このような疑問にお答えします。
本記事を書いている筆者は、かれこれスバル車を5台乗り継いできたスバリスト。
この記事を読むことで、GRBの魅力が少しでもお伝えできたら嬉しいです。
もくじ
GRBの基本情報
販売期間 | 2007〜2014年 |
新車価格 | 3,654,000円〜 |
型式 | CBA-GRB |
全長×全幅×全高 | 4415×1795×1475mm |
ホイールベース | 2625mm |
車両重量 | 1480kg |
エンジン型式 | EJ20 |
---|---|
最高出力 | 308ps(227kW)/6400rpm |
最大トルク | 43.0kg・m(422N・m)/4400rpm |
種類 | 水平対向4気筒DOHC16バルブターボ |
総排気量 | 1994cc |
過給機 | ターボ |
GRBとは、インプレッサSTiの3世代目にあたる5ドアハッチバックのスポーツカーです。
エンジンは歴代インプレッサWRXに採用され、熟成が進んだEJ20型。
吸排気バルブの開閉タイミングを連続的に制御するデュアルAVCS、吸気&排気ポートの形状変更、ターボチャージャーのコンプレッサーの形状を変更するなどのアップデートが施され、最高出力は308ps、最大トルクは43.0kgmを発揮。
このエンジンのポテンシャルを最大限発揮するため、マルチモードDCCD(ドライバーズ・コントロール・センターデフ)、マルチモードVDC(横滑り防止装置)といった最新の車両制御システムを採用。
加えて、当時のスバル車に標準装備化が進んでいた、エコ走行からスポーツ走行までドライバーが任意に走行モードを選択できるSI-ドライブも装備されています。
GRBが不人気扱いされる理由(私見です)
ネットでも「GRBは不人気車だから狙い目!」よく言われています。
なぜ「GRB」は不人気扱いされているのか。
理由1:先代のスタイル・デザインから一新されたから
これはあくまで推測ですが、これまでのインプレッサSTiといえば「4ドアセダンモデルで大型リヤスポイラー」というイメージが強く、当時の日本市場であまり受け入れられなかったのが原因だと思われます。
個人的にはラリー味が増したこのデザインは、めちゃくちゃ好きなんですけどね。
中身は、最大出力308psの水平対向エンジン、制御が緻密になったDCCD、リヤサスペンションのダブルウィッシュボーン化によるしなやかな乗り味とコーナリング性能。
それでいて、ハッチバックによる実用性も兼ね備えています。
ただ、のちに根強いファンからの熱望によって4ドアセダンモデルである「GVB」が2010年7月から発売されるのですが、それと同時にGRBの人気が急落。
当時の中古市場でもGVBとGRBとでは、価格が100万円以上変わるほどだったのを記憶しています。
ところで、なぜ5ドアハッチバックにモデルチェンジしたのか。
開発者である森宏志氏が、過去のインタビューで語られています。
「なぜ5ドアなのか、という声は当初あちこちからあがりましたが、初期スケッチの段階からWRCで勝つために5ドアでいくことを決めていました。当時、スバルワークスチームのドライバーだったペター・ソルベルグの、『セダンの後ろ(トランク)はいらない、前後オーバーハングはゼロでいい』という意見などを元にしたのです。当時のライバルだったシトロエン・クサラやフォード・フォーカスに勝てないと意味がなかったですしね」
出典:GAZOO
5ドアハッチバックにはちゃんとした理由があります。
残念ながらスバルは2008年にWRCを撤退してしまいますが、森さんの「走る」「曲がる」「止まる」ことに妥協しないクルマ作りがGRBには宿っています。
理由2:「ピストン棚落ちの症状がある」という噂
GRB以降のエンジンになってから、ピストン棚落ちに関する話しがネット上でもよく見かけるようになりました。
ピストン上部の外周付近が異常燃焼やパワーに負けて欠損してしまう状態のこと
ピストンを横から見た時、上部にあるピストンリングの入る溝が棚のような形となっており、ここが崩れてしまう状態が「棚が落ちてしまうように見える」ということから棚落ちと呼ばれています。
ピストンの棚落ちは、最終的に圧縮不良などによるパワー不足につながってくるのですが、症状がハッキリ分かるものではありません。
症状が進み、完全にピストンが崩れると異音が出たりしますが、それまではほとんど分からないので厄介ものです。
とくにGRBの初期型は、従来のピストン形状と異なり棚落ちしやすいと言われていました。
ぶっちゃけ後期型やVABでもたまに見かけますが…。
ただし、新車から全て純正でオイル管理をしっかりして何もカスタムせず、普通に回さず乗ってた個体ならほぼほぼ問題はありません。
ノーマルECUのまま、マフラー交換・メタキャタの取付、社外エアクリの交換などを行っていくと 燃調が合わずエンジンを傷める (棚落ちを引き起こす) 原因になったりします。
つまりGRBの初期型がとくに不人気扱いされている理由として、この手の「カスタム思考の高い車を選ぶ人」は、なんらかのカスタムをしていた可能性が高く、ピストン棚落ちしている危険が高いからです。
さらに初期型は、13年落ち来歴不明、過走行、その上ブーストアップ程度でも棚落ちの危険もあります。
中古車市場のGRBの初期型が、とくに安い理由はここにあるのかもしれませんね…。
今から中古車で狙う人は、来歴がハッキリしている車両か、対策済みのB型以降、場合によってはシリンダー内の圧縮点検を依頼するようにすると確実かなぁと思います。
理由3:GRB型から故障が多い!?
