- 「トヨタのKINTOって料金高すぎじゃない?」
- 「トヨタのカーリースだから高くなるのか仕方ない?」
- 「月額料金が高いのがKINTOの欠点かな…」
ネットを見ていると「トヨタのサブスク「KINTO(キント)」は料金が高すぎる」という意見を多く見かけます。
本記事では、KINTOを利用するに当たって不安要素となる「料金」について解説します。
「スバル車の取り扱いがあるカーリースが知りたい!」という人は、以下をご覧ください。
もくじ
KINTOは高すぎるのか?【他社カーリースの月額料金比較】
まずトヨタのKINTOは、他社のカーリースと比べて料金は高すぎるのか実際に見ていきましょう。
各社見積もりシミュレーションを使って料金を調べてみました。
まずはプリウス(グレードG)で比較してみます。
5年契約 | 7年契約 | |
---|---|---|
KINTO | 月額59,950円 | 月額57,200円 |
コスモMyカーリース | 月額69,190円 | 月額59,950円 |
オリックスカーリース | 月額67650円 | 月額57,970円 |
MOTAカーリース | – | 月額58,080円 |
※ボーナス併用なし
※オプションは最低限
※メンテナンス有り
シエンタ(G GAS 1.5L 2WD(5人乗り)で比較してみます。
5年契約 | 7年契約 | |
---|---|---|
KINTO | 月額45,540円 | 月額43,100円 |
コスモMyカーリース | 月額47,630円 | 月額41,360円 |
オリックスカーリース | 月額53,240円 | 月額45,630円 |
MOTAカーリース | – | 月額45,430円 |
※ボーナス併用なし
※オプションは最低限
※メンテナンス有り
カローラクロス(G GAS 2.0L 2WD(5人乗り)で比較してみます。
5年契約 | 7年契約 | |
---|---|---|
KINTO | 月額45,870円 | 月額47,410円 |
コスモMyカーリース | 月額42,460円 | 月額48,290円 |
オリックスカーリース | 月額56,540円 | 月額47,800円 |
MOTAカーリース | – | 月額43,230円 |
※ボーナス併用なし
※オプションは最低限
※メンテナンス有り
このように、他社カーリースもKINTOに条件を合わせると、KINTOの月額料金が高すぎるということはなく、車種によったら若干安いという結果になりました。
しかも、KINTO以外のサブスクは任意保険料が月額料金に含まれていないことを考えると、KINTOはかなりお得です。
さらにトヨタディーラーメカニックのメンテナンスが必ず付いてくるので、リース満了までの故障の心配をほぼほぼ0にできる点も見逃せません。
KINTOは高すぎるのか?【現金一括とローン比較】
次に「KINTO・現金一括・自動車ローン」で購入した場合の料金を比較してみます。
「KINTOは任意保険を含めても他社と料金が変わらないけど
以下は、年齢21歳以上・26歳以上の人が購入した場合です。
任意保険の等級次第でKINTOがお得か、購入がお得か変わってきます。
元々が若い人に車を持ってもらうことを目的としたサービスなので、任意保険料が高額になる若い世代にはお得なサービスと言えます。
車両保険が含まれているので、使用中にぶつけたりこすったりしても免責額以上には掛かりません。
契約満了時には原状回復する義務がありますが、ぶつけたりこすったりしたものは修理してあればいいので、走行距離超過分の支払いくらいで済みます。
トヨタのKINTOは18歳にメリットが大きいです。通常18歳は上乗せ保険料がかなり高いですが、KINTOは全年齢一律。逆に言うと年齢の高い人が負担している事になるから、保険等級の高い人は購入の方が安くなります。
KINTOが高すぎると言われる理由3選
理由1:自分のモノにならないのに月額が従来のローンと変わらない
KINTOは残価精算のリスクがない点も含めて便利なサービスですが、「車が自分のモノにならないのに月々数万円のお金を払うのは高い!」と感じる方が多いようです。
KINTOは一定期間だけクルマを使用したい人にとってはお得ですが、KINTOから車を借りていることを割り切れない人にとっては高いと感じるのかもしれませんね。
KINTOは、仕組みとしてはカーリースです。
KINTOがクルマの所有者となり、契約者(あなた)は定額料金(リース料金)を払うことでKINTOのクルマに乗ることができます。
車の所有権はKINTOにありますが、レンタカーやカーシェアリングとは違って、マイカーのように新車を使用できます。
