ネットでバッテリーを購入するとなぜ安いのか|その理由と必ず理解しておかなくてはならないデメリットと注意点を徹底解説!

車を乗っている方には遅かれ早かれ必ず訪れる、バッテリーの交換時期がありますよね。

整備工場で点検を受けている人ならいずれは交換を促される時期が来ます。

「点検で交換を勧められたけど、純正は高いなぁ…」

気軽に点検を受けに行ったつもりが思わぬ出費にビックリされる人も多いはずです。

バッテリーは、消耗品の中でも高価な部類に入るだけに、できれば少しでも安く買いたいと思われることでしょう。

そこでこんな疑問を抱いたことはありませんか?

なぜネットのバッテリーはあんなに安いんだろう…

ネットサーフィンをしていると、「業界最低価格」や「最安値に挑戦」といったキャッチコピーで販売しているネットショップを見かけることがありますよね。

今回はその辺を解説しつつ、必ず理解しておかなくてはならないデメリットまでを紹介していきます。

この記事で分かること
  • ネットでバッテリー購入するとなぜ安いのか
  • ネットでバッテリーを買う「デメリット」

この記事を書いている筆者は、本業は自動車整備士であり、これまで数多くのユーザーさんにアドバイスしてきました。

ネットでバッテリーを買うと「なぜ安いのか」

ネットショッピングをしていると、「最低価格」や「最安値に挑戦」といったキャッチコピーで商品を販売しているネットショップを見かけることがあります。

時には、実店舗で購入するよりもはるかに安い販売価格で、しかも送料無料という販売を行っている商品が存在しています。

なぜこんなに安く、しかも送料無料で販売できるのでしょうか?

理由1:大量の仕入れで単価が低いから

大量に仕入れられる商品

バッテリーを激安な値段で販売している会社は、メーカーから大量に仕入れることによって1個あたりの仕入れ単価を低くしています。

A社はあるバッテリーを100個仕入れました。

B社は同じものを200個仕入れました。

メーカーは製造に1個あたり5000円かかるそのバッテリーをA社に単価10000円で売りました。

しかし、B社には200個買うから単価を8000円にして下さいと言われます。

するとメーカーが両者から得る利益はこうなります。

  • A社からの利益は50万円
  • B社からの利益は60万円

B社のほうが単価は低くなってしまいますが、メーカー側からしてみれば買ってくれる個数が多いので利益は高くなりますよね。

メーカーから安く仕入れることに成功したB社は他の店より安く売ることが可能になるということです。

小売店のネットショップの場合、商品を卸問屋から仕入れていることがあります。問屋もまた利益を乗せているため、メーカーから直接仕入れるよりも原価が高くなります。

ネットショップとはいえ、卸問屋を経由しているのかそうでないのかでかなり価格は左右されます。

理由2:実店舗よりコストがかからない

パソコンを操作している写真

実店舗と比較すると、商品を販売する為のコストはネットショップが圧倒的に安いです。

例えば楽天で出品した場合、出店費用として月額2万円~5万円、メガショッププランでも10万円の利用料です。

実店舗では人を沢山雇うための人件費が必要になり、そのコスト分を商品価格に反映せざるをえません。

人件費以外にも土地代や光熱費、レジなどの設備費用もかかってきてしまいます。

ネットショップの場合、仕組みさえを作ってしまえば店主1人だけでも運営できてしまいます。

また、「原価+送料+手数料+利益」という計算がシンプルであるため、安い価格設定が可能になるのです。

在庫を必ず持っていなければいけないという訳でもなく「注文が入ってからメーカーに在庫を確認する」という販売形態も最近では登場しています。

ネットショップは、店舗拡張に伴うリスクが格段に低いので、その分を価格に反映させやすいです。

理由3:ネットは価格競争に巻き込まれやすいから

ネットは価格競争が激しい

ネットでは価格比較が簡単に行えるため、価格競争が激しいです。

実店舗ビジネスでは、「相見積もり」で異なるメーカーからお見積りを頂いて比較するのに対し、ネットショップではスマホの画面をタップで切り替えるだけで価格比較が簡単に行えてしまいます。

