このようなご要望にお答えします。
最近の現役メカニックたちは、エア工具から電動工具にシフトしてきています。
とくに、充電式の電動工具は、各メーカーからラインナップが増えてきており、作業の効率化が重視される現場のメカニックたちの強い味方になっています。
充電式の電動工具は、作業前には充電しておく時間が必要であったり、バッテリ容量を気にしながらの作業となってしまったりと、充電がなくなれば作業を中断せざるおえない状況になってしまうデメリットがありますが、コンセントがない場所や屋外のどこでも作業が可能で、エア工具のように場所の制限がありません。
「取り回し」と「機動性」の高さがポイントです。
現場のメカニックたちの多くが使う電動工具といえば、インパクトレンチが代表格ですが、次に人気なのが「電動ラチェット」。
ボルト・ナットを回す工具は色々ありますが、早回しをするときには「ラチェットハンドル」を、そこからスピードアップを図ると「エアーラチェット」が視野に入ってくるかと思いますが、電動ラチェットも視野に入れてみませんか?
電動ラチェットは、他のラチェットに比べて高価ですが、使いだすともうエアーラチェットには戻れなくなりますよ。
最近じわじわと人気が上がってきている電動工具から、この記事ではスナップオンの電動ラチェット【CTRJ761】のご紹介とレビューを書きます。
【CTRJ761】は、過去に書いた「スナップオン|電動インパクト【CTJ761】のレビュー」でご紹介したバッテリーと共有することができます。
そして、ボルト・ナットの早回しを電動化することは、単純作業の効率化が図れますので、作業をラクに早く終わらせたい人にはとてもオススメな工具となっています。
ちなみに、わたしは【CTRJ761】を使わない日はありません。
最初は慣れが必要ですが、使いこなすと圧倒的な作業スピードを発揮できます。
スナップオン|電動ラチェット【CTRJ761】のレビュー
もくじ
スナップオン|電動ラチェット【CTRJ761】のレビュー
商品名 | CTJ761 |
セット内容 | ・電動ラチェット本体 ・バッテリー×2 ・充電器 |
バッテリー電圧 | 14.4V |
差込角 | 3/8SQ(9.5mm) |
スペック | ・最大手動トルク:210Nm ・フリースピード:275rpm |
最大トルク | 54Nm |
重さ | 約1,1kg(本体+バッテリー) |
このセットの価格は、バンセールスによって価格が変動するかと思いますが、55000円〜65000円ぐらいで購入が可能です。【CTJ761】とほぼ同じ価格ですね。
ちなみに、他メーカーの電動ラチェットより高価ですが、スペックに関しては全て高水準となっており、毎日ガンガン使っていきたい人にはオススメです。
詳しいサイズ感や重量に関しては、わたしのツイッターのお知り合いであるウミガメ@工具ブロガーのブログ「ウミガメの車と工具の日記」で紹介されていますので、ぜひ覗いてみて下さいね。
【CTRJ761】のデメリット
いきなりデメリットのご紹介からいきます。
- サイズが重い
- デカい
- 慣れが必要
こんな感じ。
順番に解説していきます。
重い
約1,1kg(本体+バッテリー)あるので、コンパクトなエアーラチェットに比べると、少し不利になる場面も。
工具の重さは、「狭い箇所での作業」「下回りでの作業」に影響が出てきてしまいます。
とくに、腕をあげた状態では、何度もボルトナットの脱着をしていると腕が疲れてきます。
要はクルマの下回りでの作業ですね。
非力な女性メカニックの人にこの重さはキツいと思います。
そこまでトルクは要らないので、もう少し軽い電動ラチェットが欲しい。
こういった人には、KTCの電動ラチェット【JTRE310】が最適です。
重さは、750g(本体+バッテリー)とバッテリー内蔵式(取外し可能)で同クラス最小、最軽量。
最大トルクは、34Nmと申し分ない性能で、アンダーカバーのボルト着脱ぐらいであれば、ストレスなく使うことができると思います。
デカい
各メーカーの電動ラチェットすべてに言えることですが、デカいです。
通常のスパナほどの大きさがありますね。
なので、今までエアーラチェットで届いていた作業箇所にアクセスしづらかったりする場面が出てくるかと思います。
わたしの場合は、仕事で水平対抗エンジンを整備することが多いのですが、エンジンの下側を上から工具でアクセスする時にやりずらさを感じる場面があったりします。
あとは、工具箱に収まりきらなかったり、キャディの天板の上で、置き場所に困ることもしばしば。
長さがある分、縦置きするとバランスが悪いですし、横に置くと邪魔になりやすいのがデメリット。
メカニックにとって工具の整理整頓は死活問題です。
わたしも実際にこれには困っていたのですが、お助けアイテムがあります。
毎週月曜日はみんな大好き
— しー@スバル×車ブログ (@c_mecha_log) March 29, 2021
スナスナバンセールスの日🔧
今週はバッテリーカバー。
強力なマグネット付きなので、
天板に縦置きできる〜。 pic.twitter.com/PzHMepweoT
14.4Vバッテリー専用のバッテリーカバーです。
マグネットが中に内蔵されいるので、縦置きが可能になります。
一般の人は、手に入りずらいアイテムなので、どうしても購入されたい人はわたし宛にDM下さい。
慣れが必要
初めて使う人は、「高トルクでの反動」と「繊細な箇所での使い分け」には注意が必要です。
