- 「カーディーラーに見積もりだけお願いするのは迷惑?」
- 「買うつもりじゃないのに来店するのは迷惑?」
- 「ディーラーで嫌われるような人ってどんな人?」
- 「ディーラーに飛び込みで行ったら嫌われる?」
このような
結論としては、「見積もりをお渡ししなければ車は売れないので問題はない」といった感じ。
ただ、綺麗なショールームを構えるディーラーには、老若男女問わず、数多くのユーザーが来店され、中には「冷やかし客」と呼ばれる人たちもいます。
中高生がディーラー行くのは構わんけど、「冷やかし」ばかりの客はどこの業界でも嫌われるよ。
— げろしゃぶ (@puasar_) September 17, 2020
タダでサービスを受けられる公共施設と区別つけてね
SNS上でも定期的に話題に上がりがちなテーマでもあるのですが、
とはいえ、「そんなつもりで来店してるわけじゃないのに嫌われるのはなぁ…」と思われる人も多いはず。
敷居が高く感じるディーラーですから、いろんな思いがあることでしょう。
長くディーラーでお世話になりたい人にとって、中の人間の気持ちって気になるかと思います。
たしかにSNS等ではディーラーマンの多くの愚痴アカウントが存在しているわけですが、彼らも全てのユーザーに対して言っているわけではないので、安心していただきたい。
なので、この記事ではわたしが代表するわけではないですが、経験談でまとめてみました。
もくじ
「お客様は神様」ではない。嫌われる客とは
ディーラーに来店・電話すれば、いうまでもなく車を販売する側よりもユーザーが優先です。
もちろん、新車を購入した利益が会社の設備投資、スタッフの給与に反映されるわけですし、会社としては感謝しかありません。
ユーザー側からしても、毎月の給与の何倍かそれ以上の高額商品を購入するだけに当然といえば当然ですよね。
とはいえ、この現代においては、「何をしても許される」わけではありませんよね。
「お客様は神様」の由来を知らず、意味を勘違いして、無茶な言い分を通そうとするクレーマーは今も大きな社会問題となっています。
と、分かってはいるものの「ついつい…」といった少しの行為が少しずつエスカレートしていき、最終的には「出禁」という結末にならざるを得なかった事例も実際に存在します。
ユーザーとディーラーとの付き合い方に明確なルールがあるわけでもなく、お互いが暗黙のルールに基づいてお互いが行動しているので、線引きは難しいです。
ただ、「嫌われてでもお得に買う」というのはその後のお付き合いにとってはマイナス面しかありません。ディーラーマンも人間ですから、良いお客さんには良いサービスをしたいですし、そういうユーザーを選びたいです。
ここからは、ディーラーから嫌われる客について解説します。
嫌われる客1:カタログ・ノベルティーコレクター
「来店してすぐ試乗したいorカタログ下さい」や「封筒のDMをすぐ見せる」というのはディーラーマンからすると「カタログ・ノベルティー目的だな」と思われがちです。
ノベルティー目的の場合の来場者は、管理ユーザー(あるいは見込み客)に限定されるので「来店してくれるだけでもありがたい」と好意的に受け止められることもあります。
ですが、あらゆるディーラーに出入りする「コレクター」は一目見たら分かりますし、同じ業界内なので情報も回ってきます。
集めたカタログ・ノベルティーをどうしたいのかは分かりませんが、転売目的でもらいに来る人も聞きます。
来場プレゼントをいいことに、各店舗を回る人もいます。
カタログも意外と原価が高く、1冊100円前後したりしますから、あからさまな行為は「ものもらい」として非常に嫌われます。
その分、貴重な労働時間も取られるわけですからね。
中学生や高校生にカタログをくださいと頼まれた場合「免許取ったらクルマ買ってね」とプレゼントするケースもありますので、店舗の考え方で左右するかも知れません。
嫌われる客2:YouTube・SNSアップ目的の試乗
YouTubeなどで、わざわざディーラーに出向いて気になる新型車のインプレッションをしにくる人がいます。
発表直後の新型車の試乗インプレッションは、興味のある人も多いので再生数も稼げるでしょう。
昔からディーラーでお世話になっており、ある程度の信頼関係できているユーザーであればまだしも、完全にそれ目的でくるような未管理ユーザーは、正直「出禁レベル」です。
人から借りた車を乗り回した挙げ句、チョイ乗りだけでそのクルマの善し悪しを判断されたらたまったものではありません。
しかも試乗車には、保険代、ガソリン代、走行距離が増えれば整備代…それなりに維持費がかかってます。
無料のアトラクションではありません。
より悪質なケースになると、公道で全開走行してしまうユーザーもいます。
はっきり言って迷惑でしょう。
本当に購入したいと思い、試乗を待たれている人がほとんどです。人の褌で相撲を取ったあげく、酷評するような情報発信はいかがなものかと。
嫌われる客3:過度な値引き・整備代の値引き
