ホイールアーチトリムではみ出しタイヤをごまかす!?【結論:両面テープはNG】

タイヤ(もしくはホイール)が車体からはみ出したので、ホイールアーチトリムを装着した。これってOKなの?

このような疑問にお答えします。

ホイールアーチトリムとは、オーバーフェンダーとまではいきませんが、純正のフェンダーもしくはクォーター形状に合わせて成形された樹脂性のパーツのことです。

ホイールアーチトリムを装着することで、「SUV感が増す」「フェンダーが張り出してカッコいい」「ボディ色とツートンになってカッコいい」などのドレスアップ性が向上します。

SUV系の車両では、オフロードを走る雰囲気を出すために付けられた飾りのようにも見えますが、タイヤがフェンダーからはみ出してはならない、という法規を満たすために必要な部品でもあったりします。

ただ、ホイール交換などをして車体からホイールやタイヤがはみ出してしまった場合、ホイールアーチトリムをフェンダーの一部として後から装着し、車体内側に入れたようにしたとしても、固定方法を誤ると保安基準不適合となってしまいます。

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過去にお客様のクルマで、「ホイールをツライチにしてるんだけど、念のためホイールアーチトリム(両面テープで装着)をつけてきた」という人がいらっしゃいました。

ディーラーではみ出しホイールを指摘されないようにするための対策なんでしょうけど、後から両面テープで取り付けたホイールアーチトリムでは意味がありません。

その理由を解説します。

※これは筆者が過去に陸運局に問い合わせた事例を元に書いています。

本記事のテーマ

ホイールアーチトリムではみ出しタイヤをごまかす!?【結論:両面テープはNG】

ホイールアーチトリムではみ出しタイヤをごまかす!?

結論としては、ホイールアーチトリムが両面テープで固定されているような構造だと、ただの装飾品となります。

なのでホイールアーチトリムではなく純正のフェンダー端が基準となります。

車検時のはみ出しタイヤ(ホイール)は、フェンダー端から垂らした糸や専用の計測器を使って厳密に検査されます(タイヤは1cmはみ出しOK)。

ホイールアーチトリムを装着していれば、計測基準はホイールアーチトリムからとなるため、通常であればはみ出ていたタイヤ(ホイール)でもフェンダー内にあるとされ、車検に合格することができます。

ちなみに純正(型式指定を受けた車両)でホイールアーチトリムが装着されている車両であれば、部品を含めてフェ ンダーの一部として測定するのは差し支えありません。

しかし、後付けのホイールアーチトリムで、はみ出しタイヤ(ホイール)をボディ内におさめようと思うとその取り付け方法に注意が必要です

ホイールアーチトリムは「指定外部品」

自動車の部品には、「指定部品」と「指定外部品」というものがあります。

指定部品とは、国が国民負担を考慮して、軽微な部品取り付けについては構造変更申請を不要としている部品です。

指定部品

1. 車体まわり関係
(1) 空気流を調整等するための自動車部品

エア・スポイラ、エア・ダム、フード・ウインド・デフレクター、フード・スクープ、ル ーバー、フェンダー・スカート、ピックアップ・トラック・ランニングボード、その他エ アロパーツ類、二輪車のカウル類、二輪車のウインド・シールド

(2) 手荷物等を運搬するための部品 ルーフ・ラック、エンクローズド・ラゲージ・キャリア、バイク/スキー・ラック、その 他ラック類

注:道路交通法第 55 条第 2 項に定める積載の方法に抵触する蓋然性の高いものは、自動 車の構造装置として記載事項の変更申請があった場合でも、これを認めないものとする。

(3) その他の部品 サンルーフ、コンバーチブル・トップ、キャンパー・シェル、窓フィルム(コーティング を含む)、キャンピングカー用日除け、ロール・バー、バンパー・ガード、フェンダー・ カバー、その他カバー類、ヘッド・ライト/フォグライト・カバー、その他灯火器カバー 類、グリル・ガード、バンパ/プッシュ・バー、ドア等プロテクター、アンダー・ガード、 その他ガード類、ラダー、サン・バイザー、ルーフトップ・バイザー、その他バイザー類、 ウィンチ、けん引フック、トウバー、ロープ・フック、水/泥はねよけ、アンテナ、トラ ック・べッド・ライナー、グラフィック・パッケージ/テープ・ストリップ・キット、ボ ディー・サイド・モールディング、デフレクター/スクリーン(グリル)、コーナー・ポー ル、コーナー等のセンサー、後方監視用カメラ、車間距離警報装置

ですが、ホイールアーチトリムは指定外部品となっており、工具等を使わずに着脱可能な「簡易な取り付け方法(両面テープや針金などで固定)」ではフェンダーの一部となりません。

なので、「固定的な取り付け方法(ボルトナット、ビスでの取り付け」や「恒久的な取り付け方法(溶接やリベットでの取り付け)」でホイールアーチトリムを装着して、はじめてフェンダと判断できます。

※検査員の計測による判断になります。
※地域によっては陸運局の専門官の判断次第です。

幅は「±4cm」まで

本来ならば自動車の『長さ・高さ・幅・車両重量』は自動車検査証に記載されており、その記載事項に変更があるときは構造等変更検査を受けなければなりません

しかし、自動車検査証に記載されている寸法と一致しなくても、一定の範囲内であれば記載事項の変更、構造等変更検査が不要になることがあります。

一定の範囲とは
  • 長さ ±3cm
  • 高さ ±2cm
  • 幅  ±4cm
  • 車両重量
    検査対象軽自動車、小型自動車 ±50kg
    普通自動車、大型特殊自動車 ±100kg

ホイールアーチトリムを構造変更なしでフェンダーにする場合は、先ほどお伝えした「固定的な取り付け方法」「恒久的な取り付け方法」で、なおかつクルマの幅±4cm以内におさめる必要があります。

なので片側が2cmまでのホイールアーチトリムは構造変更なしで取り付けできるということになります。

なぜタイヤがはみ出してはいけないのか

そもそも、なぜ保安基準というものがあるかといえば、車を安全に運用するためのルールが必要だからです。

もしも事故によって、回転するタイヤ同士が接触すれば、車を吹き飛ばすほどの力が発生します。

些細な接触事故が大惨事へと発展してしまうでしょう。

また、クルマが歩行者との接触した際には、車体からはみ出したタイヤが歩行者をタイヤに巻き込んでしまう恐れがあります。

それらの危険を防ぐための法律が道路運送車両の保安基準です。

ホイールアーチトリムやオーバーフェンダーなどの装備は、車検を通すためではなく、あくまで安全に車を運用するためにあるということを心得てください。

両面テープで固定はただの「装飾品」

今回はこれで以上となります。
最後にまとめです。

まとめ
  • 両面テープでの固定では「純正フェンダーが基準になる」
  • 固定方法によっては検査OKになるケースあり
  • 幅±4cm以上は「構造変更が必要」

こんな感じ。

足回りを交換したり、ホイールを交換してツライチにしたい気持ちはわたしもよ〜くわかります。

ただ、「少しホイールがはみ出してもホイールアーチトリムで誤魔化したらOKでしょ」みたいな安易な考えだと不正改造車として取り扱われてしまいますよ。

一定範囲内でも固定方法によっては検査員判断になるというあやふやな部分もありますが、リスクがあることをぜひ覚えておいて下さいね。

ホイールアーチトリムを取り付ける際には幅や取り付け方に十分注意して、適切な方法で取り付けましょう。

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