車高調の寿命は街乗りで「3万km」or「3年〜5年」が推奨!|メンテナンスや車検時の注意点もていねいに解説します!

車高調は、車両の車高を変えることができるパーツで、見た目だけでなく操縦性や走行性能の向上にもつながるパーツ。

しかしながら、車高調には寿命があり、適切な取り扱いやメンテナンスをしなければ、期待する性能を発揮できなくなることがあります。

そこで本記事では、車高調の種類や寿命、修理に該当する症状について初心者でも分かりやすく解説します。

この記事で分かること
  • 車高調の種類と調整方法
  • 車高調の寿命について
  • 車高調の減衰力について
  • 車高調の寿命のサインについて
  • 車高調のトラブルと対処法について
  • 車高調を取り扱う際の注意点について

このような構成で書きます。

また、車高調に関するQ&Aや、注意点なども紹介するので、車高調について知りたいと思っている人は、必見の内容となっています。

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車高調の寿命は?交換時期や注意点を解説!

車高調は、車の高さを調節するパーツであり、車高を下げる「ローダウン」や車高を上げる「ハイアップ」を可能にします。

車高を調整することで、走行性能やスタイリングをカスタマイズできます。

①車高調の種類は大きく分けて3つ|ダンパー構造は2つ

まず基礎知識として、車高調には以下の3つの種類があります。

車高調の種類は大きく分けて3つ
種類車高の調整方法メリットデメリット
Cリング式車高調ショック本体の溝にC型リングをはめ込んで調整価格が最も安い・一定の間隔でしか調整できない
・車高の調整に手間がかかる。
ネジ式車高調スプリング下部のロアシートを上下させ、ばねの取り付け位置で調整
>>動画はこちら
・構造がシンプル
・調整が簡単
・ローダウン時にストローク量が減る
・プリロードのかかりすぎで跳ねるようになるなど
・ダンパーの寿命を縮めやすい
全長調整式車高調ショック下部のロアブラケットを上下させ、サスペンション自体の長さを変えて調整
>>動画はこちら
・調整時にストローク量が変化しない
・調整後もショックの性能を発揮できる
・構造が複雑なため高価

続いてダンパーの構造については2つあります。

分類特徴
単筒式シンプルでチューニングしやすい、放熱性が良い等からスポーツタイプのサスペンションに採用されている。
複筒式設定出来る長さの自由度が高く、また石跳ねなど多少のへこみが生じても機能に影響しないなどから多くのクルマのサスペンションに採用されている。

本来、車高調はモータースポーツ用のパーツとしてセッティングの幅を広げる、という目的のために生まれてきたハイパフォーマンスパーツです。

それだけに適切な車高、スプリングへのプリロードのかけ方、適正な減衰力調整など細かいセッティングが多く、なかなかベストセッティングを探しづらいもの。

初心者の人は、まず各メーカーの推奨値から始めるのがベストでしょう。

②車高調の寿命は一般的に「3万km」or「3年〜5年」

車高調の寿命は一般的に「3万km」or「3年〜5年」

安価なものでは1万km程度で交換となる車高調もありますが、一般的な目安は「3万km」or「3年〜5年」と言われています。

しかし、これは街乗りが中心の場合の目安です。

使用方法によって異なるので注意しましょう。

ちなみに車高調を販売しているメーカーは車高調の寿命について、どのようなアナウンスをしているかのでしょうか。

各メーカーの「よくある質問」より抜粋してまとめました。

メーカー名オーバーホール時期
TEIN(テイン)2~3年(走行距離3~4万km程度)
LARGUS(ラルグス)走行距離3万km
RS-R(アールエスアール)乗り心地に変化を感じたらO/Hをお奨めします。

オーバーホールとは、分解・交換してリフレッシュすること

③車高調の寿命は主に「減衰力の低下」で決まる

車高調の寿命は、主に「減衰力」の低下によって決まります。

減衰力とは、次第に衰えていく力。段々と減少していく力。

車は走行中に路面等から受けた振動や衝撃をスプリングが吸収します。

このときにスプリングだけだとビヨンビヨンとした上下動が続いてしまって不快になります。

そこでダンパー(ショックアブソーバー)が減衰させる力を発生させ、無駄な動きを抑えることで、車両の挙動が安定します。

これがいわゆる車のサスペンションの役割。

この減衰力が低下すると、車両の挙動が不安定になるため、寿命が過ぎたらオーバーホールor交換する必要があります。

④車高調の寿命のサインは「オイル漏れ・異音」

車高調の寿命のサインでもある「減衰力の低下」をすると、どのような現象や原因があるのか。

以下の通りです。

現象原因
異音
(ガタガタ・ゴトゴト)
スプリングの干渉やピロボールの摩耗、ダンパー内部部品が摩耗など
オイル漏れ熱や経年劣化により発生。オイル漏れは車検に通りません。

