「水平対抗のタイベルやりたいです」
— しー@スバル×車ブログ (@c_mecha_log) February 2, 2021
「6速のクラッチやりたいです」
「エンジン載せ替えやりたいです」
こういう若手メカニックほんと減ったよなー
今日若手くんに「こういうの興味ないん?」って聞いたら「ないっす!」って普通に言われた
ここに面白味感じないとメカニックとして成長しないよ😅
上記を深掘りします。
そして、この上から目線のツイートに賛否両論を生むことは想定していましたm(__)m
この記事は経験談も踏まえながら10年前の自分に書いていきます。
※自動車整備士を「ゆるく」やっている人には暑苦しい記事なので読む価値ないです。
※「趣味」=「仕事」にしろ!ということが言いたいのではないです。
自動車整備士の底辺から成長した話【10年前の自分に語る】
もくじ
【経験談】自動車整備士の底辺だった話
10年前の4月に入社。
1ヶ月の研修期間。
それはそれは丁寧に教育されました。
「スバルは今やグローバルでも高く評価されていて〜」
「水平対向エンジンは低重心、低振動、軽量コンパクトで〜」
「あなたたちも未来のスバルのチームとして〜」
期待に胸を膨らませて配属されました。
ですが、初日から研修施設と現場とのギャップに驚かされます。
チーフから1番最初に言われた言葉は「なんでこんな会社に入ってきた?」。
当時のわたしはやる気満々だったので、その言葉に対して真剣に耳を傾けようとはしませんでした。
精神的に追い込まれ続けた新人時代
新人時代の仕事はこんな感じ。
- 新車の用品取付、コーティング
- 点検
- 簡単な一般整備
- 洗車
「新人に新車を任せるとか怖すぎだろ」と思いつつ、かなり緊張しながら日々頑張ってましたね。
作業は指示されるだけで、何もフォローもなく、手順書もどこにあるかも教えられないままとりあえず目の前にあるクルマと向き合うだけ。
当然ながらミスも多かったし、時間も大幅にかかってしまい怒られる毎日でした。(翌日納車の新車にルーフスポイラー取り付けで間違った箇所に穴を開けてしまったり…。本当に迷惑ばかりかけていました。)
日に日に腕も上がってきて、自分では「今回はミスなく早く終わらせれたぞ」と思って作業完了報告をしにいっても褒められることはなく、いつも喋りかけてくるときはだいたい怒られるときばかりで辛い日々を送っていました。
怒られ方もだんだんエスカレートしていき、
「手順書も見んとできんひんのかお前!」
「いつまでやってんねん!」
「こんなミスしたヤツ今まで聞いたことないわ!」
「お前みたいなヤツは整備士に向いていない!」
「ボケカス!」
「○ね!」
自分では成長してきている実感はあるのに、どの先輩も誰も評価してくれない。
完全に自分に自信がなくなってしまいました。
もうやめたい。
親に頭を下げて専門学校に通わせてもらったこともあり、相談しましたが、「辛くても3年は続けるべき」と言われましたが、もう精神的に限界は超えていました。
何をやっても怒られる。
難しい作業するだけ損。
ネットで整備士のネガティブなワードを検索する毎日。
今思えば、自動車整備士としての「底辺」だった時代です。
優秀な同期と再会し「思考が変わった」
なんやかんやで3年が経過。
ある程度成長し、できる仕事も増えてきてあぐらをかいていました。
クルマは好きでしたが、仕事への興味は全くなく、完全に割り切っていました。
そんな時に、会社で若手だけの技術コンクールが開催されることになり、同期とペアを組んで出場することになります。
ペアを組んだ同期は、会社からもかなり評価が高く、実家がクルマ屋ということもあって休日もずっと愛車の整備やカスタムをとことんこだわってやっている「クルマ好きの整備大好きの整備士」。
(のちに彼は全国技術コンクールで輝かしい成績をおさめることになります)
そこでわたしは彼にこう質問します。
「なんでそんなに整備が好きなん?」
自動車整備士が自動車整備士に聞くようなことではないのは分かっていましたが、完全に整備に興味がなくなってしまっていたわたしにとっては、休日にまでクルマを触わる彼が理解できませんでした。
彼はこう答えます。
「この部品をいかに最短で交換できるかとか、どんな工具をどのように使えば楽に作業できるかとかを考えながらすると楽しいやん。それでクルマも直せて、カスタムできて、仕事やったらお客さんにも喜んでもらえるし。単純に面白いし、好きやからやってる。」
自分の中で「原点」に帰れた瞬間でした。
ただ毎日を単純に過ごしていた3年間。
そもそもクルマが好きで、工具を触って機会をイジる仕事が自分の憧れであり、好きになりたかったこと。
できる人間は、その仕事が好きで楽しんでいる。
自分もこうなりたかった。
いや、こうなりたい。
面白みを感じることが「成長に」
それからは、いろんな作業に興味を持ちました。
重整備、故障診断、自動車整備士としてあらゆる王道の作業に積極的になります。
「急にお前どうしたん?」みたいな雰囲気でしたが、同じ仕事をするにしても積極的に好きになることが成長につながるという思考に切り替えました。
「最速で終わらすにはどうすべきなんだ?」
「どんな工具が最適なのか?」
「どこから順序立ててすれば効率がいいのか?」
こんな感じで物事を考えながら没頭する中で、仕事への面白みが生まれてきました。
さらに会社からの評価も上がり、お客さんから指名されるほどの自動車整備士に成長。
今では、新人時代の先輩たちと同じ立場まで追いつきました。
去年、技術力が不足している店舗に人事異動の辞令が下り、現在本社のサービス課長の新人時代の元マネージャーに、「お前がこの店を変えていけ」「お前がメカチーフとして引っ張っていけ」「この店を変えていけるのはお前だけや」と、当時はわたしに無茶苦茶なことを言っていた人にここまで期待と評価をされるようになったことがすごく嬉しかったです。
仕事を楽しむということが成長につながり、高い評価がついてくる。
人は面白みを感じないと成長しない。
単純にやっていても「高速で成長しない」という話
冒頭のツイートの引用RTで1番多かったのが、「給料変わらないからしない」「リスクがかかるだけ」。
もちろんそうです。
だから新人時代のわたしも嫌でした。
怒られる可能性が上がるだけで給料が上がるわけでもないのならしたくないのは当たり前ですよ。
ただ、仕事としてもうワンステップ上がりたいのであれば興味を持ってやるべきだと経験上思いました。
成長するなら「自分から行動」
時間のかかるor難しい作業をやりたがらない若者整備士がってのはその職場でフォローしてあげる環境が整ってないのが問題だと思うぞ。
— 自動車整備士あるある言いたい。🅿️ (@aru_aru_iita_i) February 4, 2021
普段から安心して作業出来る環境を用意して怖がらずチャレンジしてもらうことで僕は何回もお客さんに謝ってきた。
「失敗してもいいからとりあえずやってみろ。あとはケツ拭くから」
こう言った先輩に出会ったことありますか?
