- 「買った中古車が水没車だった…。」と後悔したくない
- 水没車にはどんなリスクがあるのか知りたい
- 水没車を高く売る方法が知りたい
クルマは雨の中でも問題なく乗れます。
しかし実際、クルマは完全防水ではなく、洪水や震災で水没してしまうことがあります。
最近では豪雨災害などで水没したクルマが、その事実を伏せられたまま中古車として流通するケースがあります。
冠水の程度によっては販売できる場合もありますが、業界の自主ルールには、明記すべき事故歴に「水没」は含まれていないのが現状。
知らずに購入を決めてしまった人からは「明示を義務化するべきだ」との声も多くあります。
球数が枯渇してきている昨今の中古車市場では、こういった販売トラブルが増加傾向です。
そこでこの記事は、水没車を見破るポイント5つ、逆に愛車が水没してしまったときに高く売る方法を3つご紹介します。
わたしは本業で自動車整備士(メカニック)として10年以上働いてきた中で、数多くの水没車を見てきました。
「水没車」をテーマに、「購入と買取」の両方の知識をつけることで、水没車のリスクを正しく把握でき、安心できる1台を探す知識を手に入れられるようになれます。
「水没してしまった時に取るべき行動」については、過去にこちらの記事で解説していますので、あわせて参考にして下さい。
もくじ
水没車を見抜く「5つのポイント」
まず水没車・冠水車とは、ある程度水に浸かってしまった車・浸かった痕跡がある車のことです。
一般社団法人 日本自動車査定協会(JAAI)や買取業者の間では「冠水車」と言われています。
さらに、日本自動車査定協会の査定基準では、水没車は「室内フロアよりも上まで浸水した車」または「浸水の痕が複数ある車」と定義されています。
クルマが水に浸かったといっても、水没車となってしまうケースもあれば、そうではないケースもあるなど状況は違います。
特に買取してもらう場合には、この基準が重要になってくるのでよく覚えておきましょう。
そして水没車は、故障リスクの高さから、長く乗る中古車として買うことはオススメできません。
水没車を見極めるには、その特徴を知っておく必要があります。
水没車に現れやすい特徴について、詳しく見ていきましょう。
匂い・カビ
シートは水や泥をかぶると、たとえ乾いても独特の匂いを放ちます。
中古車販売で店頭に並ぶ前に、ルームクリーニングが行われますが、分かる人には分かります。
シートやフロアカーペットなど、怪しいと思ったらすみずみまで嗅いでみましょう。
特に布地のものはカビも生えやすいです。
また水没車は、浸水した位置と浸水しない位置にくっきりと痕が付きます。
匂いと目視、両方でしっかり見定めましょう。
エアコンのカビ臭
水没車はエアコンのフィルターや吹出口が冠水しているケースが多いです。
エアコンをつけるとドロまたはカビのニオイがします。
こちらも、ルームクリーニングによってある程度洗浄されているので分かりにくいかもしれません。
ただエアコンシステムの構造上、すべての部品を洗浄するとなると、莫大な工数がかかる作業になるので、長時間エアコンをつけていると分かります。
水没車にそこまで労力をかける事はあまり考えにくいので、ぜひチェックしてみてください。
シートベルトの変色
シートベルトの変色は、水没車・冠水車を見抜く上で大きなポイント。
シートベルトは日に当たることでも変色するものですが、1度水に濡れてしまうとより変色しやすくなります。
もちろん、普段使っていて付着する汚れ(飲み物をこぼす・食べ物をこぼす)も十分考えられますが、水没車の場合は、広範囲に渡って変色が見られます。
シート下・トランク下のサビ
水没車の金属部はすぐにサビます。
金属部といえば、エンジンルーム・足回りなどのイメージが強いですが、車内にも金属部があり、見落としがち。
車内で注意が必要な金属部がシート下のレール。
車内に水が入ると、少なくともシート下までは水に浸かってしまいます。
あとは、トランクルームも判断しやすいです。
シーレールやトランクルームのパーツが新品に交換されている場合は、怪しいと思っていいです。
これらのパーツは、頻繁に交換するような箇所ではありませんので。
エンジンルームのサビ
エンジンルームのサビに関しては、少し判断が難しいです。
「水没している」とは別に、長期間放置しているだけでもサビていくものですから。
なので、車内から点検し、怪しいと思ったら最後にエンジンルームを見て、最終判断するような形ですね。
- シリンダブロックとヘッドカバーボルトがやけにサビている
- アルミ製部品が腐食・変色したりしている
- ラジエータコアサポートが変色している
- エアコンコンデンサーが変色している
- 粉末状の汚れがついている
エンジンルーム内もクリーニングされていたりするので判断が難しいですが、サビがなくても塗装して隠している可能性もあるので違和感があれば要注意です。
【重要】水没車は「表示義務がない」
ここまで「水没車を見極める方法」を解説しましたが、なぜここまで言うのかというと中古車販売業車に「表示義務」がないので、ユーザーが見極めるしかないからなんですね。
水没車はクルマの骨格の修復や修理をしたわけではないため、修復歴車とすら表示されません。
もし、水没車だと知らずに購入した場合、故障のリスクが高いことに加え、そのクルマを将来売却するときに、トラブルが生じます。
中古車は基本的に返品ができません。
クーリングオフの適応もできないのが現状です。
返品ができるケースは、車の骨格部分を修復、または交換した履歴がある「修復歴車」であることを知らずに購入した場合ですね。
修復歴車は告知義務があるので、購入者へ伝えないまま販売することはできませんので。
表示義務がないので、水没車はだいたい「激安中古車」として販売しているケースが多いです。
くれぐれも注意して下さい。
水没車は海外で需要あり!売れる「3つの理由」
