こういったご要望にお答えします。
晴れて新車、もしくは新しく中古車を買って、物欲がMAXに満たされていることかと思います。
ですが、他のクルマより個性を出してきたくなりますよね?
そこで、まず最初にするのが、純正のホイール→社外品のホイールに交換かと思われます。
しかし、タイヤやホイールは、車の動きを路面に伝えるとても重要なパーツ。
優れたエンジンを載せた車でも、地面に接する唯一の部分であるタイヤ、ホイールによって、その性能を左右させてしまいます。
- デザインがかっこいいホイールに交換したい!
- 性能の良いタイヤに交換したい!
- でもどうやって選べば良いの?
この記事では、現役自動車整備士(メカニック)10年目であるわたしが、ホイールを購入される初心者に向けた必要な知識を解説します。
この記事の信頼性ですが、今までにわたしが交換してきたタイヤ、ホイールは星の数ほどあり、新車購入時、点検時には数多くのお客様にアドバイスしてきた経験があります。
ホイール購入の初心者へ!購入する前に必要な知識【国家整備士が解説】
もくじ
ホイール購入の初心者へ!購入する前に必要な知識
ホイールやタイヤにはさまざまな専門用語があります。
ここからはタイヤとホイールの関係についての5点と、最後にインチアップをする際の必要な知識をご紹介します。
タイヤの表示
タイヤの横に書いてある数字はタイヤのサイズや性能を表示しています。
- 215
→タイヤの幅。タイヤの断面幅をmmで表します。この幅が大きくなればコーナリング時などで優れたグリップ力を発揮します。 - 45
→偏平率。タイヤの幅に対するタイヤの高さの比率。タイヤの高さ÷タイヤの幅×100。一般的にこの数値が高いと乗り心地を重視したタイプ。逆に低いとコーナリング性能を始めとしたスポーティ走行タイプ。 - R
→タイヤの構造(タイヤの内部構造を示す記号)。タイヤの骨格であるベルトが回転方向に対して直角に巻きついている状態。 - 17
→リム径。ホイール径の事。単位はインチ。
※ロードインデックスについては後半で解説します。
偏平率について
一般的に、この率が低いと乗り心地を重視したタイプ、逆に高いとコーナリング性能をはじめとしたスポーティ走行向きタイプと言われます。
画像の左が偏平率が低いタイヤ(数値が大きい)。
右が偏平率が高いタイヤ(数値が小さい)。
特徴はこちらの通り。
- 変形しやすいが、衝撃を吸収しやすい構造
- クッションとなる部分(タイヤの空気の入った部分)が、厚いので。乗り心地が良い。
- 結論:乗り心地重視の車に向いている
- 変形しにくく、カーブでの遠心力などにも強い構造
- 安定性が高く、路面の手応えがダイレクトに伝わる
- 接地面積が大きいからタイヤのグリップ力が増し、ハンドリング性能が高まる
- 結論:スポーティな車に向いている
タイヤサイズについて
タイヤサイズはクルマによって適したサイズがあります。
運転席側のフロントドア付近に、車両に適したサイズが、テープに記述されているので確認しましょう。
テープに記述されている内容では、幅とリム径が特に重要。
タイヤを買うときは、「幅」と「リム径」が基準内のものを購入しなければなりません。
また、タイヤの組み換えをする場合は、「ホイールのサイズ」と「タイヤのサイズ」が合ったものを選ぶ必要があります。
「ホイールのサイズ」と「タイヤのサイズ」がマッチしないと、ホイールにタイヤが組み合わせない可能性があるからです。
ショップに任せず、自分でネットを使って購入される人は必ず知っておく必要があります。
ホイールの種類
ホイールには、スチールホイール(鋼)とアルミホイールとがあり、素材の違いで性能が異なってきます。
アルミホイールはデザインがスタイリッシュなのに加えて、スチールホイールに比べて軽いので、ハンドリングや乗り心地が良くなります。スポーティな走りの面でも大変効果のある装備です。
多くの車に装着されているアルミホイール。アルミニウム合金を加熱し溶解して、鋳型(いがた)に流し込んで成形します。比較的に簡単な設備で製造できるので生産コストが低く、デザインも様々にするコトができます。スタイリッシュなデザインと、性能、コストパフォーマンスがほどよくバランスされているアルミホイールです。
金属を加熱して、高い圧力をかけて鍛えながら成形するアルミホイール。巨大な製造設備と高い技術が必要で高価。しかしながら、17、18インチといった大径ホイールでも優れた強度を保ちながら、薄く、軽く成形するコトができます。高性能スポーツカーなど、走りを極める車のための究極のホイールです。
自分が望んでいるデザイン、どのような走りを今後していくのかを明確にして、最適なホイールを選択していきましょう。
ホイールの表示
ホイールに関する表示は、表側か裏側に刻印されています。
- 16
→リム径。ホイールの直径をインチサイズで表記しています。 - 6 1/2
→タイヤがはまる部分(リム)の幅をインチサイズで表記しています。0.5(1/2)刻みで設定されています。 - 5
→ボルト穴数。 - 114.3
→P.C.Dのコト。ボルト穴の中心を結んでできる円の直径をミリメートルで表記しています。100、114.3が主流ですが、輸入車には様々なサイズがあります。 - 44
→インセットホイール(リム幅)の中心線から取付面までの距離を示します。取付面がホイールの中心より外側に出ている場合「インセット」、中心線と同じ位置の場合を「ゼロセット」、内側に入っている場合を「アウトセット」と呼びます。ホイール選びの際、非常に重要な要素となります。
※ホイールが車体からはみ出してしまうと保安基準不適合となりますので、ホイール選びは慎重に!
