
- スバルってどんなメーカーなの?
- スバルってどんな特徴があるの?
- スバル好きってなんでコアなファンが多いの?
こういった疑問にお答えします。
トヨタなど大手メーカーとは一線を画すクルマ作りで多くのファンがいる国産自動車メーカー「スバル」。
スバルといえば、独自の4WDシステムや水平対向エンジンといった技術の「柱」があります。
国産メーカー独自の「魅力」や「味」が定評で、昔から”スバリスト”と呼ばれる熱狂的なファンを惹きつけています。
では、具体的にはどんな「魅力」や「味」があるのでしょうか?

そこでスバリスト歴12年目の私が、もっと多くの人にスバルが好きになれるような記事を書きました。
スバル好きになれる記事【スバリスト歴12年目が書く】
もくじ
スバルのクルマが車好きに好まれる理由

さっそく結論ですが、なぜ他社に比べて熱狂的なファンを長年惹きつけているかというと他社には無い走行性能や安全性があるからです。
多くの最新車種が発表される近頃の自動車市場で他のメーカーとは違う特色出していくのは当然ですが、その中でもスバルは独自の路線で昔から車作りを行っています。
スバルの場合は、使い勝手や室内空間、燃費が求められる大衆車であっても、デザインは非常に武骨で、燃費性能もそれほど良いわけではありません。
ですが、どこか他社とは違う部分がありユーザーの遊び心をくすぐります。そんなスバルのクルマが好きな熱狂的なファンを”スバリストと”呼んでいます。
彼らは今日も自分の愛車を愛して止みません。
”スバリスト”になりたいあなたへ
スバルの車を好きになりたい人に知って頂きたい知識があります。
- スバル=紳士の乗り物
- スバリストの連帯感
- スバルはスバリストを大事にしている
こんな感じ。
順番に解説します。
スバル=紳士の乗り物

スバリストという言葉が初めて使用されたのは、1975年に発行された「カートピア31号」というスバル愛好家向けの雑誌でした。
その中で、後閑暢夫さん(東京農業大学助教授)が「スバルは紳士の乗り物」という投稿をしたのがスバリストの始まりです。
その投稿の中で、ご自身がスバルユーザーだった後閑さんは、スバル乗りはクルマに対する高い見識をもち、紳士的なドライバーが多いというお考えをお持ちで、カートピア誌面でも「スバルのハンドルを握る時、常にこのクルマをして道路のエリートとして他車に対して誇らかにきわだたせたい」という思いを語っていました。
それまでスバル好きは「スバルファン」や「スバル党」といった呼び方をされていましたが、この投稿に対してスバルファンから共感する意見が多数寄せられます。
英語で『〇〇〇な人』を表現する「ist」と「スバル」が合わさりスバリストとなり、世間にスバリストが広がっていきました。
後閑さんが言ったように、私の中でスバリストは、運転技術の向上やメカニカルな要素だけではなく車に対する深い知識を持って、クルマ社会全体に関心を持てるような人であって欲しいのです。

たとえスバル以外の車に乗っている人や、そもそも車に乗っていない人でもスバルが好きで好きで仕方がないようなファンはスバリストと言っていいです。
スバリストは誰かに言われるものではなくて、自分でアピールするものです。
スバリストの連帯感
となりにWRブルーのVMGレヴォーグSTiがスバルの法則してきた!😂 pic.twitter.com/ywKNrysULY
— WRソニックブルーマイカ555 (@555_wr) January 1, 2021
ちょいとドライブ😚✨
— TAKU (@taku_wrxs4) August 13, 2020
スバルの法則🤭 pic.twitter.com/fp73tmId3J
スバル車を所有するユーザー同士は仲間意識がなぜか強いです。
駐車場に愛車を停める際、他のスバル車が停まっていたらその隣に愛車を停めて並べてしまうんです。
いつの間にか駐車場の一角がスバル車だらけになり、自然発生的にオフ会状態となる現象が起こったりします。
一部では「スバルの法則」とも呼ばれています。
こうした無意識の中に生まれる連帯感は、他のメーカーのファンにもあり得る話かとは思いますが、私がこれまで体感してきた中では圧倒的にスバル車が多いです。
独特のメーカーだからこそ芽生えた仲間意識が「スバルの法則」をもたらしています。

昔インプレッサ(GC)に乗っていたときはよくありました。
たまにコンビニで車好きに絡まれることも少なくなかったです。
そもそも主力車種がレオーネだった頃のスバルユーザーはマイノリティ意識が強かったそうです。
道路ですれ違っただけで互いに会釈をすることが多かったようで、その不遇期から芽生えた連帯意識が「スバルの法則」をもたらしたもの。
バイク好きの人ならこの空気感分かってもらえるかな?
ツーリングのときにライダーだったら誰とでも仲良くなれちゃう感じというか…。
スバルはスバリストを大事にしている