ここからは「愛車が水没し→買取にお願いする」場合のお話です。
中古車の査定基準を見ると、水没車は「30〜50%」の減額となります。
これは一般社団法人 日本自動車査定協会(JAAI)の定める査定基準に記載されているので、どうしようもないです。
水没車は欲しがる人なんてそうそういないので、このような評価になってしまっても仕方がないのです。
しかしこの基準も国によって異なり、その国の基準を満たしてさえいれば問題ないのです。
たとえ、日本では基準を満たさない水没車であっても、海外では十分活躍できる可能性があり、「水没車だから高く売れない」ということはありません。
クルマとしての価値が低いとされた場合でも、解体後に部品を輸入パーツとして海外販売できるチャンスもあるわけで、日本では考えにくいことですが、国によっては日本メーカーの部品を複数組み合わせた車が公道を走っていることもあります。
ここからは、水没車でも「買取できるチャンスがある理由を3つ」ご紹介します。
廃車になった車をそのまま輸出するから
水没車でも売れる理由のひとつは、海外で販売ができるからです。
日本車の品質が高いというのは有名な話で、海外でも日本車は高値で取引されています。
また日本では、10万キロ以上の車は大きく価値が下がりますが、海外でそんなクルマはザラです。
なぜ海外に輸出したほうがいい良いかというと、日本で修理した場合に発生する人件費より、輸出先の現地の人件費のほうが安いことが多く、結果的に修理代が安くなるからです。
そのため、水没した車でも、海外への販路を持つ業者は買取ができます。
水没車でも、実動するのであれば、高価買取価格が付く可能性は十分あります。
中古パーツとして需要があるから
海外へ中古車がたくさん輸出されていることを考えると、その修理のための部品の輸出も必要になりますよね。
もしも、水没の状況がひどく動かない車であれば、生きているパーツのみを解体し、再販売することが可能。
再利用を目的とする中古部品は、許可された解体業者が解体したあとで輸出されます。
例えば、ドアやボンネット、ランプ類やエンジン、ミッションや足回りの部品、小物パーツなど。
大きな中古部品にはトラックの運転席部分のボディなどがあり、エアバッグなどの処理がされたあとであれば部品として輸出が可能です。
信頼性の高い日本車の純正パーツは、たとえ中古であろうと海外では需要が高いのです。
鉄資源としても利用できるから
クルマのパーツには鉄でできている部分が多くあり、その鉄くずに価値をつけれます。
下記は、Web産業新聞の「鉄スクラップ1kg」当たりの価格になります。
年月 | 月初値 | 高値 | 安値 |
2022年03月 | 44.5 | 52.0 | 44.5 |
2022年02月 | 40.0 | 44.5 | 40.0 |
2022年01月 | 40.5 | 40.5 | 40.0 |
2021年12月 | 42.0 | 42.0 | 40.5 |
2021年11月 | 43.0 | 43.0 | 42.0 |
2021年10月 | 34.0 | 43.0 | 34.0 |
なお、鉄くずの価格は毎日変動があります。
2022年5月時点では、まだまだ鉄の価値は上昇傾向なので、廃車を考えている人は早めに動きましょう。
相場としては、日本車の場合、4万円~5万0000円程度の価値となります(クルマによる)。
鉄資源として再利用できる技術のある業者では、価値が0ではありません。
水没車の買取をお願いするなら…
水没車をなるべく高く売りたい・手放したい方は、水没の程度によって売却先を変えましょう。
- 軽度な水没の場合→一括査定・オークション
- 重度な水没の場合→廃車買取専門業車
一般的な中古車買取業者では、買取できない場合は、廃車しか方法がないと思われがち。
ここで利用したいのが水没車や事故車など、一般的な中古車買取業者では対応できない車の買取ができる業者です。
いわゆる廃車買取専門業車。
このような業者は、海外でのリユースや解体などで使える部品を売却するなどして利益を得ており、怪しい業務を行っているわけではありません。
水没車も積極的に買取しているため、どれだけ深く浸水した車であっても、買取が期待できます。
ここからは、当サイトでおすすめしているサービスをいくつかご紹介します。
軽度な水没なら「一括査定orオークション」
フロアに少し水が侵入した程度であれば、車両を清掃すれば新たな売却先に繋がるチャンスはまだあります。
当サイトでは2つの買取依頼方法を推奨しています。
一括査定サイトの車買取業者は、多種多様な車を扱っていることもあり、メーカー、走行距離、年式に応じて市場の需要を明確に判断して査定価格を算出しています。
査定基準は一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が基準を定めているため、基準に応じての算出です。
それに加えて中古車市場のニーズも取り入れるので、下取りと比べて高価買取を実施している場合が多いです。
クルマを売却する業者は1社だけを選ぶことになりますので、複数の業者と競合させることで、買取額の一番高い業者に売却できます。
金額が現金で支払われる点もメリット。
オークションの場合だと、さらに競合が増えるので時間がかかるデメリットがありますが、より高額買取を目指せるチャンスがあります。
詳しくは以下のリンクで詳しく解説していますのでご確認下さい。
廃車専門業車なら「カーネクスト」
カーネクストでは、浸水や冠水にあった状態のクルマも再利用を行うことができる販路を保有していますので、買取が可能になっています。
水没車の廃車の手続きや、レッカーの手配もどうしたらいいかわからず悩んでいるという方も多いのではないでしょうか。
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