【必読】怖すぎるバッテリーの突然死|バッテリーの進化の裏側に潜む「急なバッテリー上がり」

バッテリーといえば「だんだん弱くなってきてエンジンのかかりが悪くなる」というイメージをお持ちの人が多いかと思います。

「エンジンのかかりが悪くなった=バッテリーの交換時期かな?」という感覚が一般的かなと思います。

確かにコレは間違いではありませんが、現在のバッテリーは技術の進歩もあって、ギリギリまで性能を維持して突然死ぬという現象を起こします。

この記事では、バッテリーの突然死問題について解説します。

この記事で分かること
  • バッテリーはどのように進化したか
  • バッテリーの突然死とは何か
  • バッテリーの突然死の対策は?

こんな疑問やお悩みにお答えしていきます。

バッテリーの突然死問題は厄介

昔のバッテリーであれば徐々に性能が落ちていき、ユーザーさんでもある程度交換時期を把握できていました。

ただ、現代のバッテリーではそうもいきません。

100%使い切る「バッテリの進化」

クルマのバッテリーは「鉛電池」というカテゴリーで、発明から150年 以上を経た現在も産業用としても非常用電源や電動フォークリフトトラックなどの電動車両分野で広く用いられ、さらに太陽光発電など再生可能エネルギーの蓄電でも利用が期待されています。

クルマ用のバッテリーは、エンジンルーム内の高温環境における耐久性、低温始動性能、 低コストにより不動の地位を得てきました。

そんなバッテリーの進化を急速にしたのが「アイドリングストップと多数のコンピューター制御」の存在があります。

アイドリングストップ中はバッテリーからエアコンやライトに直接電力を供給するため、放電気味の状態で使われる傾向がありますので、素早く充電できるクイックチャージ性能と耐久性が求められます

さらに現代のクルマにはたくさんのコンピューターやセンサーを酷使して、車両をコントロールしますので、低い電圧で作動させることのないようにしなければならない。

そのためバッテリーの性能をギリギリまで100%近く発揮できるように進化してきました。

バッテリーの進化の裏側にある「突然死」

命尽きるまで100%の仕事するバッテリー…

良いように聞こえそうですが、ユーザーにとってはいきなりバッテリー上がりがくるようなもの。

「バッテリーは高いからギリギリまで使いたい」という気持ちもわかりますが、外出時にバッテリーが上がると厄介ものです。

しー

実際に自動車整備士として働いている身からすると、アイドリングストップ車のバッテリー点検はかなりシビアに見ています。

始動時電圧、CCA、液量、液のにごり、比重、ユーザーの使用方法、使用環境…。

あらゆる項目を総合的に見て判断しています。

テスターだけの判定で良好でも、3ヶ月後ぐらいには突然バッテリー上がってしまうことも全然あったりするからです。

バッテリーの突然死対策

これまで数多くのバッテリー点検、救援を行ってきました。

これまでユーザーさんと接してきた中でこれだけは抑えておいてほしい対策をご紹介します。

その1:アイドリングストップをやめる

「地球環境のために!」と受け入れられてきたアイドリングストップですが、バッテリーにとって「エンジンの始動」が1番負担の大きいシチュエーション。

エンジンを始動させるパーツの1つにセルモーターがあり、セルモーターはエンジン内部にある大きなギヤを回転させることで始動させるキッカケを作ります。

この動作には大きな電力が必要となり、そしてアイドリングストップを多用するということは、何度もこの動作を繰り返すことになります。

またアイドリングストップでエンジンが停止すると、エアコンやカーナビ、ドライブレコーダーなどへ電力供給はすべて、バッテリーが受け持ちます。

アイドリングストップが頻繁に作動するほどに劣化は進みやすくなります。

それを見越してのアイドリングストップ用のバッテリーと思っていましたが、アイドリングストップをOFFにしているのかそうでない人で明らかに寿命に違いがあることを体感しています。