ネットで検索すればすぐ分かりますが、GRBは故障事例がわりかし多い車両です。
パワステ異音、2次エアシステムの故障、イモビ関連の不具合…
ピストン棚落ちの件も含めると、中古価格が安い理由の1つかもしれませんね。
ただこれまでスバル車の整備に10年以上携わってきた身からすると、車種ごとに壊れやすい部品は存在しますし、そういった情報をこれまでメーカーは汲み取って対策部品を展開してきています。
GRBが特別壊れやすい車両だとは思っていません。
現に今もなお大事に乗られているオーナーさんは多くいます。
車が壊れるから整備工場があるわけなので、その故障とどう上手く向き合っていくのかがポイントです。
今から中古車で狙う人は、ネットの故障事例をよくサーチしておいて、手厚いアフター保証に加入しておくことをおすすめします。
GRBに隠された5つの魅力
GRBには、WRC(世界ラリー選手権)で磨き上げられた5つの魅力があります。
魅力その1:専用ボディのブリスターフェンダー
GRBといえば、大きく張り出したフェンダーではないのでしょうか。
このブリスターフェンダーのルーツは、WRカー「インプレッサWRC2005」のフェンダーのリップ効果を再現したものなんです。
このフェンダーに装着された小さなリップは、側面の空気をあえて乱すことによって、タイヤハウス内の空気を引き抜いて後方に流すもの。
結果としてフロントに強烈なダウンフォースを生みます。
GRBのブリスターフェンダーは独特な形をしていますが、このダウンフォースをリップなしで再現するために研究した結果、この形に辿り着きました。
真の意味でラリーカーで得た知見を再現したのがこのGRBなのです。
「インプレッサWRC2005」のデザインは、これまでデザイン担当していたイギリスのレーシングカーデザイナー「ピーター・スティーブンス」ではなく、SUBARUの社内デザインであり、そしてなんとGRBも同じデザイナーさんなんです。
魅力その2:WRCに勝つために投入されたボディ
WRCに勝つために走りを追求した結果の生まれたボディパッケージホイールベース2625mm。
これがインプレッサSTiが、5ドアボディのみとなったことの最大の理由となります。
当時ノーマルのインプレッサ(GH系)よりも5mm長くなっていますが、このホイールベースは開発チームがWRCを戦うSWT(スバルワールドラリーチーム)と度重なる協議のうえ決定された数値。
従来の2540mmというホイールベースでは、今のハイスピード化されたWRCでは、スタビリティファクタ(ステア特性を示す特性値)が不足し、戦闘力がどうしても高められなかったそうです。
そのために必要だったのが2620mm前後のホイールベース。
特にリアオーバーハングを切り詰めることが求められました。
左右に激しくフロントを振り回す、素早い旋回モーメントを求められるラリーで運動性能を向上させるためには、前後オーバーハングの縮小は必要不可欠。
ラリーでは、直線区間でタイムを稼ぐ事は少なく、鬼のような数の旋回区間でタイムを稼がなくては優勝できません。
2620mm前後のホイールベースと前後オーバーハングの切り詰めを両立させると、ボディは必然的に5ドアハッチバック形状…というのがGRB誕生の最大の理由となりました。
実際、フロントオーバーハングは旧型4ドアセダンよりも15mm短縮され、リアオーバーハングは120mmも短縮されています。
4ドアセダンでは、ここまで大胆にリアオーバーハングを切り詰めることは不可能でした。
魅力その3:最高出力308馬力を発揮する「EJ20」
最高出力「308馬力」を実現した水平対向エンジンは、2Lエンジンとしては初の280馬力突破で、言うまでもなく国内最強クラスの2Lエンジン。
最大トルクは43.0kgmで旧型と変わりませんが、2400回転で最大トルクの約90%を発揮し、4400回転で最大トルクを発生します。
全域でトルクは向上しているというから、実際に走らせればより力強い走りを味わうことができますよ。
魅力その4:先代から緻密に進化したDCCD
従来はマニュアル設定とオートモードのみだったDCCDでしたが、GRBではオートを3タイプのモードに分け、路面状況やドライブスタイルに合わせてよりマッチしたセンターデフコントロールを選択できるようになっています。
センターデフのロック率を運転席からコントロールできる装置。ロック率0%のときはフロント:リアの駆動トルクを「35:65」に不等配分し、4WDながらFRのようなハンドリングを実現。ロック率100%のときは直結4WDと同じ状態となり絶大なトラクション性能を発揮します。
これらを自動制御する「AUTO」に新設された「AUTO+」モードでは、トラクション重視でセンターデフのロック制御を強くする方向でコントロール。
悪路などに適したモードとなります。