これにより、価格競争が進むとそれだけ商品の市場価格は下がってしまいがちなのです。

大手企業は圧倒的な物流網を持ち、仕入れ規模も巨大です。

中小規模のネットショップや立ち上げたばかりのネットショップがこれに対抗するのは難しく、あの手この手で差別化を図ろうと努力されています。

ラーメン激戦区で安くて美味しいラーメンを食べれるように、ネットでの購入は「高品質・良いサービス・低価格」など、消費者にとってさまざまなメリットが受けられます。

ネットでバッテリーを買う「デメリット」

メリットといえば「安い」の一言に尽きます。

とはいえ、注意点も知っておかないと必ず後悔しますので、ぜひ最後まで読んで下さいね。

バッテリーの種類は「自分で選ぶ」

人々の疑問

実店舗であればスタッフさんが適切なサイズ・性能のバッテリーを選んでくれますが、ネットで購入となると自分で調べないといけません。

バッテリーには車種やメーカーによって数多くの種類が存在します。

「性能ランク」「バッテリーの短側面のサイズ」「長さ」「端子の位置」など、購入する際は、愛車のバッテリーサイズを確認して、規格と目的に合ったバッテリーを選ぶ必要があります。

また、アイドリングストップ搭載車でも種類が変わってきます。

バッテリー上がり→すぐに手に入らない

バッテリー上がって困っている人

「バッテリーが上がった!すぐ交換したい!」

最近であれば、在庫があれば即日発送してくれるショップも多いですが、緊急時にはそうはいきませんよね。

ネットでバッテリーを買うのは、事前にバッテリーが弱くなっていることを把握している人向けです。

自分で取り付けるのは危険と隣り合わせ

バッテリーのイラスト

「バッテリーの交換はさほど難しくない」と言われますが、危険を伴う作業であることは間違いないです。

自分でバッテリーを交換をする場合のリスクについては以下の通り。

  • 作業工程で配線ショートによる火災
  • メインヒューズを飛ばす危険性
  • エンジン学習値のリセットによる弊害

主にエンジンルームに取り付けられており、基本的にはステーのみで取り付けられていることが多いため取り外しや取り付け自体はそう難しくありません。

しかし、バッテリー交換の作業自体は単純ではあるものの、電力を扱うバッテリーの取り外しにはそれなりのリスクが存在します。

誤った手順や方法で交換すると+端子とアースとなるボディ部分や金属部分の接触によるショートや火災にも繋がる恐れがあります。

しー

自動車整備士であるプロでも慎重に取り扱う作業ですし、経験の浅い自動車整備士であれば、ショートさせてしまうこともたまにあります。

たしかに作業工程は単純で、慣れれば5分ぐらいで終わりますが、「簡単」とは言い切れませんよ。

もしメインヒューズを飛ばしたらその時点で走行不能になります。

バッテリー持ち込み交換を断られる可能性がある

整備工場のイラスト

「自分で交換するのは面倒だからショップにお願いしよう」

心よく作業してくれるショップも多いですが、基本的には嫌がられると思った方が良いです。

お願いするなら事前に確認しておきましょう。

なぜ嫌がられるのかと言うと、ショップからしたら「持ち込んだバッテリー」が正常に動作する商品なのかわかりませんよね。

取り付けた後に動かなかったらどう思われますか?

そっち(ショップ)が壊したんじゃないの?って思いますよね。

また、そのバッテリーによって他のシステムに故障が起きても何も保証できません。

ショップからしたらトラブルに巻き込まれたくないわけです。

廃バッテリーの処分が面倒

バッテリーを輸送するイラスト

ネットでバッテリーを購入すると、おのずと自分で交換することになります。

となると、自分で廃バッテリーを処分する必要が出てきます。

クルマのバッテリーは多くの自治体で特殊ゴミになるため、テレビや冷蔵庫などと同じく回収を依頼しても断られてしまいます。

不法投棄すると「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の第16条に抵触し、5年以下の懲役か1千万円の罰金が課せられます。