契約終了後はKINTOにクルマを返却となります。
ただ残クレと違って、基本的に残価の精算はなく、キズや凹みが想定の範囲内であれば修理費用の請求もありません。
走行距離もオーバーしてなければ追加費用も請求されません。
実際のところ、所有している状態となんら変わりませんが、「車は自分のモノにならないとイヤ!」と言う人にはKINTOは向いていません。
理由2:税金を考慮してもやっぱりKINTOは高すぎる
KINTOは「他社カーリースと比べてもやっぱり高い!」との声が多いです。
KINTOは大手自動車メーカーである「トヨタ自動車」が提供しています。
一般的なリース契約の場合、リース契約した会社で車の点検を行います。
KINTOではトヨタ・レクサスディーラーでメンテナンスを実施できるため、大手自動車メーカーという安心感も感じられるでしょう。
どうしてもディーラーの点検・整備はカー用品店や修理工場と比較して料金が高い傾向があります。
しかし、KINTOは他社カーリースと違って「任意保険込み+ディーラーメカニックのメンテナンス付き」であることを考慮すれば、妥当な金額なのではないでしょうか。
理由3:サブスクとはいえ別途維持費がかかっているから
「月額コミコミとはいえ駐車場代・ガソリン代はかかるじゃん!」という声も何件かあります。
たしかに都会になれば駐車場代はかなり上がりますからね。
ただカーリースの市場では、駐車場代・ガソリン代まで負担してくれるサービスは現在ありません。
契約前には、土地所有者でない場合は賃貸住宅の駐車場・月極駐車場など、自宅近くの駐車場を事前に押さえておくようにしておきましょう。
ガソリン代の計算はこちらが便利です。
KINTOについての基礎知識
KINTO(キント)とは、車の維持に必要な諸経費がコミコミの月額定額で、トヨタの新車に乗れるサービスです。
月額で利用するため「車のサブスク」とも呼ばれています。
皆さんも最近よく耳にする「サブスク」は、「サブスクリプションサービス」を略した言葉で、定期的に料金を支払い、利用するコンテンツやサービスのことです。
サブスクは、商品を「所有」ではなく、一定期間「利用」する契約を結びます。
車を購入する訳ではなく、あくまでトヨタから「車を借りて利用する」形になります。
KINTOのメリット
メリット1:月々定額支払いで急な出費がない
KINTOには、保険代やメンテナンス代も含まれており、支払額が常に一定という点ではライフプランが立てやすいです。
車に関係する費用が全て含まれているため、急な出費を気にする心配がないメリットがあります。
- 「5月に自動車税の払い込み票が…」
- 「来年は車検だからお金貯めておかないと…」
このような心配がありません。
メリット2:カーローンより安い
一例として、KINTOでGRヤリスを5年契約した場合のシミュレーションをご紹介します。
KINTO利用時 | 現金一括払い | 自動車ローン (5.0%の場合) | |
---|---|---|---|
A:車両代・オプション代 | 利用料に含む | 2,692,075 円 | 2,692,075 円 |
B:税金・諸費用 (自賠責・自動車税等) | 利用料に含む | 339,070 円 | 339,070 円 |
C:任意保険・メンテナンス | 利用料に含む | 1,686,755 円 | 1,686,755 円 |
D:分割払い手数料 | 利用料に含む | – | 356,086 円 |
E:5年後の下取り参考価格 | – | 807,623 円 | 807,623 円 |
F:5年後の総支払額 (A+B+C+D-E) | 3,036,000 円 | 3,910,278 円 | 4,266,363 円 |
月々の支払額 (F÷60ヶ月) | 50,600 円 | 65,171 円 | 初回:71,463 円 2回目以降:71,100 円 |
カーリースでの月々の支払いは、自動車ローンでの購入よりも20,863円お得になっていることになります。
その他にかかる金額は月額料金と燃料代・駐車場代のみです。
メリット3:ライフスタイルに合った乗り換えがスムーズ
KINTOでは「3年」「5年」「7年」のプランが用意されており、一定期間後であれば期間中の乗り換えも可能です。
KINTOの「乗り換えGO」を利用すれば、ライフスタイルに合わせて最適な車に乗れるよう、割安な手数料で別プランに乗り換えができます。
3年プラン | 契約から1年半後 |
5年プラン | 3年後以降 |
7年プラン | 3年後以降 |
