- 「スバルのサーモコントロールバルブって何?」
- 「サーモコントロールバルブが故障するとどうなる?」
- 「サーモコントロールバルブは保証修理してもらえるの?」
ネットを見ているとレヴォーグ、フォレスターで「アイサイト警告灯が点灯した。原因はサーモコントロールバルブでした」という情報がよく見られます。
そこで本記事では、サーモコントロールバルブについて解説します。
「スバル車の故障との向き合い方」については以下をご覧ください。
もくじ
サーモコントロールバルブの基礎知識
サーモコントロールバルブとは、5代目フォレスター(SK系)の水平対向4気筒2.5Lエンジン「FB25」から採用されました。
熱マネジメント(水温制御)を目的として採用し、素早いエンジン暖気とエンジンルーム内の暖房性能の向上を行っています。
従来までのサーモスタットを使ったシステムでは、目標とする80℃にするのに18分程度かかっていたものが、熱マネジメントシステムの新採用により11分程度まで短縮できたとのこと。
水温が低い状態では狙い通りの出力が出せずに、使いずらさを感じる場面もあるかと思います。
素早くターゲットまで暖まることは運転のしやすさにつながりますからね。
また、スロットルボディ凍結防止の常時通水用回路を保持しています。
1:サーモコントロールバルブ搭載車種
フォレスター(SK系) | 2.5L NAモデル 1.8L ターボモデル |
レヴォーグ(VN系) | 1.8L ターボモデル |
アウトバック(BT系) | 1.8L ターボモデル |
2:サーモコントールバルブの作動・効果
サーモコントロールバルブは、エンジンコントロールユニット(ECU)からの信号によって「ボトムバイパス通路・ラジエーター通路・ヒーター通路」の3方向の切り替え用ポートとスロットルバルブ凍結防止の常時通水用回路を状況に応じて切替えます。
流路の切替えを行うことで最適な水温コントロールを行います。
具体的な作動は以下の通り。
- 低水温時は水流を止める
→早期暖気効果で燃焼の安定性をアップ - 低負荷時はラジエーターの通水を制御
→高水温制御でオイル粘度を低減(フリクション低減) - 高負荷時は低温制御
→ノッキング発生を抑制、点火進角による出力向上
3:サーモコントロールバルブが故障した場合の現象
サーモコントロールバルブに電気的な故障が発生した場合、「エンジンの故障」に該当するため、アイサイトなどの各ECUの制御も停止します(各システムと協調しているため)。
そしてフェイルーセーフモードに入ることで、最低限の走行ができるように制御します。
何らかの故障が発生しても、システムが正常に機能し続け、安全に停止できるように設計された機能や仕組みのこと
フェイルセーフに入ると「加速不良・水温の上昇が遅くなる」などの症状が出るため、早めに修理することをおすすめします。
4:サーモコントロールバルブの保証期間
サーモコントロールバルブは特別保証に該当するため、新車登録時から5年間(但し10万km以内)の間であれば保証修理を受けることができます。
ただし中古車購入・譲渡などで入手した場合、スバル販売店で所定の点検(12ヶ月点検相当)と保証継承の手続きがなければ保証修理を受けられないので注意しましょう。
5:サーモコントロールバルブの修理内容
サーモコントロールバルブ内部で何らかの故障が起きた場合は、基本的にはASSY交換となるでしょう。
またインテークマニホールドの脱着+クーラント入替作業が伴いますので、実費となると高額になることが予想されます。
警告灯点灯があった際は、速やかにスバル正規ディーラー・サブディーラーへ入庫しましょう。