その2:ちょいノリをやめる

1回の走行距離が数kmなどのちょい乗りは、充電不足を招きますし、エンジンにとってもシビアコンディションとなります。

代表的なのがエンジンオイル。

走行距離は短くとも一定の時間でオイルの分子は千切れていき、始動時に噴射された燃料や燃えカスにより、燃料希釈やカーボン、スラッジの発生につながります。

そして部品の摩耗粉と合わせて、オイルの潤滑性能を低下させていきます。

さらにアイドリングストップの回数も重ねると、車検毎にエンジンオイルラインのフラッシングやバッテリー交換などが必要になり、ユーザーの負担は増えるばかり。

これはライフスタイルによるので難しい問題ですが、たまにロングドライブもしてあげましょう。

その3:パルス充電器を備えておく

アイドリングトップ車は、バッテリーの劣化や充電不足が進むと車両側がアイドリングストップを禁止させます。

ようはアイドリングストップをしなくなったら、バッテリーが性能が落ちてきているサインなんですね。

そんな時に使えるのがパルス充電器です。

バッテリーが劣化するのは、放電する際に電極版の鉛(Pb)と電解液の希硫酸(H2SO4)が反応して硫酸鉛(PbSO4)が生じ、これが結晶化(サルフェーション化)して電極版に付着し、反応面積が減ってしまうことが主な原因。

この結晶化した硫酸鉛を除去する技術として、高周波のパルス電流を流すという方法がよく知られており、大手自動車メーカーや自動車部品メーカー、電力会社の非常用電源の保守に使用されるなどの実績があります。

1つのバッテリーをできるだけ長く使用されたい人は1台持っておくと便利ですよ。

その4:CCAが測れるテスターを備えておく

自分でバッテリーをしっかり管理されたい人は、充電器以外にバッテリーテスターも持っておくと良いです。

そんなバッテリーテスターの中でも、バッテリー業界でよく使用される基準「CCA」を測定できるバッテリーテスターが特におすすめ。

CCA(コールドクランキングアンペア略)とは、低温でエンジンを始動させるバッテリーの能力を定義するためのもの。

これは主にアメリカやヨーロッパで採用されている方法ですが、始動時の性能を計測する方法としては、現在は日本でもCCAを 「性能表示」 として使用する様になってきました。

新品だったバッテリーは、バッテリーに記載されたCCA値の性能をほぼ保持していますが、充放電の繰り返しや時間経過により、バッテリーは劣化(サルフェーション)して本来の性能を発揮できなくなります。

その分、CCAの実測値も低下していきます。

つまり、劣化バッテリーのCCA値を測定すれば、そのバッテリーが何%くらい劣化しているかが把握することができます。

ご自身で定期的にメンテナンスされる人であれば、1台持っておくと便利ですよ。

その5:2〜3年の間に定期交換しておく

バッテリー劣化が把握しずらいので、いっそのこと「2~3年の間に交換」決めておくのも手です。

早すぎるのでは?」と感じる人もいらっしゃるかと思いますが、ビクビクしながら5、6年使い続けるよりかは精神的にはラクだ思います。

なんせバッテリートラブルは、出先で起こるとその日の予定は崩れるし、救援にお金はかかるし、時間もかかるし、厄介なトラブルですからね。

最初から「この期間で交換する」と決めておけば、いちいちバッテリーの交換時期に迷わなくて済みます。

「命尽きるまで全力を出し切る」

最近のバッテリーは、昔と比べると交換時期の判断がしずらいのが現状です。

バッテリーの突然死
  • 現代の鉛バッテリーは「100→0」で力尽きる
  • ユーザー側で交換時期を判断しずらい
対策まとめ
  • アイドリングストップをやめる
  • ちょい乗りをやめる
  • パルス充電器を備える
  • CCAが測れるバッテリーテスターを備える
  • 自分で定期交換時期を決めてしまう

その他、ブースターケーブルジャンプスターターをクルマに常備しておくのも安心です。

詳しくは下記のページで解説しています。

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