スバルには多くの限定車があります。
その中でもSTIのコンプリートカーであるS208(限定450台)ですが、710万円と高額でありましたが、全世界で1900台の注文があり、申し込み受け付けはすぐに終了。
後継機種のS209が北米のみ限定発売で発表されましたが、すぐに予約が埋まった様です。
こういった限定車ってスバルの場合だと毎回即完売になってしまいます。
特に印象深かったのが、2011年7月に軽商用車「サンバー」シリーズに発売50周年を記念した特別仕様車「WR BLUE LIMITED」です。
トラック、バンを合わせて1000台の限定販売となりましたが、応募が殺到して話題になりました。
こういったことをやってくれるスバルが私は好きですし、今でもスバルはスバリストを楽しませ続けています。

こんなメーカーって他にありますか?
スバル車の「魅力」とは
スバル車の「魅力」は大きく分けて以下の通りです。
- 感覚的な性能が高い
- ハンドリングの反応に特徴がある
- スバルのDNA「視界の良さ」
こんな感じ。
順番に解説します。
感覚的な性能が高い

スバル車の特徴として、「水平対向エンジン」と「独自の4WD」、そして「アイサイト」が挙げられます。
この相乗効果で、スバル車は全般的に走行安定性と乗り心地が優れていますが、カタログスペック上では他のメーカーと比べて大幅な違いがあるワケではありません。
スバル車の最大のメリットは、感覚的な面まで含めて、さまざまな機能をバランスよく高めていることです。

昔初めてクルマを買うときに、エンジンや足回りの方式についてかなり調べたのを覚えています。
多くのディーラーで試乗したり、友達のクルマに乗せてもらったりもしました。
スバル車の場合、スペック上は他のメーカーと比べても「ふーん」って感じでしたが、乗ってみるとその扱いやすさにかなり惹かれましたね。
スバル車はドライバーの運転の「感覚」をとても大事にしているメーカーなんです。
ハンドリングの反応に特徴がある

ドライバーのハンドリングに対して忠実に曲がりますが、ダイレクト感や機敏に動くイメージはあまり強くないです。
特にインプレッサスポーツやフォレスターは、ハンドルを回し始めた時の反応はあえて穏やかにセッティングしています。
スバルといえばスポーティなハンドリングの印象が強いかもしれませんが、非常に馴染みやすいハンドリング性能を持っています。
欧州車のBMWやアウディ、VWに近く、幅広いユーザーが使いやすいようにセッティングされているのが特徴です。

特に雪道でのハンドリング性能には絶大なる安心感があります。
インプレッサからフォレスター、レガシィ、そしてWRXまで、スバル車(4WD)は弱アンダーステアにセッティングされており、ドリフトする場合でも内側にややハンドルを切りながらドリフトを持続させることができます。
つまり、滑りやすい路面でも弱アンダーで安定した姿勢を保てる。
これまでのWRC(世界ラリー選手権)の経験が量産車にしっかりとフィードバックされており、自動車業界の中でも長年高い評価を得ています。
スバルのDNA「視界の良さ」
XVのCMでお馴染みのロックバンド「Alexandros」川上洋平さんがこの動画の途中で、視界の良さを評価されています。
スバルがクルマを設計する上で最も重要視していることは、運転視界を良くすること。
これは、SUBARUの前身である中島飛行機時代から続いてきた言わばSUBARUのDNAとも言えるテーマです。
中島飛行機時代に求められていたのはパイロットが前方、上方、側方、そして後方まで360°を見渡すことができる視界性能でした。
平面の上に落ちた水滴のように全方位が透明なキャノピーが理想で、周囲を良く見渡すことができれば、状況をいち早く察知して対処できます。
航空機においては重要な性能のひとつでした。
戦後、クルマを造るようになってからもこの思想は変わることなく、初めて量産したスバル360を始めとして、SUBARUのクルマは常に視界の良さを重視して開発されてきています。

