超特化型の「ディーラー整備士」
— しー@スバル×車ブログ (@c_mecha_log) February 7, 2021
浅いけど広い「マルチな整備士」
どちらに今後需要があるのか。
どちらが今後稼いでいけるのか。
自分がなりたい整備士はなんなのか。
これから本気で仕事にする人は考えておいた方がいい。
何も考えずに飛び込むとしんどいだけです。
上記のツイートについて深掘りしていきます。
それなりに手に職がついてきて、
日常がマンネリ化してきていませんか?
- 単純な毎日を過ごしていて「つまらない」
- 給料にやや不安があるが「なんとなくやっている」
- 新しいことに「挑戦したい」
現在のわたしもこのような状況であり、
モヤモヤするところがあります。
そこで、同じような状況になっている人や将来の働き方について悩んでいる人に向けて、この記事では、自動車整備士をフリーランスとして生きていくための新しい働き方をみなさんに提案・シェアしていきます。
なぜ、わたしがこのような記事を書くのかというと、今までたくさんのフリーランスの自動車整備士・レソリューション在籍の自動車整備士とともに働いてきた中で、プライベートと仕事を共有できている彼らがシンプルに羨ましかったからです。
彼らから学んだ「自由な自動車整備士の働き方」をみなさんにシェアします。
自動車整備士×フリーランスのロードマップ【好きなことで自由に稼ぐ】
もくじ
自動車整備士×フリーランスのロードマップ
少し前からフリーランスという言葉をよく聞くようになりましたよね?
今風で少しおしゃれなキーワード。
自動車整備士の場合はこのような働き方ができるのでしょうか?
まずは、フリーランスの定義ですが、
フリーランス(英: freelance)は、特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主である。日本では自由業または自由職業[1]とも呼ばれる。この形態により請け負った業務を遂行する人をフリーランサーまたはフリーエージェントとも呼ぶ。
出典:ウィキペディア
ディーラーの自動車整備士であれば、失敗したとしても仲間が助けてくれます。
ですが、フリーランスの場合は全て自分に跳ね返ってきます。
それなりのリスクがありますが、
- 会社に縛られない
- 人間関係に悩まない
- 自分でやった分はそのまま報酬になる
- 固定給ではない
こういったメリットがあります。
それではここからは「自動車整備×フリーランス」として働いていくためのステップを順序立てて解説します。
フリーランスになる前に「現場での経験」
自動車整備学校を卒業してからいきなりフリーランスになるのは無理です。
現場では、学校では経験できないような技術・空気感があります。
いきなりフリーランスになるのは自殺行為です。
現場で何も経験したことないような資格だけの人間に仕事を任せたくないですよね?
まずは、ディーラーや修理工場で現場で経験を積みましょう。
目安は5年ぐらい。
欲を言うなら「自動車検査員」の資格は取得しておきたいところ。
自動車整備と法律は、切っても切り離せません。
自動車整備は、道路運送車両法に基づいて仕事をすることになりますから、ある程度の法律の知識があると優位に仕事が進められます。
おおむねの相場「工賃」を理解しておく
サラリーマン整備士のように、自分がした仕事に対して、会社として給料をもらうのではなく、フリーランスは直接その対価をいただく形になります。
なので「この作業にはいくら工賃を設定すれば良いのか」を理解しておく必要があります。
- 仕事による工賃の相場価格(例:〇〇〇〇円/h)
- その仕事対してどれくらいパフォーマンスを発揮できるか
- その仕事は何時間で作業できるものなのか
わからない人は、日常業務で自分がおこなった整備作業伝票や見積もりを見てメモを取るなどして把握しておくと良いです。
- エンジン載せ換え:〇〇万円
- ブレーキO/H:○万円
- 補機ベルト交換:○千円
ちなみにわたしの会社の場合だと、国産ディーラーで「9000円/h」です。
各作業の見積書をコピーして貯めておくのも良いです。
重整備の場合だとややこしくなってくると思いますので。
「特化型のジャンル」も狙い目
自動車検査員まで経験すると、整備業界ではそこそこできる人になってきていることかと思います。
「なんでもできるフリーランス自動車整備士」として生きていくのも良いのですが、特化型のジャンルも狙い目です。
自動車関連の仕事でもたくさんあります。
- 修理、カスタム関連
- 板金、コーティング関連
- タイヤ、ガラス、ナビやオーディオ取付などの電装関連
- 重整備専門
このへんのジャンルに特化したフリーランスも穴場です。
実際にわたしの職場でも存在します。
ポイントとしては、ディーラーが外注しているジャンル。
ここが狙い目です。
ディーラーはまず無くなる事がないです。
そしてディーラーの業務は、点検、一般整備がメインです。