ネット上にある値引き情報を鵜呑みにして「○○万円くらい引けるよね?」と交渉を仕かけてくるユーザーがいます。
値引きに関しては車種にもよりますし、購入のきっかけになる武器ですから、線引きが難しいところ。
とはいえディーラーからすれば、「もちろん限度はありますが、可能な限り値引きは努力しますね」というのが模範解答であり、現実。
これらを、まだしっかりとコミュニケーションを取ってないユーザーからされると、セールスからしたらかなりやる気を削がれます。
すぐに値引き交渉をしてくるユーザーに対しては「いったんバックヤードに引っ込んで上司に交渉したフリをする」というテクニックでなんとか回避します。
あとは、オプションパーツ取り付けなどの「工賃」を値引くように強要してくるユーザーもいます。
メカニック(自動車整備士)にとって、工賃の値引きは「技術の安売り」です。
工賃で飯を食っている立場の人間を侮辱するような行為なので嫌がられます。
クルマは契約して終わりではありません。
納車してからが本当の付き合いのはじまりです。
新車値引きが渋くなってきているご時世ですから、過度な値引き交渉は自分の立場を苦しめるだけなので意味がありません。
嫌われる客4:オフ会!?喫茶店代わりにする
ほとんどのユーザーは何らかの目的(メンテナンス、ニューモデルの発表など)がなければディーラーに行く機会はありません。
しかし、ディーラーに行けばコーヒーやジュースなど、あらゆる種類の飲み物が無料であり、しかもおかわり自由、喫煙所とトイレも完備されていることをいいことに、喫茶店代わりにする人がいます。
エスカレートするとオフ会を開催して駐車場を占領する輩がいます。
ある程度の常識があって、ディーラーとの信頼関係が築けているユーザーは、セールスにとったら「コンタクトが増える良い機会」として捉えられるかもしれませんが、エスカレートすれば「ウチは喫茶店じゃないのに…」というのが本音です。
個人店のような「気軽に遊びに行ける雰囲気」というのも確かにアリなのかもしれませんが、いつも来店するだけで1度も購入したことがないユーザーはどうかと思います。
「いつでも来て下さいねー」というセールスの善意を無碍にするような行為は虚しさしか残りませんよね…。セールスも人間ですから、相手の気持ちを考えれば誰でも理解できる話です。
嫌われる客5:愛車の自慢話ばかり
自分の愛車の性能が優れていて、カッコ良くて、高級で・・・誰かに評価され、自慢したくなる気持ちは理解できます。
ただ、周りから「すごい」って思われたいアピールは一目で分かります。
ウザがられます。普通に。
ショールームで何時間もまったく関係のない話をされると無理もないですよね。
学歴や成果を自慢する人って、どれだけ自分が努力したかを他人に知ってもらい、また認められたいから自慢をするからですよね。
それと同じで、苦労して手に入れた愛車、苦労して取り付けたアフターパーツ、考えに考え仕上げた愛車だからこそ、「認められたい」「好意を持って欲しい」「自慢したい」という気持ちも全然わかるのですが、エスカレートするとただの迷惑になるので注意しましょう。
共感できるようなお話ならまだしも、会話の一方通行になると…。逆の立場を想像すれば誰でも理解できますよね。
「見積もりだけ欲しい」けど嫌われないテクニック
当然ですが、「見積もりを貰いにくるお客様」は、セールスにとっては最高の獲物です。
前半では「迷惑な客・冷やかし客」についてご紹介しましたが、基本的にはウェルカム。
とはいえ、敷居が高そうなディーラーは、少し気を使いますよね。
そんな人のために、ディーラーでスマートに見積もりだけ受け取れるテクニックをご紹介します。
1:土日・祝日は必ず予約してから
気になる新型車が発売されたら、実車を見るだけでなく、試乗して、詳細な価格も知りたいと思うのはクルマ好きであれば至極当然な欲求です。
スポーツモデルが発売し、試乗車が展開された最初の週末は、試乗目的のユーザーでショールームの席が空いていないこともしばしば。
なので、予約なし(飛び込み)で来店されると対応しきれない可能性が高いです。
ディーラー側からすると表上は「基本的には歓迎」というスタンスですが、土日祝日は既存の管理ユーザーが多く来店しますので、スマートな対応を望むのであれば必ず予約しましょう。
早めに予約しておけば、セールス側もしっかりとした準備ができますので、見積もり作成までがスムーズです。
メーカーサイトにある「見積もりシミュレーション」で、ある程度の内容を絞り込んでおくのもより効率的です。
2:セールスにマウントを取らない
ディーラーに行く人の中には、興味のあるクルマの知識や情報を事前に把握してから来店する人も多いはず。
ただ、「オマエよりオレの方が車に詳しいぜ」とマウントを取るような態度はやめましょうw
確かに、相見積もりで他ディーラーで得た知識や情報、経験値はかなりのものでしょうが、セールスからしたらそんなものはどうでも良いです。
目を向けるべきは、欲しい車の見積もりに関する情報だけ。
