。新車から取り付けられている再始動用バッテリー=e-BOXERシステム専用バッテリーというわけではありませんのでご安心ください。
回答ありがとうございます。存外ネット上でも事例が少なく(ほぼP社製ばかりで)心強いです。