当記事では、過去に筆者が愛用していたエンジンオイルをご紹介します。
スバル車乗りの人で「純正品以外でエンジンオイルを試してみたい!」という人にはぜひ参考にしてみて下さい。
もくじ
1:スバル車におすすめのエンジンオイル
おすすめ1:ゼロスポーツ エステライズES(0W-20)
エステライズESは、スバル車のアフターパーツブランドで有名な「ゼロスポーツ」が手掛ける、粘弾性100%化学合成油をベースとしたエンジンオイル。
エステライズシリーズの特徴としては、「ホワイトエステル」と「有機モリブデン」「アルキルナフタレン」の3つの成分を適正配合しています。
「ホワイトエステル」は、金属表面を保護することで摩擦抵抗を減らす非極性基と、エンジン内部において金属とオイルの間に入りクッションの役目を果たす極性基からなる成分であり、その特性が最大限発揮できるよう均一にブレンド。
「有機モリブデン」は、油中のモリブデン化合物と硫黄化合物が化学反応し、接触面において被膜を形成する摩擦低減効果が高い摩擦調整剤となっています。
また溶解性能が高い「アルキルナフタレン」は、添加剤効果を最高レベルまで引き上げる効果があります。
ベースオイル | 化学合成油 |
粘度 | 0W-20 |
品質規格 | API:SP |
容量 | 1L |
適合 | 0W-16指定オイル車 0W-20指定オイル車 |
Amazon販売価格 (2024年2月時点) | ¥2,648 |
おすすめ2:ゼロスポーツ エステライズTS(5W-40)
エステライズTSは、粘弾性ベースオイルによる金属表面の保護効果と、2つの「ホワイトエステル」「有機モリブデン」による相乗効果により、高温時においても十分な潤滑性と摩擦軽減を確保しています。
低回転でも高負荷がかかるダウンサイジングターボ車(DITなど)の直噴エンジンでは、ちょっと峠でがんばって走ったりすると、純正油温計で120℃越えなんて結構ありますよね。
とはいえ粘度を上げると、フィールダウンどころか、かえって油温上昇と本末転倒となるのが、低粘度推奨エンジンの面倒なところ。
エステライズTSでは、DIT専用オイルとすることで、粘度に頼らない高耐久性とフィールを達成することが出来た、ゼロスポーツ渾身の一品です。
ベースオイル | 化学合成油 |
粘度 | 5W-40 |
品質規格 | API:SP |
容量 | 1L |
適合 | 5W-30指定オイル車 |
Amazon販売価格 (2024年2月時点) | ¥2,680 |
おすすめ3:モービル1(0W-40)←現在愛用のオイル
モービル1(0W-40)は、最新ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジン向けに設計された高性能合成エンジンオイルで、最大20,000kmまでのオイル交換周期を実現しています。
モービル1は、現在わたしの愛車フォレスター(SK9-A型)で使用しているオイルで、良いところは速暖性だと感じています。
冬場でもエンジンの暖まりが早く、圧縮がしっかり出る(ピストンリングが膨張する)までの時間が短い。
個人的に、街乗りであれば低粘度でフリクションを減らすよりも、いかに早くエンジンを最適な作動温度に入れてやるかの方が重要だと思ってます。
なぜなら、エンジンの温度が上がるまでは燃料を多量に噴射しなければなりませんし、その無駄な燃料はオイルに混入し、蒸発する際にはオイルミストを含んでエンジン各部を加速度的に汚していきます。
またSK9の場合は、冷間時でのIモードの挙動がギクシャクするので、速暖性の高さは重要だと思ってます。
ただ、残念ながらこれ以外の目立つ特徴はありません。
高回転域の軽快さなど求めている人には、わざわざこのオイルを選ぶ必要はないかなと。
とはいえ、あまり回転の上がらないCVT車でも速暖性が高ければエンジンも長持ちするでしょうし、常用回転域が低いCVTと、オイルの美味しいところがマッチしている良いオイルだと感じています。
ベースオイル | 化学合成油 |
粘度 | 0W-40 |
品質規格 | API:SN |
容量 | 1L |
適合 | 0W-20指定オイル車 5W-30指定オイル車 |
Amazon販売価格 (2024年2月時点) | ¥1,725 |
おすすめ4:ペトロナス SYNTIUM RACER(10W-60)
ペトロナスオイル(SYNTIUM RACER)は、広範囲に渡る実戦テストと潤滑技術開発に多大な時間と費用を掛けて開発された本格派レーシングオイルです。
PETRONAS独自の潤滑油技術であるCoolTech™(熱最適化技術)を用いて開発され、市街地でのストップ&ゴーや高速道路での急加速など、現代の様々な運転環境に対応しています。
過去にインプレッサスポーツワゴン(GGA-F型)で使用していたオイルです。粘度の硬いオイルですが、暖気はそこまで必要なく使用できました。
もともとは純正オイル派でしたが、会社の同僚に勧められて入れてみました。
純正オイルと大幅に特性が異なると感じたのは以下の通りです。