このような症状が見られる場合は、車高調の寿命だと考えて良いです。

車のサスペンションは、1度の走行で数多くのストロークを繰り返し、発熱・放熱をくり返す過酷な状況にあります。

金属の摩耗、熱によるオイル劣化、シール類の磨耗は、どんなサスペンションでも避けられません

⑤車高調の減衰力調整方法

世の中にある車高調には、減衰力を調整できるタイプが多くを占めており、もしあなたが減衰調整が出来る車高調を使っているのであれば、減衰調整を合わせない手はありません。

まず初めに、今使っている車高調の減衰力調整は何段階式の調整が可能なのかを把握します。

しー

車高調の上にある減衰力調整用のダイヤルをハード(硬め)にいっぱいまで回してから、ソフト(柔らかめ)に戻していきます。ダイヤルをまわすとカチカチとクリックするので、その数で現在の段数を確認することができます。

そして、以下の手順を踏んで近所を5分程度走行し乗り味を確かめます。

STEP

減衰力調整を真ん中に合わせる

STEP

減衰力調整を1番柔らかくする

STEP

減衰力調整を1番硬くする

ハード、ソフトどちらが自分好みの乗り味だったかを選んでいきましょう。

車両の特性や路面状況に合わせて調整するのがポイントです。

⑥車高調にまつわる車検の「3つの注意点」

  • 最低地上高は9cm以上か
  • オイル漏れはないか
  • 各部にゆるみはないか

1:最低地上高は9cm以上か(灯火類も注意)

車検では、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第163条によって、普通自動車・軽自動車ともに最低地上高が9cm以上かを検査します。

最低地上高の基準が適用されるのは、ボディを含む構造物、つまり固定されたパーツです。

具体的には、マフラーやサスペンションメンバーとボルト、デファレンシャルギア、デフケース、オイルパンなどが対象となります。

ちなみに、2006年1月以降に生産された車の場合、地面から灯火類の装着位置までの高さが基準を満たしていなければ、最低地上高が9cm以上あっても車検に合格しません。

フォグランプなどは、レンズ下縁の高さは地上から25cm以上必要になるので注意です。

2:オイル漏れはないか

サスペンションからオイル漏れが確認できる場合は、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第173条に基づいて不合格となります。

ちなみに「どの程度のオイル漏れなのか」というのは検査員の判断になります。

目視でポタポタとオイル漏れをしている場合やしずくになっている場合はNGですが、オイルにじみやオイルが汚れている程度では、ほとんどNGになったことがありません。

3:各部にゆるみはないか

サスペンションの各部にゆるみがあると、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第173条に基づいて不合格となります。

車高調についてのよくある質問

1:購入前にあるよくある質問

車高を下げるメリットはスタイリング以外にありますか?

適切に車高を下げることによって車体の重心が下がり、コーナリングや車線変更時の安定感が増すことです。特に高速走行時にその効果が実感されるため、高速道路を利用することが多い場合には、車高を下げる意味があると言えます。一部の電子制御やエアサスペンションを備えた車が高速走行時に車高が下がる機能を持つのはこういった理由からです。

車高を下げたときに、車両に搭載されている安全装置・衝突回避支援装置・運転支援装置は正常に動作しますか?

レーダーやカメラ、センサー等の認識範囲がノーマル状態と異なり誤動作を起こす可能性があります。それに併せてメーカーの保証修理対象から外れるリスクがあります。

車高調を調整する工具などは付属していますか?

一般的に調整専用のレンチは付属していますが、タイヤ・純正ダンパーを取り外す工具などはユーザー側で用意する必要があります。

2:車高調整・減衰力に関するよくある質問

車高ダウン量の意味は?

純正の車高を基準(0㎝)として-◯◯㎝から+◯◯㎝の幅で調整可能という意味です。

初めて車高調をつかいます。どの位置に車高を設定すれば良いのですか?

使用するスプリングが基本バネレートなら、あまり車高を落とさない方が良いです。ノーマルより30mm~40mmダウンに抑えてください。車高を落とし過ぎるとフェンダーとタイヤが干渉する恐れがあります。

バネレートとは?

 バネレートとはサスペンションのスプリング(バネ)の硬さをkgf/mmという単位で表すもので、例えば4kgf/mmと表記されている場合は、スプリングを1mm縮めるのに4kgの力が必要になります。

バネレートを変更するとどうなりますか?

