- 夜に窓ガラスがギラギラして見えない原因
- 窓ガラスに発生する「ゴースト汚れ」について
- 窓ガラスのメンテナンス方法
夜の運転中にフロントガラスがテカってしまったり、雨の日には水膜がムラになっていて「夜に窓ガラスがギラギラして見えない」「対向車のヘッドライトがやけに眩しく見える」といった経験はないでしょうか。
夜間の走行中に起きるこの見えにくさ(乱反射)は、窓ガラスの油膜やキズが関係しており、窓ガラスを単純にキレイにしておくだけでは改善しません。
そこでこの記事では、夜に窓ガラスが見えずらくなる原因と対策について解説します。
もくじ
1:夜に窓ガラスがギラギラして見えない原因
さっそくですが、こちらをご覧ください。
昼夜別・状態別交通事故死者数及び負傷者数(平成29年)
交通事故死者数を昼夜別・状態別にみると,自動車乗車中(昼間64.0%),自転車乗用中(昼間63.5%),自動二輪車乗車中(昼間63.4%),原付乗車中(昼間57.1%)については昼間の割合が約6割と高いのに対して,歩行中(夜間69.8%)については,夜間の割合が高くなっている(第1-21図)。
出典:内閣府公式サイト
夜間の歩行者の事故件数が多いのに注目していただきたい。
交通事故は夜が1番多いということが数字でも確認できます。
そしてその原因は「ドライバーが夜に歩行者をうまく捉えられないこと」です。
運転はよくスポーツに例えられます。
サッカーを例にすれば、敵がどこにいて、ボールがどこにあるという情報を得て、点を取りに行くためには次にどうするかを判断し、動いたりボールを蹴ったりします。
運転も同じように周りのクルマがどこにいて、信号や標識を確認し、次にどうするかを決めて、ハンドル、アクセル、ブレーキを操作します。
「正確な情報を得る」というのは、スポーツに限らず、運転する上でもっとも重要なことと言えます。
ここからは「窓ガラスがなぜギラギラして見えなくなってしまうのか」について解説します。
原因1:窓ガラスの「線キズ」
ワイパーを使用することでキズついたフロントガラスは、対向車のヘッドライトの光を乱反射させます。
フロントガラスに使われている合わせガラスはガラス+フィルム(中間膜)+ガラスという形状となっています。
ガラスとガラスの間にあるフィルムのおかげでフロントガラスが粉々にならずにすんでいるのです。
フロントガラスがこのような構造を持っている理由は「安全性」を考慮してのこと。
例えば、事故等で強い衝撃でガラスが割れてしまった場合でも、ドライバーや同乗者、あるいは車外の歩行者をキズつけないようにします。
人体がガラスに衝突した際、柔らかい中間膜がぐにゃりと曲がりながらガラスが割れるため、クッションのような役割も果たしてくれます。
ただしその代償として、引っ掻きキズや衝撃に弱いのがフロントガラスの特徴です。
ドアガラスやリアガラスなどの強化ガラスと比較すると、2層構造であるものの普通のガラス(非強化ガラス)であるフロントガラスは、線傷に弱いとも言えるわけです。
原因2:窓ガラスの「ゴースト汚れ」
窓ガラスの汚れは、有名な言葉で「ゴースト汚れ」というものがあります。
フロントガラスの汚れにはさまざまなものがありますが、その中でも事故を引き起こす危険性が高いのが「ゴースト汚れ」。雨や曇りの日、夜間の運転時などに突然ぼんやりとしたものが現れたように見える現象です。
夜間にこの油膜が対向車のヘッドライトで乱反射して前が見えづらくなってしまいます。このゴースト汚れは、昼間や晴れた日には気づきにくいため、メンテナンス不足になってしまいがちです。
ゴースト汚れの原因はは以下の3種類です。
- 油膜
- フロントガラス内側の汚れ
- 温度差による結露
順番に解説します。
ゴースト汚れ1:油膜
ゴースト汚れの代表格といえば「油膜」。
ちなみに油膜とは、ガラスに付着した油分と水分が混ざり合って生成されたもので、主な成分はシリコンになります。
このシリコン油膜どのようにして蓄積されていくのでしょうか。
- 大気中の排気ガス
- 走行中に道路の油分を含んだ水を浴びる
- 油分を含んだ雨などを浴びる
- ワイパー・ボディなどのコーティングが溶けて劣化したもの
夜に窓ガラスがギラギラして見えづらいからといってワイパーゴムを新品に交換したとしても、根本的にガラス油膜取らなければ意味がありません。
ゴースト汚れ2:フロントガラス内側の汚れ
油膜取りといえば、外側のガラス面のみに目がいきがちですが、もちろん内側にも付着していきます。
タバコのヤニや手垢、ほこり、人の脂など、フロントガラス内側の汚れは、外が明るいとあまり目立ちませが、知らず知らずのうちに見えずらくなっていきます。
ただ、内側は洗車もできなければワイパーもなく、ドライバー本人が綺麗にしなければならないけません。
なので多くの人が内側の掃除を後回してしまいます。
理由としてはこちら。
- ガラスの傾斜によって、拭く際の姿勢が取りずらい
- ガラスとダッシュボードの間など、細かい部分の掃除がしずらい
- ステアリングやナビなどのディスプレイが邪魔をして手が届きずらい
窓ガラス外側のメンテナンスに比べて、逆の傾斜がついている内側のメンテナンスは力を入れて拭き取りずらく、後回しになりやすいんですよね。
ただ、怠っていると夜の視界不良になってしまいますので、定期的なメンテナンスはやるべきです。
ゴースト汚れ3:温度差による結露
ガラス内側の温度差による結露は寒い時期に起こると思われがちですが、梅雨時期にも起こります。