いっぽう「AUTO-」はセンターデフのロックを弱めに制御することでハンドリング性能を重視し、フットワークのいい走りを重視したコントロール。
サーキット向けのモードとなります。
このほか、従来同様マニュアル操作でセンターデフのロック率を6段階に設定できる機能も持っています。
魅力その5:今となったら希少なハッチバックモデル
GRBは、WRXシリーズの中でも「走りと利便性」を兼ね備えた希少なモデルです。
5ドアハッチバックであることで、大人4人がスムーズに快適に乗車できることは言わずもがなで、ハッチバックであるがゆえにラゲッジスペースの広さ、外からの荷物の出し入れ、アクセスの良さも抜群です。
色々な理由で短命になりがちなスポーツカーですが、普段使いがしやすいければ長く愛用できます。
買い物やクルマでの旅行での収納や、ヘルメット、工具、スペアタイヤといったものを運ぶサーキット勢にも嬉しい。
趣味としての車と普段使いにマッチしたスバルのスポーツカーは、GRB以外ないと思ってます。
GRBをお得に買う2つの手段
GRBはWRXシリーズの中でも実用性も兼ね備えたおすすめのスポーツカーです。中古車バブルが終わった今、かなり狙い目のモデルです。
そこでGRBを効率よく探す2つの方法をご紹介します。
方法1:非公開車両も狙える!?「中古車在庫問合せサービス」
筆者は自動車業界で10年以上、そしてネット購入では4台以上、そしてメディア運営をしていく中でさまざまな中古車サイトを見てきました。
その中でも、誰もが多くの在庫車から安心して購入できて、アフターフォローも強いサイト。
ガリバー中古車問合せサービスが断然おすすめできます。
理由としては以下の通り。
- 在庫車両の仕入れが多い(毎日500台以上)
- 修復歴を積極的に公開してくれる
- 納車後100日までの返品サービス
- オプションで最大10年保証をつけれる
- 非公開車両も狙える
これらのサービスが実現できるのは、中古車販売の歴史が深く、企業として信頼できるガリバーだからこそ。
また、ガリバーは毎日山ほどクルマを仕入れて順々にネット公開していますが、台数が多く間に合わないため買取から公開までのタイムラグが発生します。
ココを上手く逆手に取って、ガリバー中古車問合せサービスでは、非公開車両を秘密に紹介してくれます。
中古車市場が活性化している昨今では、中古車をネットで探す人はとても多く、人気な車種は公開された瞬間にすぐ売れてしまいます。
真剣に欲しいクルマを探している人は新着メール通知の機能を使って、希望のクルマが登録されたらすぐに通知が届くように設定しているはず。
もはや今の中古車は、非公開車両を狙うのは常識になってきています。
まだ利用されていない人は、ぜひ活用してお宝クルマが見つけ出しましょう。
もちろん無料で利用できますのでぜひ。
中古車探しにおすすめなサイトをお探しの人は、以下もご覧ください。
方法2:サポート体制充実!「車のフリマサイト」
不用なものを気軽に売ってお金に変えられるのが個人売買などの「フリマ」。
ちょっとしたお金が欲しいときにめちゃくちゃ便利ですし、断捨離ブームの影響もあってフリマサイトを使うこともだいぶ一般的になってきましたよね。
このブームは自動車にも来ており、高く売る為に、個人売買やネットオークション、フリマサイトなどを考える人も増えてきています。
その理由としては、個人売買やネットオークション、フリマサイトは直接商品のやり取りをすることで、「中古車販売店の仲介がない=買いたい人は安く・売りたい人は高く」取引することができるからです。
個人売買(フリマ)サイトとなると「取引とか面倒なんじゃない?」というイメージがつきまといますが、サポートがかなり充実しています。
- 出品データの入力
→出張査定の有無・出品手続きの代行 - プロによる価格設定
→最も高く売れる価格設定をアドバイス - 名義変更の代行
→書類の郵送〜手続きまで代行 - 引き取り・納車
→提携の陸送会社が全国対応 - クレーム対応の仲介
→利用者同士のトラブルに仲介 - 決済代行
→利用者同士の金銭トラブルを防ぐ
これらは、車やバイクの個人売買でよくある不安要素であり、トラブルになりがちな項目です。
すべて出品者側のメリットのように見えますが、これらの手続きがスムーズに進むことは、購入者目線で考えるとできるだけ早く車を受け取れることにつながるので双方にメリットが生まれます。
「欲しかった車が見つからない!」と悩まれている人は、個人売買(フリマ)サイトの利用も検討してみてはいかがでしょうか。
個人的には掲載台数も多く、手数料が安い「カババ」がおすすめです。
車のおすすめフリマサイトをお探しの人は、以下もご覧ください。
3代目インプレッサ WRX STi(GRB)を乗るのはかっこ悪いでしょうか。そもそもなぜWRXシリーズの中でも不人気扱いされているのかを知りたい。