乗り換え時には違約金が発生する可能性がありますが「乗り換えGO」を追加することで、割安な手数料を支払うだけで期間に関係なく乗り換えできます。
例えば、「子供が増えたからミニバンにしたい!」という場合や、「子供が上京するからコンパクトカーで十分!」という場合もKINTOなら気軽に乗り換えることが可能です。
メリット4:残価清算がないので乗り換えがスムーズ
KINTOの車両代金の考え方は、基本的に残価設定クレジットと似ていますが、契約満了時に買取金額が仮に暴落しても、高額な請求を負担する必要がありません。
残価(残存価格)とは「購入して数年後に下取りに出した際の車の価値」、つまり「下取り価格」のことです。
この残価を差し引いて計算することになるので、月々の支払いを抑えることができる仕組みです。
1台のクルマに長く乗り続ける…というのもアリなのですが、「車=資産」という捉え方をすると、長く乗れば乗るほど資産価値がなくなっていくのが実情。
どれだけ愛着を持っていても、乗り換えを検討する頃には資産価値は購入時の半分以下になってます。
KINTOでは借りることが前提ですからそういった心配もなく、いつか訪れる車の売却や処分などの手間を省けます。
メリット5:ネットで申し込みが可能(店舗に行かなくて良い)
KINTOは実際に店舗にて申し込み手続きを行う必要がありません。
営業マンと対面で商談することが苦手な方にはおすすめです。
メリット6:トヨタディーラーでのメンテナンス
一般的なカーリースの場合、リース会社が指定する整備工場で車検やオイル交換を行う場合が多いですが、KINTOではすべてトヨタの看板を背負った正規販売店が対応してくれます。
昨今の車の故障は、ディーラー専用の診断機を使用しなければ治らない事案が多いです。
先進技術が続々と投入されている自動車業界ですから、専門のメカニックによる診断はかなりの安心感があります。
メリット7:月額料金の中に任意保険も含まれている
KINTOには他社にはない魅力として「任意保険」が月額料金の中に含まれています。
任意保険の内容も対人対物は無制限、ご自身の怪我や治療費は5000万円まで補償されるメリットがあります。
さらに万が一、弁護士を雇う示談交渉時に有利な弁護士費用特約やロードサービスまでもが自動付帯の任意保険です。
さらに車両保険付きで、自損事故や当て逃げも補償対象。
事故で修理が必要な場合も自己負担額は最大5万円など充実の補償内容です。
カーローンや一括購入の場合、自動車の購入とは別に自動車保険の手続きを行わなければいけないので、精神的に面倒で時間も取られます。その手間が省けることは大きなメリットになるでしょう。
メリット8:任意保険が全年齢一律(若者はお得)
元々が若い人に車を持ってもらうことを目的としたサービスなので、任意保険料が高額になる若い世代にはお得なサービスと言えます。
車両保険が含まれているので、使用中にぶつけたりこすったりしても免責額以上には掛かりません。
契約満了時には原状回復する義務がありますが、ぶつけたりこすったりしたものは修理してあればいいので、走行距離超過分の支払いくらいで済みます。
メリット9:クレジットカードが利用可能でポイントがたまる
カーリース契約の場合、クレジットカードが利用できない場合が多いですが、KINTOでは個人の方に限りクレジットカードが使えます。
電気水道ガスなどの公共料金に合わせて、クルマの利用にクレカが使えるのは大きいですよね。ローン会社に問い合わせましたが、今のところマイカーローンにクレジットカードが使える商品はないそうです。
※ポイントの付与条件はお使いの各カード会社のHP等で詳細をご確認ください。
KINTOのデメリット
デメリット1:トヨタ車とレクサス車以外は乗れない
KINTOはトヨタ車とレクサス車のリースが契約条件です。
またトヨタ車の中でも、全車種から選択できる訳ではないため注意が必要です。
2024年1月12日に開催された「東京オートサロン2024」にて、スバルと協業でサブスクを開始することを発表されています。導入時期は2024年初夏となっています。
デメリット2:現在の自動車保険の等級を引き継げない
KINTOを申し込むと任意保険がついてきますが、以前より加入していた任意保険は中断することになります。
等級が進んでいる方はその恩恵が受けられなくなりますので、注意が必要です。
カーリース検討中の人は、別会社を選択しましょう。
デメリット3:走行距離制限がある
KINTOはリース期間ごとに定められた「走行制限」があります。
KINTOの走行距離は月間1,500Km以内までのサービスです。
ただし月ごとに精算するわけではなく、返却時までに経過した月数分の総計で計算します。