ここの売り上げや台数に注力していますのでこれ以外の作業は外注にしがちです。
あとは、ディーラーのメカニックは重整備をさせる時間がないのと教育させる時間がないので重整備をやりたがらない傾向が見られます。
なので、重整備専門の自動車整備士もニーズは一定数あるかと思われます。
企業に売り込む前に「人脈を広げておく」
自分のスキルの確認、工賃設定、やりたいジャンルが決まれば、企業に売り込んでいきましょう。
雇用主と話し合ったうえで、雇用関係・待遇・給与のすり合わせをします。
と、いきたいところですが、
最初からうまくいかないと思います。
見ず知らずの自動車整備士がやってきても満足いく対応はしてくれません。
なので、フリーランスになる前に人脈を作っておくことをオススメします。
よく整備工場に出入りしている業者さんなどですね(工具屋、部品商など)。
自分がフリーランスの整備士をしたいと考えていることを、そういった人たちに相談して、需要のある整備工場がないか話をしてもらいましょう。
自動車整備業界は、深刻な人手不足なので需要はあるかと思いますが、味方をたくさん作っておくことで、精神的にも楽に活動できるかと思います。
「自動車整備士の需要」は増えている
昔は需要に対して供給が多く、薄給な自動車整備士。
近年、そのバランスが徐々に崩れてきているのはご存知でしょうか。
「給料が低い」「若者の車離れ」が理由で、人手不足が問題となっており、将来的には貴重な存在になりえる職業になりつつあります。
給料の推移をご覧いただけたら分かるように年々上がってきており、自動車整備士の存在価値が見直されてきています。
そしてそれは、これからも覆ることのない流れです。
今の時代、自動車整備士になりたいって人減ってきてるんだろうな。確かに大変な仕事だけど、日本は車社会だから整備士はとても貴重なわけで。これから整備士を目指す人は頑張ってほしい!#車 #整備士https://t.co/oqP6Sr6UNk
— ずっきー@初心者ブロガー (@zukkiii_2) December 6, 2017
もう10年もすれば整備士はプレミア化するのにな…もったいない。
— 自動車整備士 ken@とある整備士 (@tor_mecha) November 17, 2018
見える先は整備士不足。
昇給レスポンスが早いのはおそらく町工場やろ。
ただ今欲しいのは、営業力のある整備士か、板金塗装できる整備士さん。
そんな整備士いたら給料はずむで!!
自動車整備士の人手不足が進む中で、好待遇を謳っているところも多くなってきており、これからも加速していくはずです。
ここで特に需要があると思われるのが、人手不足がより深刻であろう町工場が狙い目かもしれません。
(実際に一緒に働いていたフリー整備士で年収100万円アップされた方がいました)
各社メーカー・直営ディーラーでは、年々ユーザーの囲い込みが強くなってきている現在では、死活問題なんです。
英才教育、専門知識が豊富、スキャンツールに強いディーラー整備士は重宝されると思います。
さらに、町工場などはさまざまな車種を取り扱っている整備工場が大半なので、今後の自分へのスキルアップにもなります。
店の運営やマネジメントスキルなどが直接的に学ぶこともできます。
自動車整備士の需要は、なり手が減ってきている今、確実に増えてくるはずです。
フリーランスの自動車整備士になることで、多種多様なクルマの整備技術・知識が向上するだけでなく、「クルマ屋」としてのスキルアップが可能なんです。
フリーランスになるための準備
ここからはわたしが今まで会ってきたフリーランスの自動車整備士さんの情報をもとに、具体的に準備しておくことを書いておきますね。
年金と健康保険の切り替え
- 年金→国民年金に切り替える
- 健康保険→国民健康保険に切り替える
上記の通りです。
会社を辞めたら、健康保険と年金の手続きが必要です。
そして手続きに関しては、驚くほどに簡単だそうです。
「近くの区役所」に行けばOK。
その他にも免除されるものがありまして、
- 国民保険料納付免除
- 国民年金の退職(失業)による特例免除
- 還付申告(払い過ぎた税金の払戻し)
この辺の節税テクニックは、フリーランス以外の人でも、知っておいて損はないですよ。
クレジットカードを作っておく
なぜなら独立後だと、審査に落ちやすくなるからです。
「フリーランスとして独立=社会的な信用が落ちる」を意味します。
毎月決まったお給料が入金される会社員と比較すると、フリーランスは収入が安定しておらず、クレジットカードの審査に通りにくいというのが実情。
フリーランスには仕事の波があり、収入の安定性に欠ける側面がありますからね。
オススメのクレジットカードは、ぶっちゃけなんでも良いと思います。
あえて言うならば、JAF・JCBカードが良いと思います。
フリーランスで自動車整備士をするとなると、クルマを毎日走らせることになろうかと思います。
JAFの重要性は、自動車整備士の人であれば分かりますよね?