これ結構あるあるで、知識がついてくるとセールスに「ドヤッ!」と言わんばかりにマウント取っちゃいがちなんですよねぇ…。
3:何も説明せずに「見積もりだけ」はNG
来店してすぐに「見積もりが欲しい!」と言うと、経験の少ない営業マンは「良いお客様」だと思いがちですが、この手の客はほぼ「冷やかし」と思われます。
さらにクルマの説明も聞かずに、見積もり書をもらって早く帰りたがろうとすると「競合車種の値引き交渉に利用するためじゃないの?」と思われます。
両車を比較してより良い条件の方から買うという「良いお客様」なら、とことん価格を煮詰める交渉を望みますし、クルマの説明にも真剣に耳を傾けるはず。
整備と違って、新車の見積もり書はたしかに「無料」なのがほとんどですし、新車が早く欲しいがために焦る気持ちも理解できますが、常識のある行動は忘れないでいただきたい。
見積もり書を作成してはくれますが、冷やかし認定されると値引きは提示されないかもしれませんよ…。
4:アンケートなどには答える
見積もり書を受け取りにきたユーザーに対して、セールスの最大のミッションは、「名前・住所・連絡先」をゲットすることです。
これが聞けないと、その後のアポが取れないわけですから、ただの時間の無駄になってしまうかもしれませんので。
アンケートに記入し、ユーザーの情報がわかれば今後の営業活動に活かせれるので必ずこれらは聞かれます。
今後商談する予定があるのであれば、教えておきましょう。
自分の情報は頑なに隠しておいて、「詳細な見積もり書は欲しい」というような行動は、あまり良い印象を持たれませんので。
「見積もりだけの冷やかし客」にならないためにも、セールスにも主導権は与えましょう。
【番外編】冷やかし=客を育てる!?
「売上の8割はたったの2割のお客様から生まれる」という言葉をご存知でしょうか。
俗に言う「パレートの法則」と呼ばれるもので、イタリアの経済学者であるヴィルフレド・パレートが提唱した法則です。
ディーラーに置き換えると、応対したユーザーの8割が何らかの理由で購入に否定的で、積極的に購入しようとする「良いお客様」は2割に過ぎないということです。
サービス業で働いている人は、実際にこうした経験をした人も多いのではないでしょうか?
当然すべてがこの法則にあてはまるわけではありませんが、こうした事例は非常に多いです。
この2割のユーザーに重点を絞り、セールスを展開するのが良いとされており、ディーラーのトップセールスもそれを口実にします。
実際の自動車販売においては、2割も「良いお客様」はいません。
重要なのは、残りの8割を「良い客」に「育てる」ことが重要。
トップセールス、いわゆる優秀な営業マンほど「冷やかしを大事にする」と聞いたことがあります。
なので、「ディーラーに見積もり書だけ貰いに行くのは迷惑なんじゃないかなぁ…」と思わず、常識のある行動さえ取っておけば、全然問題ないと筆者は思ってます。
ディーラーの飛び込み客は嫌われるのか
皆さんは欲しいものを買いに行くときどうしますか?
例えば、家電を買いに行くのにわざわざ家電量販店に連絡をしませんよね。
ほとんどの人がアポなしの飛び込み客です。
車も同じで新車の試乗や見積もり・カタログが欲しい場合はアポなしでも問題ないです。
しかし時間がかかる場合もあるので、時間に余裕は持ちましょう。
しかし整備予約に関しては、必ず予約するようにして下さい。
理由としては予約のお客さんの作業スケジュールがあるので、飛び込みの修理があると整備士の数も限られているため、予定のスケジュールを調整しながら作業しなければなりません。
飛び込みで行っても良いですが、断られる前提で行くべきです。
また、当日に追加整備を要望するのも、内容次第では断られます。
美容院にカット予約した当日に、カラーやパーマもお願いするような感じです。
当然断られるケースがほとんどではないでしょうか。
整備する側にも予定がありますので、予約の段階で依頼しましょう。
【まとめ】基本的にはウェルカムです
今回のお話は「ディーラーに見積もりだけお願いするのは迷惑なのでしょうか…」と思っている人への助言として、筆者なりのアドバイス・助言をご紹介させていただきました。
ここで簡単にまとめると、
これらのことをしっかり理解した上で来店すれば、基本的にはウェルカムです。
というか、常識的なことばかりですよね。
なんでわざわざこんなことを言わなければならないのかと思うほどなのですが、ディーラーは窓口が広い分、要望がエスカレートしてしまっている人たちをよく目にします。
それが原因で辞めていくスタッフもいたりします。
ちなみに、ディーラーに嫌われても良いことなんて1mmもありません。
逆に好かれれば、思わぬ値引きやお得な情報が得られたりと良いことが多いです。
ディーラーは御用聞きでもなんでもありません。
セールスも1人の人間ですから、乱暴な行動を取れば嫌われること間違いなし。
相手の気持ちを考えて、大人な対応を。
セールスも1人の人間として紳士にお付き合いしましょう。
今回は以上になります。