追加清算 | |
---|---|
トヨタ車 | 1Kmあたり11円(税込) |
レクサス車 | 1Kmあたり22円(税込) |
デメリット4:中途解約で違約金が発生する
中途解約は所定の清算金がかかります。
ただし、免許返納時、海外転勤時は解約金0円で車を返却することができます。
デメリット5:カスタムはできない
KINTOで契約した車はあくまで「クレジット会社が所有権の車」のため、カスタムはできません。
また、車内の喫煙やペットの同乗は基本的にNGです。
車の価値を下げる行為は返却時のことを考えて避けなければいけません。
これらが気になる人は、「もらえるプラン」が選べるカーリースも検討しましょう。
【スバリスト必見】ソルテラがKINTOで乗れる
EVのランニングコストが気になる人は、KINTOで「bZ4x」という選択肢もアリです。
トヨタの本格的なEV第1弾となる「bZ4X」は、個人向けにはKINTO、法人向けにはリースだけの販売となっています。
一方、bZ4Xと共同開発されたスバル・ソルテラは、現金一括やクレジット販売などでも購入できます。
販売方法が両者で違う理由は、「バッテリーの劣化やそれに伴う下取り価値の下落に対する消費者の不安をやわらげて永く乗り続けてもらうことが目的」とトヨタは答えています。
また、「EVが処分される段階で容量を残すリチウムイオンバッテリーを回収し、二次利用やリサイクルにつなげるにも、確実な回収を行うにはリース方式がよい」とのこと。
バッテリーの劣化は、たしかにEVの不安要素です。
KINTOであれば、整備代も月額料金に含まれるので、故障などへの心配も減りますからね。
ソルテラ検討中の人で「EV車は気になるけど、整備や故障のリスク、充電の問題がなぁ…」と思われている人は、KINTOでサブスク運用されるのも選択肢としてはアリでしょう。
KINTOのよくある質問
Q1:KINTOの損益分岐点が知りたい
KINTO公式にて料金シミュレーションが用意されています。
車種・年齢・利用期間を選択し、購入方法の比較などができますので、ぜひ活用してみてください。
Q2:KINTOに向いている人をわかりやすく教えて欲しい
免許を取ったばかりの若い人 | ・任意保険が全年齢一律だから |
運転に不安が出てきた高齢者の人 | ・トヨタの最新車種が用意されている ・「リース期間=免許返納」と踏ん切りがつけれる |
事故歴が多く、保険料が割高な人 | ・任意保険料が一律だから ・5等級以下の方はおすすめ |
法人経営や個人事業主の方 | ・月額費用はすべて経費として計上できる |
トヨタの新車を残クレで購入したい人 | ・残価清算がないから ・金利の概念がない ・ランニングコストが明確だから |
Q3:KINTOを契約して後悔する人を教えてほしい
「同じ車を10年以上乗り続けたい人」「保険等級が高い人」は向きません。
KINTOは「定期的に安全な最新車種を乗り換えていきたい」という人に恩恵が大きいです。
Q4:KINTOの審査は厳しいですか?
KINTOの審査会社は親会社であるトヨタファイナンスになるため、比較的に審査が通過しやすい傾向があります。
自社グループが審査するからこそ、審査を通過しやすい特徴があります。
Q5:KINTOでスバル車を取り扱うのはいつか?
「2024年初夏」となっています。
Q6:KINTO契約中に事故を起こしたらどうなるのか
全損事故を起こした場合には、車自体が使用不可になるため強制的に契約終了となります。
全損事故ではなく、修理して車が走行できればそのまま契約を継続できます。
Q7:KINTOと残クレの違いを教えて欲しい
車にかかるコストが毎月の支払いに組み込めるかどうかの違いです。
あらかじめ下取り価格を設定してその価格を引いた残価を毎月を支払う方法なのは、基本的に両者とも同じです。
残価設定ローンは残価を含めた元金に金利がかかります。
カーリースは、車を借りるシステムなので利息がかかりません(その分サポート料がかかる)。
大きな違いは、残価設定ローンは諸費用を契約者ご本人がその都度払うのに対して、カーリースは車に関わる諸費用が月額コミコミなのが特徴です。
まとめ
KINTOは、元々が若い人に車を持ってもらうことを目的としたサービスなので、任意保険料が高額になる若い世代にはお得なサービスと言えます。
また昨今の新車販売価格は年々上昇していますので、従来のカーローンでは購入のハードルがかなり上がってきています。
KINTOは車を購入する方にはメリットの大きいサブスクリプションサービスです。
契約後の後悔を限りなく少なくするためにも、この記事で紹介した内容をぜひ参考にしてください。