わたしはありません。
こんな先輩・上司がいたらほんと嬉しいですよね。
ディーラーメカニックの場合、現実これはかなり難しいかもしれません。
今は残業ができない→日中の業務が圧迫→指導できる時間が全く作れない環境になってきています。
フォローして上げる環境を作れない問題は、店の上司、会社、もしくはこの業界を変えなければ無理だと思ってます。
相当な時間と労力がかかりますよね。
だったら自分で行動していきましょう。
そんな受け身では、高速で成長なんてできません。
「自分を成長させたい」と思うのなら、自分から行動しなければ一生ただの整備工です。
モチベーション低下するなら「独立か派遣」
スキルは上げたいけど給料固定だからモチベーション上がらないよ
成長する中で一番怖いのが「モチベーションの低下」です。
モチベーションをさらに高くしたければ独立を考えるべきだと思います。
これはサラリーマンの構造上の問題。
なぜなら、「頑張っても頑張っても給料が固定だから」。
さらにもっと言うと「リスクがかかる仕事をするだけ損だから」。
フリーランスや経営者であれば、「仕事が増える=収入増加」につながりますよね。
サラリーマンだと馬車馬のように働いても給料は変わらない、逆にリスクがかかる仕事をすると失敗する可能性が高くなるので給料が下がる可能性があります。
なので、サラリーマン整備士として働く上で「モチベーションを保つ」と言うことはかなり難しいのです。
ただ、いきなり独立するのはリスクですよね?
現状辛いかもしれませんが、3年は今いる会社で結果を出して下さい。
職場環境が最悪でもわたしは3年続けれました。
大丈夫です。
もしくは、派遣として働くというのもアリ。
給料は不安定ですが、「仕事」が給料にかなり直結します。
さらに整備に集中できる環境なので、自動車整備士としてステップアップするチャンスがあります。
わたしがレソリューションの整備士たちをずっと見てきたのが証拠です。
本気出せばサラリーマンでも成長できます
独立した方がいいのは知ってるけど、今の環境で成長したい
基本的には、サラリーマンよりも独立した方が高速で成長できると思ってます。
すべて自分の責任で仕事を進めていくので環境が違います。
背水の陣になると人は成長できますから。
ですが、、、本気リーマンでも成長は可能。
自動車整備士の底辺だった自分が、今はディーラーメカニックでも成長を実感できているからです。
点検、重整備、検査、お客様へのアドバイスからそれ以外の業務もたくさんやってきました。
こういった環境なら、圧倒的社畜がベストな選択だと思います。
体力があるなら早めに【挑戦→失敗】
サラリーマンと独立どちらが良い?
どっちでも良いと思います。
ただ重要なのは「体力」です。
- 新人の頃の自分→14時間ほど働ける
- 30歳の自分→10時間ほど働ける
この記事を書いているわたしは30歳の自分です。最近は10時間くらい働くと、かなり疲れます。やはり、徐々に体力は衰えてきます。
重整備をするとなると昔みたいにノリと体力だけではかなり疲れます。
なので、いろんなことに関心を持ち、行動するのならば体力があるうちにやるべき。
独立するにしても、派遣するにしても、本気リーマンするにしても、体力が必須です。意思決定において、例えば「会社を辞めるか考えるのは、来年でいいや」というふうに考えたら、実際の行動は「2年後」とかになりますよ。
独立とかは体力が必須なので、将来的に考えているなら、今月から動き出すといいです。
今の環境が悪いなら移動しよう
というわけで以上になります。
最後に1つだけ言うと、今の環境が悪いなら移動したほうが良いです。
- 職場環境が悪い→改善しようとする→改善できない→しんどい
- 職場環境が悪い→即退職→独立or派遣→幸せ
こんな感じ。
環境にせよ、人間関係にせよ、自分以外をコントロールするのは難しいです。なので、独立してもしなくても、どっちでもいいですが、環境が悪いなら「自分が移動する」という感じがオススメです。
こんにちは。しーです。
先日下記のツイートをしました。