周りの状況をすぐに察知できることは、乗り物を操る上でもっとも重要視するべきこと。「性能」や「走り」を考える以前に、いかに安全に運行できるクルマなのか。
乗り物としての超基本的なところをスバルは大事にしています。
スバル車の「味」とは
さっそくですが、今スバル車がアメリカで「安全性」と「信頼性」でかなり評価されていることをご存知でしょうか。
「安全性」に関してはIIHS(アメリカ道路安全保険協会)が実施する安全性評価で、7車種が最高評価の『トップセイフティピック+』を獲得していることが大きいです。
「信頼性」に関しては独自の「AWDシステム」による走行性能の高さが評価されています。
上の動画のようなぬかるみや雪道でスタックした車を救出する動画では、アメリカではよくスバル車が登場してきます。
この動画の最初はタイヤが空転していたインプレッサWRXでしたが、何度か挑戦するうちに、スタックしていた大型バスを引き出すことに成功。
ここにはスバル車の「味」である、「エンジン性能」と独自の「AWDシステム」が大きく関わってきます。
スバルの宝「水平対向エンジン」

クルマの基本であるエンジンにスバルは独自性に磨きをかけています。
エンジン性能でスバルはぶっちぎりで世界のトップを行くとまではいわないまでも、世界のトップレベルに追従するだけの技術力があるのは間違いないです。
水平対応エンジンとはエンジンの形状の1つで、エンジン中央に置いたクランクシャフトを両側からシリンダーで挟む形のエンジンです。
水平対向エンジンは振動特性に優れており、とてもスムーズな回転が特徴です。
また、エンジンのコンパクトで重心位置を下げることができるので、スポーツ走行時の運動能力向上につながります。今では4気筒の水平対向エンジンが主力ですが、レガシィには6気筒の水平対向エンジンを搭載している車種もありました。
水平対向エンジンは、量産ではポルシェとスバルしか存在しないのは有名な話。
ポルシェはスポーツカー用、スバルは乗用車用なので、市販車を比較してしまえばポルシェに軍配が上がります。
ただし、競技の世界でいうとWRC(世界ラリー選手権)でスバルはかつて一時代を築き、無類の強さを発揮しました。これは言うまでもなく「市販」という足かせを外せば、世界で十分戦えるだけのパフォーマンスを発揮できる技術があるということにほかなりません。

乗用車のエンジンで、ここまで独自性があって他社に負けないエンジンを作り続けているメーカーは世界を見てもスバルだけなんじゃないかと思います。
独自の4WDシステム「シンメトリカルAWD」
スバルの「安全性」と「信頼性」を語る上で、欠かせないのは「シンメトリカルAWD」。
重心の低い水平対向エンジンと左右対称の四輪駆動システムで構成されたスバル独自の4WDシステムです。
FF(=前輪駆動)ベースの4WDとは違い、エンジンを縦置きにすることによってクルマのパーツのなかで最も軽量化が困難な重量物であるトランスミッションを、車体の中央に搭載ことが可能になります。
しかも、縦置きなのでプロペラシャフトを車体の中央に通すことができ、それによって前後左右のドライブシャフトの長さも均等にできます。
つまりシンメトリカルのど真ん中を通して左右対称にできる。
重心が低く、前後左右の重量バランスが良いため、悪路での走破性に加えて、フォレスターのような重心の高いSUVであってもカーブでの安定性向上に貢献しています。

欧州車では、さらなる操舵性を進化を図るためにフロントデフの位置を前方に移動したりして重量バランスを変更し、シンメトリカル4WDをやめたメーカーもあります。
スバル車は、首尾一貫してシンメリトカル4WDにこだわり、独特のハンドリング性能と悪路走破性能を守っています。
技術屋集団のその頑固さとそこから作り出される4WD技術は、世界でも唯一無二のメーカーなんです。
世界最高レベルのプラットフォーム「SGP」
近年のスバルはプラットフォームにものすごく力を入れています。
初代レヴォーグまで採用していたプラットフォーム「SIシャシー」から比べるとこちらの通り。
- フロント車体横曲げ剛性では前車比+90%
- フロントサスペンション剛性では前車比+70%
- 車体ねじり剛性では前車比+70%
- リヤサブフレーム剛性は前車比+100%
剛性を上げる事で車体は重くなりやすいですが、足回りの動きが快適になり、スピードを出した時やカーブ時に車が受ける揺れや振動を少なくしてくれます。
近年、多くの自動車メーカーが採用している新型プラットフォームは「軽量化」がセールスポイントとして謳われていることが多いです。
SGPでは、「軽量化」の文言はあまり打ち出されていません。
決して軽くなっていないわけではないですが、10年先まで見据えた衝突安全性能や、動的質感(走りの質感)を上げる剛性向上などのための質量が加わり、それらが軽量化した大部分を相殺するようになっています。