濡れた傘などを車内に持ち込んだりすることなどで車内の湿度が上昇し、ガラス内側が結露しやすくなるのですが、その結露は窓がひどく汚れていると余計に起こりやすくなります。
一番わかりやすいのが、冬に家で鍋をしたら部屋の窓ガラスが結露でベチャベチャになりますよね?これは外との温度差によるものですが、さらに鍋を炊くことで湿気もかなり高くなってしまうからです。
その後ガラスを見てみるとどうですか?ガラスがかなり汚れていますよね。
これに似たようなことが車内で起きてしまっているんですね。
窓ガラスのメンテナンス方法
ここからは、窓ガラスのメンテナンス方法として有効な商品をいくつかご紹介します。
油膜取りの信頼性No.1「キイロビン」
メーカー名 | プロスタッフ |
商品名 | キイロビン |
主な成分 | 硝酸セリウム、ガラス系ナノパウダー |
用途 | 自動車用窓ガラス及びガラス製ミラーの油膜取り・洗浄用。 |
特徴 | 油膜(被膜)や劣化したガラスコーティング被膜を簡単に取り除く |
キイロビンは、1976年に全日本交通安全協会の推奨品として認定されており、自動車用のガラスやミラーのメンテナンスに関して古くから信頼性が認められている商品です。
キイロビンの主な成分として硝酸セリウムが使われています。
硝酸セリウムは鏡の研磨や表面仕上げに昔から使われている材料で、キイロビンでは微粒子の硝酸セリウムを使うことによりガラスの油膜を取ります。
さらにキイロビン ゴールドにはガラス系なのパウダーが配合されており、従来のキイロビンよりも2倍のスピードで頑固な油膜や被膜を落とすことが可能です。
内側汚れの味方「窓フクピカハンディワイパー」
メーカー名 | ソフト99 |
商品名 | 窓フクピカハンディワイパー |
主な成分 | アルコール類 |
内容 | ワイパー本体 窓フクピカ(10枚)× 1個 |
特徴 | 窓フクピカのクリーニング性能と便利なワイパーでお掃除ラクラク |
運転席に座った状態でフロントガラスの隅から隅までを均一な力で拭き上げることができ、「窓フクピカ」のクリーニング性能との相乗効果で、ラクで確実にクリーニングができます。
ハンドルとヘッド部分は着脱可能なので、コンパクトに収納できます。「窓フクピカは10枚付属。
フロントガラスの内側は逆の傾斜がついていて面倒なのを、ワイパーを使ってクリーニングすることでラクにメンテナンスすることが可能になります。
梅雨時期のくもりの原因となる「内窓の汚れ」は定期的に落とし、根本的な原因を解決して、梅雨時期のくもりを食い止めましょう。
油膜取りのあとに!「クリンビュー ハイブリッドストロング」
メーカー名 | イチネンケミカルズ |
商品名 | クリンビューハイブリッドストロング |
用途 | 自動車外窓ガラス及びガラス製ミラーの表面保護 |
成分 | イソプロピルアルコール、シリコーン、フッ素系撥水材、無機酸 |
耐久期間 | 3〜4ヶ月 |
イチネンケミカルズは、油膜取りの主力商品「クリンビュー」を50年以上販売し続けている、ガラスお手入れの老舗ブランドから、シリコーン系撥水剤の強力水弾きとフッ素系撥水剤の耐久力をハイブリットした超撥水と長期持久ガラスコーティング「クリンビューハイブリッドストロング」。
油膜取りをしたあと、コーティングなしで乗るのは個人的にはおすすめしません。
ガラス・ボディへのコーティングを全くしない状態だと、1ヶ月も経たないうちに油膜が出始めます。その油膜は放置すればするほどメンテナンス性は悪くなっていきます。
撥水コートが苦手な方もいるとは思いますが、メンテナンス性を考えるのであればやはりガラスのコーティングは定期的に実施した方が良いと思います。
まとめ
以上、ギラギラの原因とおすすめのメンテナンスグッズのご紹介でした。
ちなみに以下のような人はしっかりメンテナンスして、
事故を未然に防ぐ努力をしましょう。
- 新車時のコーティングが劣化してきて見えにくい
- 夜に運転すると対向車のヘッドライトで全く見えない
- 夜に視界不良で事故しそうになった。
ちなみに軽い油膜であればウーロン茶を使えば取れます。
ウーロン茶は油を分解する働きがあるので、タオルに染み込ませてゴシゴシ擦れば、軽い油膜なら落とすことが出来ます。
ただ、タオルでやるとキズが入るのであまりオススメしません。
油膜取り剤を買うのが面倒な人はぜひ一度試してみて下さいね。
最後にガラスコーティングは好みがあると思いますが、ガラスコーティングは雨天走行時の視界性を高めてくれます。フロントガラスのコーティングをしたことが無いという方はあまり必要性を感じないかもしれませんが、1度経験するとその視界の良さに驚くはずです。
ちなみに新車購入時には薄くガラスコーティングされています。
特に雨の日の長時間の運転においては、ワイパーの動作は一定の間隔で行われるため、ドライバーの眠気を誘発する恐れがあります。コーティングをしておくことによって、良好な視界の確保だけでなく、ワイパーの作動を最小限に抑えることによっての眠気誘発防止、そしてワイパーゴムの劣化防止にもなります。
コーティングによりフロントガラスの汚れの固着を防止し、掃除を容易にするメリットがあります。
油膜取りをして、ガラスコーティングをするのが面倒な人もいると思いますが、いやいや、めっちゃ簡単です!
プロに施工してもらうのも良いですが、油膜取りやコーティング商品の何倍もコストがかかりますので、クルマを所有するのであればこれぐらい自分でやってみましょう。
浮いたお金で他の商品を購入するのも1つの手です。