【補足】インチアップについて
車のホイールを交換して見た目の印象がガラッと変えたい!
そういった方には「インチアップ」がオススメ。
ホイールを強調させることによって、車全体が引き締まって見えて、カッコよく見えます。
そして、インチアップすることで、以下の効果があります。
- 操縦安定性が向上する
- コーナリング性能が向上する
- ブレーキング性能が向上する
- 乗り心地が悪くなる
- 走行音が大きめになる
ただ、当たり前かも知れませんが、インチアップするということはタイヤも交換しないといけません。
ホイールが大きくなるのでリム径が変わります。
タイヤの外径は変えないで
タイヤの外径が変わってしまうと、スピードメーターの走行距離に狂いが生じてしまいます。
車にはスピードメーターのほか、総走行距離(現在まで走った距離)を示すオドメーターとリセットが可能な区間走行距離を示すトリップメーターがついていますよね。
これらは新車時に装着しているタイヤの外周が、1周転がる時に進む距離からそれぞれを算出しています。
なので、外径が変化してしまうと実際に走った距離とスピードメーターの距離に差が出てきてしまい正確な値ではなくなってしまいます。
スピードメーターとの誤差を車検時に検査するので不合格になる可能性があるので注意が必要です。
さらに大きすぎるとスピードメーターが狂うだけでなく、タイヤハウスに干渉したり、ハンドルを切った場合に車体と接触してしまう危険性があります。
もし、インチアップ時に不安であれば以下のリンク先で確認しましょう。
インチアップで重要な項目としては、タイヤ幅、偏平率、インチです。
タイヤ幅と偏平率を同じのままだと外径が大きくなってしまいますので。
ロードインデックス
タイヤには負荷能力があります。
偏平率が低いタイヤになると薄くなるので、タイヤの負荷能力が低下してしまいます。タイヤの空気圧を高める必要がありますので内部構造を強化したタイヤが必要となります。
そこで、エクストラロード(XL)/レインフォースド(RFD)規格のタイヤというものがあります。
タイヤ内部の構造を強くすることにより、スタンダード(STD)規格品と同サイズでも高い負荷能力を発揮できます。
タイヤ表記とは別に書いてある数字がそれにあたります。
215/45R17 91←これ
エクストラロード(XL)/レインフォースド(RFD)規格のタイヤは、偏平率が低くなっても高い空気圧を設定できるタイヤです。
初心者はショップで相談しよう!
以上。ホイール購入の初心者へ!購入する前に必要な知識をご紹介しました。
最後にまとめです。
- タイヤについて(タイヤの表示や偏平率について)
- ホイールについて(ホイールの表示や種類について)
- インチアップについて
初めてインチアップされる人で、いきなりネットで購入して、ショップに持ち込む人がたまにいらっしゃいますが、初心者がネットの情報だけで購入に踏み切るのはリスクが大きすぎます。
あくまでこの記事は、ホイール交換される第一歩として、必要最低限の知識を解説しています。
必要最低限の知識を持って、まずはショップで相談しながら、現物と合わせていきましょう。
ホイールを初めて購入する初心者なのですが、選ぶ上での注意点が知りたい。