大衆車のプラットフォームにここまでコストをかける必要ってあるのかな?と思いました。ユーザーの要望をむしろ超えるレベル。
走行性能と重量は密接な関係にあり、軽ければ軽いほど自然と性能があがります。
ですが、スバルの開発陣の徹底的なチューニングで高剛性と重量バランスの両立が図られています。
スバル車の評価【データ】
独自の路線を貫いている自動車メーカーですが、世間の評価はどんなものなのでしょうか。
日本国内での評価
日本国内でのスバルは、一部の車好きにはその走行性能や安全性により評判がいいのですが、販売台数では国内で7位と低迷しています(2019年)。
原因は正規ディーラーの少なさ(約700店舗)や軽自動車部門からの撤退が影響しています。
日本市場の鍵を握っているのは軽自動車です。日産を上回り、2位となっているホンダは、プリウスを上回り、車種別の販売台数で1位となっているN-BOXの大ヒットが原動力になっています。
ホンダの新車販売って実は52.6%が軽自動車って知ってますか?
軽自動車は、税金が安く、価格が安く、室内も広く便利が装備が豊富、そして日本の道路環境に適しています。
今や普通車なみの性能です。
スバルが軽自動車の自社開発からの撤退を発表したのは、2008年4月。
軽自動車の開発から大きくシフトチェンジして、普通車開発に注力を注いでいます。
スバル車は独自の技術と最新の安全装備で差別化を図っていますが、軽自動車が主流のこの日本市場ではシェアを拡大するのは困難かと思われます。

昨今のSUVブームが追い風になっていますが、スバル車も価格が上昇しており、技術で勝負してきているので、販売台数だけで見ると国内シェアはかなり低いです。
ヨーロッパでの評価

ヨーロッパでは、燃費規制がカギとなってきます。
2021年からJC08モード換算で約20km/L以上の企業平均燃費が求められます。10%悪くなるごとに大雑把に言って1台あたり12万円くらいの違反金を支払うことになります。
スバルの場合、インプレッサのハイブリッドでギリギリ。フォレスターだと6万円くらいの違反金を支払わなくてはなりません。
すでにヨーロッパにおけるスバル車の販売台数は、スバル全ラインナップをヨーロッパ全土で販売してわずか年間3万1000台と低迷しています。

「ドイツのニュルブルクリンクで優勝してるやん!」と思われますが、少数のプライベーターしかいないクラスにワークスで参戦してもヨーロッパで話題にはなりません。
アメリカでの評価
スバルの業績は、世界販売(2019年3月期は103万台)の7割を占めるアメリカ市場がカギを握っています。
北米スバルの2019年12月と2019年1-12月の販売状況を見ると年間販売台数は、ついに70万台超えを達成しており、前年比2.9%アップの70万117台を記録しています。
比較的規模が小さい日本のメーカーであるスバルが、フォードやシボレー、GMといった巨大な自動車メーカーが存在する北米において高く評価されていることがわかります。
その中でもアウトバックやフォレスターが北米のスバルファンに評判なんです。
北米ではクルマをブランドではなく実用的な道具として扱います。したがって丈夫な車体構造と雪道に強い4WDシステムを搭載するフォレスターやアウトバックが高評価を得ています。
ラインアップされているスバル車のほとんどが、2020年ベストリセールアワード(新車登録から5年後に最も高い残存価値を持つと予想されるブランドを選出した賞)を受賞するなど、スバルの北米でのスバル車人気はとどまるところがありません。

少し古いデータですが、2016年自動車販売台数(新車)は、
- 日本国内:121,989台
- アメリカ:615,132台
5倍以上の台数をアメリカで売っています。スバルが日本国内より,アメリカを意識したクルマを製造販売している理由なんですね。
日本でも認知度は上がったとはいえ、まだまだマイナーメーカーですが、アメリカでは、BMW、メルセデス、VWの倍ぐらい売れている人気メーカーなのです。
ページを閉じたらスバル車を乗りに行くこと
以上。
現役社員が書いた「スバル好きになれる記事」でした。
少しでも興味が湧いてきたでしょうか。
ここでページを閉じるのもOKですが、ページを閉じたらスバル車に乗りにいきましょう。
スバル車は、ネットでスペックや評判などを調べたところで良さがわかりません。
スバルは、「ドライバーの感覚」を非常に大事にしているメーカーです。
近くのディーラーで試乗するなり、知り合いが乗っていたら乗せてもらうなりして、ぜひ体感してみて下さい。
もう知ってるよ!という人は、あとは行動に移すだけです。
行動に繋がらない情報収益はただの暇つぶし。
ぜひ、スバル車を手に入れてあなたも”スバリスト”として生きて行きませんか?