- 高回転域でブースト圧のアップ?(突発的な感じ)
- 高回転域までの伸びが軽快
- 低速トルクの向上
ブースト圧は、ブーストメーターを付けていたので数値で確認できましたが、低速トルクは感覚的なものなので参考までに。
ベースオイル | 化学合成油 |
粘度 | 10W-60 |
品質規格 | API:SP |
容量 | 1L |
適合 | 5W-30指定オイル車 |
Amazon販売価格 (2024年2月時点) | ¥3,500 |
おすすめ5:モチュール 300V COMPETITION(15W-50)
モチュール 300V COMPETITION(15W-50)は、MOTUL 300V シリーズの中で過酷な条件下にいても高い油膜保持性能と油圧維持能力のあるレーシングスペックエンジンオイルです。
氷点下では相当硬くなるので、気温が0℃を下回る環境では使用しない方がよいです。
ただある程度温まると、EJ20ターボであれば2000〜3000回転からエンジンが軽くなる感じです。
特にWRX STIのオーナーさんにはおすすめしたいですね。
WRX STIは、ターボ車のなかでも特に発熱量が多く、オイルが高温に晒されますので、高油温時の油膜形成性能にはこだわりたいところ。
同時に、水平対向エンジン独特である始動時のシリンダーとピストンのクリアランスによるエンジン振動とこれによる摩耗の抑制も気を遣いたいので、ある程度低温時における粘度が高いオイルを選ぶのは最適かと思います(私見です)。
ベースオイル | 化学合成油 |
粘度 | 15W-50 |
品質規格 | API:SP |
容量 | 2L |
適合 | 5W-30指定オイル車 |
Amazon販売価格 (2024年2月時点) | ¥6,000 |
2:スバル車のエンジンオイルの選び方
今後エンジンオイルにこだわりたい人は、以下の5点を覚えておきましょう。
選び方1:適正粘度の確認
エンジンオイルは、車種によって適正粘度が定められています。
これはメーカーの取扱説明書で確認できます。
まずはここが基本の粘度になります。
さて、エンジンオイルの粘度は「5W-30」のように表記されています。
これをSAE規格粘度と言います。
SAE規格は、アメリカのSAE INTERNATIONALという団体が定める規格であり、自動車用エンジンオイルの規格粘度としては、広く世界中で使われています。
まずは簡単に、SAE規格粘度の見方を「5W-30」を例に説明します。
5W (Wは「Winter Grade」の略) | ・冷間時(エンジンスタート時)の粘度数値 ・この数値が低い方が始動性は良い |
30 | ・エンジンが温まった状態のエンジンオイル粘度 ・数値が高い方が粘度の高い粘り気のあるオイル ・低い方が粘度の低いサラサラとしたオイル |
つまり、この2つの数値の組み合わせで、エンジンオイルの基本的な粘度(硬さ)がイメージできるようになっているのです。
選び方2:ベースオイルの確認
基本的には、潤滑性能が高く劣化しにくい化学合成油がおすすめです。
エンジンオイルは大まかに言うと、その成分の約80%を構成する「ベースオイル」と、残りの約20%を構成する「添加剤」をブレンドしたものになります。
つまりベースオイルで性能差がかなり出てきます。
ベースオイルは大きく分けると下記の3種類です。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
鉱物油 | ・コスパが良い ・旧車には向いている(グループ2) | ・耐熱性能や酸化に弱く劣化が早い ・高温を持続すると、油膜が切れやすい ・劣化しやすい |
化学合成油 | ・耐熱性・耐久性に優れている ・冷間時の始動性に優れている ・オイルの流動性が高い ・劣化しにくい | ・コストが高い ・旧車には向かない |
部分合成油 | ・コストと性能のバランスが良い ・化学合成油で補い、鉱物油の弱点を抑えている | ・化学合成油より耐熱性・酸化に弱い ・化学合成油より劣化しやすい |
化学合成油は、高性能・高品質のため高額で、使用する人を選ぶエンジンオイルであることは間違いありません。
しかし化学合成油は、原油を化学分解し、成分を整えた人工的なエンジンオイル。
耐熱性・耐久性に優れているため劣化しにくく、冷間時の始動性にも優れていることから、近代のエンジンにはほぼメリットしかありません。
選び方3:グレード・規格で選ぶ
最新車種は、新グレードのエンジンオイルを選びましょう。
「グレード」はオイルの品質、性能を表す規格。
API規格とILSAC規格、ディーゼルエンジンのJASO規格が一般的です。
現在、ガソリンエンジン用には最新のグレード「SP」が流通し、こちらは省燃費性だけでなく耐摩耗性や洗浄性などあらゆる性能が向上しています。
以下はグレード表になります。
API | 特徴 |
---|---|
SA | 運転条件がゆるやかなエンジンに使用可で、添加物を含んでいないオイル)。 |
SB | 最低レベルの添加物を配合したオイルで、かじり防止・酸化安定性の機能が改善。 |