処分する場合は、専門業者に依頼するようにしましょう。

まとめ

今回は、ネットでバッテリーを購入するとなぜ安いのか、その理由と必ず理解しておかなくてはならないデメリットと注意点について解説しました。

最後にまとめです。

なぜネットは安いのか
  • とくに専門サイトは大量仕入れが可能である
  • 実店舗よりコストがかからず価格に反映できる
  • ネットは価格競争に巻き込まれるから
ネットでバッテリーを買う時の注意点
  • バッテリーは自分で調べて選ばないといけない
  • 当日すぐに手に入らない
  • DIYで交換するのは危険と隣り合わせ
  • 実店舗に持ち込みは基本嫌がられる
  • 廃バッテリーの処分が面倒

バッテリーはタイヤと一緒で、大きくなれば値段も高く、痛い出費になります。

しかし、バッテリーがないと走ることはできませんし、その重要性はおそらくご存じのはず。

ちなみにショップやディーラーでは、タイヤや車体のように「価格を調べて他店より安く販売する」という売り方はあまりしていません。

値引き交渉をする人もあまりいないジャンルですから。

とはいえ同じ商品なら安いところで買いたいですよね?

となると…ネットでの購入しかないです。

大きなバッテリーなら1万円以上安く買えることもザラにあるので、とってもお得だと思います。

自分で作業をしないといけないというデメリットがつきまといますが、正しい手順を理解すれば交換は可能です。

【補足】もしもの為の救援アイテム

筆者は、仕事で数多くのバッテリートラブルを経験してきました。

お客様のクルマから、展示車、中古車、家族、友人のクルマまでジャンプスターターやブースターケーブルを使って救援してきたわけですが、その中で感じたことは、バッテリーの救援アイテムは持っておいた方が良いということです。

たしかに保険ロードサービス、JAFのバッテリー救援などもあります。

でも、その救援までずっと待っていられますか。

「仕事がある」「大事な約束がある」「子供のお迎えがある」など、さまざまな状況が考えられますよね。

ロードサービスの繁忙期である大型連休になると、救援までに大幅な時間がかかってしまうことは全然あります。

バッテリーは、いつ、どんなタイミングで上がるのかはわかりませんので、自分の身は自分で守る意味でも、もしもの備えはしておきましょう

ここからはバッテリー上がりに有効な便利アイテムは少しご紹介します。

救援といえばブースターケーブル

ブースターケーブルの写真

そもそもブースターケーブルとは何でしょうか。

世にある多くのクルマは、スターターモーター(セル)によってエンジンを始動させます。

スターターモーターはバッテリーに蓄えられた電力によって動作する装置ですが、バッテリー上がり(電気容量の低下)など何らかの原因によりバッテリーの能力が低下していると、エンジンを始動させることができません。

こうした場合にエンジンを始動させるためにとられる方法のひとつとして、他の自動車から電力を分けてもらう方法(ジャンプスタート)があり、それに用いられるのがブースターケーブルです。

ブースターケーブルは、両側にワニグチのクリップが付いた2本1組セットの太いケーブルです。

配線の誤りを防止するため、+極用に赤色-極用に黒色に塗り分けられています。

家電などの配線と比べてケーブルが太い理由は、エンジン始動時に大きな電流が流れるためにケーブルがそれに耐えるよう断面積が太く作られていることが理由になります。

エンジン始動時に流れる電流は、クルマによってさまざまなので、ブースターケーブルには流すことができる電流の許容最大値が記載されています。

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ジャンプスタートは、バッテリーが上がってしまった車と同じ電圧の救援車が1台とブースターケーブルさえあればOKです。

ジャンプスターター(モバイル充電も可能)

ジャンプスターターのイラスト

ジャンプスターターとは、バッテリー上がりなどの急なトラブル時に急用携帯型のバッテリーです。

ブースターケーブルのように他のクルマのバッテリーと繋げて救援するのではなく、ケーブルとは別に専用のバッテリーを搭載しているものです。

使用方法は簡単で、ジャンプスターターの赤ケーブルのクリップをバッテリーの赤色端子に、黒ケーブルをのクリップを黒色端子に繋いでエンジンをかけるだけ。

ブースターケーブルと違って扱いやすさ、携帯性が高く、そして最近ではモバイルバッテリーとしても使えるのでクルマには1つ常備はしておきたい優れものです。

ジャンプスターターのおすすめについては、以下の記事で解説しています。

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