バネレートを上げればサスペンションは硬くなり、下げれば柔らかくなる傾向にあります。ただし、それだけで車の乗り心地を良くしようとするのは無理があります。車の乗り心地は、バネレートだけで決まっているわけではないからです。その上、バネレートを調整することによって、ステアリング特性がアンダーステアやオーバーステアになったり、グリップ力なども変わることがあるため、安易に変更することはおすすめしません。

スポーツ走行をメインに使いますが、バネレートや車高はどう設定すれば良いのですか?

バネレートは基本レートより上げた方がいいです。使用するタイヤにもよりますが、前後バランスは走行を繰り返しながら車高で5mmづつぐらい変化させていくと良いです。

減衰力の推奨値は?

減衰力の設定に関しては、ユーザーの好みで大きく変わります。まずは中間となる位置にセットして自分好みに合わせていきます。

出荷時の減衰力は何段になっているのですか?

一般的に中間となる位置にて出荷されています。

3:メンテナンスに関するよくある質問

車高調の清掃、メンテナンスはどのくらいの間隔で行えばいいですか?

走行距離や使用年数により異なりますが、半年に一回程度が良いでしょう。

車高調整しようとしたが、ネジが回らないのですが、異常でしょうか?

ショックアブソーバーネジ部が(砂やほこりが付着している状態でシート、ブラケットを回すと砂やほこりがネジ部に噛みこみネジ山が破損し回らなくなる場合があります。ネジ部が汚れている場合にはブラシなどを使用して、ネジ部の汚れを落としてから調整を行ってください。個人的にはバイクのチェーン用のグリスを塗っておくのがおすすめです。

ベアリング部分やシャフト部分はグリスアップしたほうがよいですか?

基本的にNGです。グリスアップすると初めのうちは良いですが、使用していくと砂利などのゴミがつくことでより動きが悪くなったり、最悪の場合部品が破損することがあります。

4:異音に関するよくある質問

綺麗な路面を走っていてもコトコト・ガタガタなります。

ダンパー各部のネジ類が緩んでる可能性(規定トルクで締める)

段差を乗り越える時(ショックが縮む時)にコトコト・ガタガタなります。
  • スプリングが干渉している(スプリングの状態確認)
  • ピロアッパーマウントのピロボールが摩耗している(ピローボールのガタ確認)
  • ダンパー内部部品が摩耗している(要オーバーホール)
段差を乗り越える時(ショックが縮む時)にガンガン・ゴンゴンなります。
  • ダンパーの縮側のストロークが不足して底付き(プリロード調整orスプリング見直し)
  • アーム類が車体に干渉している(車高の見直し)
  • ダンパー内部部品が摩耗している(要オーバーホール)
段差を乗り越えた後(ショックが伸びる時)にガンガン・ゴンゴンなります。

ダンパーの伸び側のストロークが不足(スプリングの見直し)

ハンドル操作時にガリガリ・ゴリゴリなります。
  • ダンパーが車体などに干渉している(取り付けの確認)
  • スプリングとスプリングシート・アッパーシートの間に異物が混入(分解・清掃)
  • スラストベアリング・ピロアッパーマウントが劣化している(点検・必要であれば交換)

5:修理に関する質問集

どれぐらいでオーバーホールすれば良いのですか?

車高調を製造している各メーカーのアナウンスを見ると、街乗りだと走行距離3~4万km程度(年数だと2〜3年)、スポーツ走行をされる人だと1年位が目安のようです。その他の目安としては、オイル漏れ、異音、乗り心地が悪い、事故などで損傷を受けた場合などがオーバーホールまたは交換の目安です。

オーバーホールには何日かかりますか?

「発送・見積もり・作業・返送」までを考えると3〜4週間ほどかかると考えましょう。BLITZ(ブリッツ)では、従来のオーバーホールと同等の価格で即修理が行える、カートリッジ先出し対応オーバーホールというサービスがあります。

まとめ

状況に合わせた車高と減衰力の設定

車高調の寿命は、適切な取り扱いやメンテナンスが重要です。

適切な取り扱いとは、状況に合わせた車高と減衰力の設定、そしてメンテナンスには、一定の期間や走行距離が経過した場合に、車高調の機能を確認することが必要です。

もし車高調に問題が生じた場合は、オーバーホールや交換が必要になります。

交換作業は、専門業者に依頼することが推奨されます。

また、車高調を自己流で交換することは危険ですので、専門業者に相談することをお勧めします。

最後に、車高調の選び方や取り扱い方については、購入された各メーカーに相談することが大切です。

それによって、自分の車に最適な車高調を選ぶことができ、長期にわたって快適に運転することができます。

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