SC | 1964~67年型のガソリン車に満足して使用できる品質を持ち、デポジット防止性・磨耗防止性・サビ止め性腐食防止性が備わっている。 |
SD | 1968~71年型のガソリン車に満足して使用できる品質を持ち、SCより高い品質レベルを備えている。 |
SE | 1972~79年型のガソリン車に満足して使用できる品質を持ち、SDより高い品質レベルを備えている。 |
SF | 1980年型以降の車に適応。酸化、高温デポジット(堆積物)、低温デポジット、サビ、腐食に対する優れた防止性能を発揮。 |
SG | 1989年型以降の車に適応。SFの性能に加え、動弁系の耐摩耗性と酸化安定性が要求され、エンジン本体の長寿命化を果たす性能がある。 |
SH | 1993年型以降の車に対応。SGの性能に加え、スラッジ防止性、高温洗浄性に優れる。 |
SJ | 1996年型以降の車に適応。SHの性能を向上。さらに蒸発性、せん断安定性に優れる。 |
SL | 2001年度制定。SJに比べ、省燃費性の向上(CO2の削減)・排出ガスの浄化(CO、HC、NOxの排出削減)・オイル劣化防止性能の向上(廃油の削減・自然保護)。 |
SM | 2004年制定。SLに比べ、浄化性能・耐久性能・耐熱性・耐磨耗性に優れている。 |
SN | 2010年制定。SMに比べて、省燃費性能の持続性のさらなる向上や触媒保護性能を強化。 |
SP | 2020年制定。SNに比べて、省燃費性能や耐エンジンスラッジ、清浄性等を強化。 |
選び方4:年式や走行距離で選ぶ
走行距離が既に10万Km以上の場合は、粘度を少し上げることも検討してみましょう。
新車充填時のエンジンオイル粘度が「5W-30」であっても、10年10万Km程度を走行していると、エンジン内部のクリアランス(可動部分の隙間の大きさ)が金属摩耗によって大きくなっている場合があります。
そのため、エンジンオイル5つの役割(密封・潤滑・冷却・洗浄・防錆)の1つである「燃焼室の密封」がありますが、クリアランスが拡大したエンジンに対して、新車時のエンジンオイルでは粘度不足になり、気密保持性能が低下している場合が考えられます。
そういった場合は、エンジンオイルの粘度を1つ上げる(硬くする)ことで、燃焼室の気密保持性能を確保でき、愛車がまた元気に走れるようになります。
個人的には、「エンジン音 ・燃費」などに違いを感じられる場合に、エンジンオイルを試しに変えてみるのがおすすめです。
選び方5:乗り方・使い方で選ぶ
自分がどういった運転をしているか(したいのか)を客観的に考えて見ることのも大切です。
同じ年式の同じ車種でも乗り方や使い方はさまざま。
- 1日の最初のエンジン始動でアイドリングをしっかり行う人
- アイドリングなしで早朝の通勤で5Kmくらい乗る人
- 毎日高速道路で100Kmの連続走行をする人
同じエンジンオイルでも、乗り方次第で粘度を変えてみるのも効果的です。
つまり、アイドリングをしない人は、始動性が高い「0W」や「5W」の粘度選択になりますし、しっかりアイドリングを行える方は、「10W-」や「15W-」の選択でも良いという考え方です。
また、燃費を重視した街乗りであるならば、高温側の粘度を「-20」や「-30」にするのがお勧めで、軟らかいオイルはオイル自体の粘性による抵抗も少なく、エンジンパワーのロスが少ないからです。
一方で、スポーツ走行の人は、燃費よりもエンジンの油膜保護性能や冷却性能、密封性能を優先させて「10W-40」や「10W-60」のような硬いオイルがおすすめになります。
サーキット走行を行う車両は、チューニングによって馬力アップやトルクアップしている場合も多く、エンジンオイルの粘度による抵抗の影響を受けにくいと言えます。
レ・プレイアード・ゼロから試してみるのもあり
まずはエンジンオイルによるフィーリングの違いを試したいなら、スバルディーラーで取り扱う「レ・プレイアード・ゼロ」から試してみるのもありです。
スバリスト界隈でも「レ・プレイアード・ゼロを使用しておけば問題がない」というほど万能な性能を誇っています。
特徴は、低温時の流動性と高温時のエンジン保護性能に優れています。
とくに以下のような人にはおすすめです。
- 山道走行の多い
- 渋滞した道路を走ることが多い
- チョイ乗りが多い
- 寒冷地にお住まいの(特に冬)
- 軽快なフィーリングを重視する
もともとは、ヨーロッパを基点に世界的な広がりを見せている過給ダウンサイジングエンジンの普及と歩調を合わせるように開発したオイルとのことですが、当然それだけではありません。
225時間連続運転をはじめとする厳しい耐久試験をクリアし、スバルのお墨付きを得ているプレミアムオイルです。
全国のスバルディーラーで取り扱いがあるので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
ペール缶での購入は以下です。
エステライズESは、粘度グレードを「0W-20」としたことで粘性抵抗が低くなるため、エンジンの熱を素早く吸収し、冷却水に伝える放熱性に優れています。