そんなJAFとクレジット機能が一体になっているので、フリーランスの自動車整備士との相性も良いと思います。
開業届〜確定申告
フリーランス独立では「開業届」の話がよく出ます。
この辺は、退職の手続きや、保険・年金の手続きでバタバタしますので、そのあとで良いと思います。
ちなみに開業届を出すことで得られるメリットとして、
- 「青色申告」になる→「白色申告」とり節税効果アップ
- 「屋号」で口座を開設できる→プライベートと事業用の口座を差別化できる
- 「個人事業主向けの共済」に申し込める→将来の不安を解消
こんな感じ。
「青色申告?何それ?」という人には、「開業freee」を使いましょう。
ポチポチ…「はい終わりー」の5分で完了します。
あとネックになってくるのが、確定申告ですよね。
会社員でずっと働いてきた人からしたらめんどくさそうで厄介なイメージです。
ある程度の売上があるなら「確定申告の外注」もありです。
めんどうだったり、苦手な作業に時間を使って本業に支障をきたすぐらいなら、手っ取り早く「クラウド型会計ソフト」を使うことをオススメします。
自分だったら、数字があまり得意ではないのでおそらく使うと思います。
めんどうなら「出張整備か派遣」
ここまで自動車整備士×フリーランスのロードマップを書いてきましたが、
とはいえ、なんだか難しそうですよね。
- 収入が不安定
- 不安
- 自分にはそんなスキルない
こんな声が聞こえてきそうです。
というか大半の人がこれなんじゃないかなと。
そこでここからは、「簡単にフリーランスの自動車整備士になる方法」をサクッとご紹介しておきます。
今の仕事がマンネリ化している人にはかなり有益ですよ。
整備・修理出張サービス「seibii」
Seibiiは、スマホ・ネットから簡単に相談・依頼できる「車の整備・修理・パーツ取付」サービス。
国家資格を保有した自動車整備士が、ユーザーの自宅に出張して整備を行います。
ユーザーのメリットとしては、「わざわざ整備工場に足を運ばなくても、プロが自宅に来てくれるので時間に余裕ができる」ことです。
さらにいうと、工賃がお店を通さなくても良いのでコスパが良いです。
一例ですが、国産車のドライブレコーダー取り付けをseibiiに依頼すると「¥19,980」。
ディーラーなどで依頼すると、高性能機種などは工賃が¥20,000前後です。
金額を見るとあまり変わりませんが、seibiiの場合ですと、
- リヤカメラも室内であれば対応可能(追加工賃なし)
- 車の点検も付いてくる
※ドライブレコーダーはご自分で用意して下さい
こんな感じで、出張整備なのにプラスで点検も付いてきます。
ユーザーのメリットは高いです。
自動車整備士の目線から見てみると、
- 好きな時間に好きなだけ働ける(時給換算3,000円以上の保証)
- 分解整備など、設備を必要とする複雑な仕事がない
- お客様の声が直に届く
- 営業や集客、面倒な書類業務がないので、「整備に集中できる」
- バッテリー交換
- エンジン診断、異常診断
- ドライブレコーダー取り付け
- エアコン清掃
基本的な整備・修理業務が対象。
出張でドライブレコーダー取り付けは良いですね。
危険運転・あおり運転が社会問題となってきているので需要も高いです。
ユーザーにもメリットがあり、整備士にもやっただけ報酬が得られるのでお互いにメリットがある新しいサービスだと思います。
フリーランスが少し不安であれば、まずはここから初めて見るのがオススメです。
自動車整備士求人サイト【レソリューション】
レソリューションは自動車整備士に特化した求人サイトなので、求人が探しやすいのが特徴です。
通常の仕事もありますが、「派遣」という形で、自動車整備の関するさまざまな職場を検索することができます。
登録してから担当者と面談をし、あなたに合った職場・働き方を提案してくれます。
わざわざ自分から整備工場に売り込む必要もなく、独立してからの面倒な手続きも不要。
フリーランスとまではいきませんが、
フリーランスに近い働き方が実現できるというわけですね。
ちなみにわたしは、レソリューションの自動車整備士たちとともに、現在も働いています。
評判や口コミを知りたい人は、下記の記事を参考にしてみて下さい。
好きなことで自由に稼ぐ
以上、わたしが提案するフリーランス×自動車整備士のロードマップを書きました。
結局なにが言いたかったのかというと、
とてもシンプルなことです。
自分の好きなことで稼ごう
「クルマが好き」
「工具が好き」
「整備が好き」
みんなここからスタートしたはず。
それなのに整備とは全く関係ないところでモチベーションが下がって、マンネリ化していませんか?
あなたが思い描いていた「自動車整備士の本質」をもう一度思い出してみて下さい。
最後にまとめです。
- サラリーマン時代に「自分のスキルを再確認」「人脈を広げる」
- 自動車整備士の仕事は減らない
- 「特化型の自動車整備士」もアリ
- 開業してからは、「ツール」も活用して本業に集中
- めんどうなら「出張整備」か「派遣」という選択肢もある
こんな感じ。
補足ですが、seibiiみたいな整備士とのマッチングサービスは今後普及していくと思います。
海外では以前からあります。
日本に比べて法が緩いからですね。
10年前の私は、仕事は基本的に定年までその企業で働くというイメージでした。
ディーラーは、そのメーカーの車しか整備しないので自動車整備士としての知識は偏ります。
そのメーカーがよっぽど好きなのであれば良いです。
ただ、将来フリーランスで自動車整備士として働きたいのであれば視野を広く持った方が良いと思います。
この記事を読んでくれた自動車整備士といつかお会いできることを楽しみにしています。
こんにちは。しーです。
先日こんなツイートをしました。