エアーラチェット同じで、ボルトナットの締め終わりに反動があり、逆方向に本体が動きます。
本体の長さがあるので、締め終わりに力を入れていれば抑える事もできますが、ふとした瞬間、油断した時に大きな反動がきます。
その反動で指を挟んだりする事もあるので注意が必要。
【CTRJ761】の場合は、その高性能、高トルクが故に反動が大きかったりします。
あとは、作業箇所によってハンドツールと使い分けることも重要です。
とくに小さなボルトナットを締め付ける場合などは、何も考えずにスイッチを押して締めていくと、高トルクの【CTRJ761】がどんどんボルトナットを破壊してしまうことが十分考えられます。
どれぐらいスイッチに力を入れれば、どれぐらいのトルクがかかるのか分からないうちは、ハンドツールとしっかり使い分けましょう。
【CTRJ761】のメリット
次に【CTRJ761】のメリットをまとめました。
- 場所を選ばない
- 「スピード」と「トルク」
- バッテリーの兼用
こんな感じです。
順番に解説します。
場所を選ばない
充電式の電動工具の最大のメリットは、場所を選ばないことです。
エアー設備、コンセントの必要がない電動ラチェットは、出張整備やプライベートでの整備などにも手軽に使用することができます。
ちなみに、LEDライトも搭載されているので、足回りなどの暗くて見えづらい箇所や、夜間での屋外整備でも十分に使用可能。
普段の業務でも、エアーホースが必要ないので、すぐに整備を始めることができます。
もちろん、ホースが絡まったり、ホースが届かなかったり、お客様のクルマにホースが当たってしまうリスクも減りますので、取り回しもラクです。
「エアホースがついてないだけじゃん」と思われることかと思いますが、あるとないのとでは全然違いますよ。
「スピード」と「トルク」
【CTRJ761】の性能スペックは業界No.1と言っても良いでしょう。
自動車整備関連の電動ラチェットの人気機種と比較してみます。
最大トルク | フリースピード | |
KTC 【JTRE310】 | 34Nm | 190rpm |
SPエア 【SP-81613】 | 39Nm | 260Nm |
アストロ 【2005000007996】 | 40Nm | 210Nm |
スナップオン 【CTRJ761】 | 54Nm | 275rpm |
トルクの強さとスピードの早さは、作業の効率化にかなり関わってくるポイント。
サイズ感や重さは抜きにして、電動ラチェットとしての本来の性能は、スナップオン【CTRJ761】に軍配が上がります。
バッテリーの兼用
最近の各工具メーカーでは、バッテリーを兼用できるモデルが増えてきています。
もちろんスナップオンもそうです。
スナップオンの14.4Vシリーズには、ドリルやインパクトレンチとバッテリーを兼用することができるので非常に便利です。
スナップオンの14.4Vバッテリーをお持ちの人で、電動ラチェットを検討中の人は、迷わずこれですね。
バッテリーがあれば、本体だけ購入すれば良いので、費用も抑えられます。
【CTRJ761】の使いどころ
最後にわたしが普段どのような場面で使っているかご紹介しますね。
エンジン周り
11時来店からの〜約1時間ぐらいで降りるエンジンって最高やん?(NAに限る) pic.twitter.com/A0nD9LeDfR
— しー@スバル×車ブログ (@c_mecha_log) March 4, 2021
電動ラチェットが本領を発揮するのは、エンジン周りだと思ってます。
スナップオンの電動インパクト【CTJ761】もある程度コンパクトで取り回しも良く、パワーがあるので使いやすいです。
ですが、水平対向エンジンは横幅があるので、どうしてもエンジン周りのスペースが狭くなりがち。
こういった狭い箇所での早回しには、電動ラチェットが大活躍です。
それと、エンジン脱着などの重整備では、ハンドツールの場合だと何度も工具を振り続けなければならないので疲れます。
工具に投資する最大の理由は、「いかにラクして作業を終わらせるか」のためだと思ってます。
電動ラチェットであれば体への負担も減りますし、作業も捗ります。
繊細な箇所でも対応
ここ最近はFBと戯れる毎日🛠 pic.twitter.com/mZKRJqPcTm
— しー@スバル×車ブログ (@c_mecha_log) March 8, 2021
強いトルクで締めてあったり、繊細な部品が多いエンジン内部でも、慣れてくればラクに作業が可能になります。
強く締められているボルトナットでも、手動トルクが210Nmまで対応なので、一発目をいちいちハンドツールに持ち替えなくても電動ラチェットだけで作業も可能。
締め付け時は、使い方次第で高トルクになってしまう可能性があるので注意ですが、回転数を手元のスイッチで無段階に調整できます。
繊細なところは低回転で使うなど、適材適所で操作していきましょう。
慣れてくるとしっかり使い分けられるようになってきます。
屋外での整備
電動工具は場所を選びません。
とくに屋外整備ではとても重宝しています。
整備工場のピットがいっぱいで、どうしても屋外で作業をしなければいけない時に大活躍。
クルマの下側に潜り込んでの作業では、ハンドツールだとかなり疲れますよね。電動ラチェットだとラクですよ〜。
エアーホースやコンセントの必要性がないので、どこでも使えちゃいます。
万が一の充電切れを心配される人は、バッテリーは最低でも2個は持っておきましょう。
スナップオンの電動ラチェット【CTRJ761】の使用感について知りたい。