スタッドレスタイヤは、積雪路を安全に走行するために開発されたスノータイヤの一種です。
冬はかなり気温が低くなるので、低温でも硬化しないように元から柔らかいゴム素材で作られています。
積雪路面や凍結路面を走行する場合、この柔らかいゴムのトレッド面がしっかりと雪や凍結した路面をグリップするために役立ち、耐久性に関しても年々向上しています。しかし、乾いた路面や雨で濡れた路面、夏の温度の高い路面などには、この柔らかいゴムではグリップしません。さらに夏タイヤより耐久性は劣ってしまいます。
ゴム素材のタイヤは、季節や用途によって使い分けなければ寿命を縮めてしまいます。保管方法によっても寿命が左右されます。

スタッドレスタイヤを長く使いたい。どれくらい使えるの?
この記事では、スタッドレスタイヤの寿命について解説します。

私は自動車整備士歴10年目です。現在はディーラーで勤務しており、スタッドレスタイヤの販売も行なっております。
今まで、スタッドレスタイヤについて数多くのアドバイスをしてきた経験があります。
タイヤは決して安い買い物ではありません。せっかく買ったスタッドレスタイヤですから誰しもできるだけ長く使いたいものですよね。
この記事では、

スタッドレスタイヤの寿命っていつなの?
交換の目安も知りたい。
こういった疑問にお答えできます。
では、見ていきましょう。
スタッドレスタイヤの寿命
スタッドレスの寿命を見分けるポイントは4点あります。
製造年月日
スタッドレスタイヤの寿命は、一般的には3〜5年程度が目安とされています。間をとって4年と思っておいたらOK。
ただし注意して頂きたいのは購入してから4年ではなく、製造されてから4年だというコトです。

製造年月日ってどこを見れば分かるの?
タイヤの製造年月日には見方があります。タイヤの側面(サイドウォール)にこのような刻印があります。


スタッドレスタイヤはゴム素材の製品になるため、使用していない時にも経年劣化が起こり硬化します。硬化したスタッドレスタイヤは低温時には更に硬くなり性能が落ちます。購入する際は、店員さんに任せるのではなく、自分でもしっかり確認しましょう。
残り溝
そもそもタイヤの残り溝に関しては、道路運送車両法(保安基準)に基準があります。
「道路運送車両に関する保安基準第89条」に乗用車であれば深さが1.6mm以上と定められている。1.6mmを下まわるとスリップサインが露出します。スリップサインとはそのタイヤの「使用限界」を示すものです。もしこの状態で走行を続けた場合、整備不良車と判断されて道路交通法違反となるので早急にタイヤ交換をしなくてはならない。もちろん車検も通りません。

このスリップサインはもちろんスタッドレスタイヤにもあります。

スタッドレスタイヤって高さが違うサインがもう1つあるけど?
スタッドレスタイヤの場合、もう1つ「使用限界」に関するサインがあります。
「スノープラットフォーム」と呼ばれるサインがあります。
このサインはスタッドレスタイヤとしての「使用限界」を示すもので、スタッドレスタイヤが50%摩耗した時点で露出します。新品タイヤの溝は約10mm程ありますので、スタッドレスタイヤとしての性能を発揮できるのは5mmということになります。
ただ、スノープラットフォームが露出したからといって道路交通法違反にはなりません。あくまでスタッドレスタイヤの寿命を見分けるサインです。
よく耳にするタイヤのスリップサインは、「タイヤとしての使用限界」であり、スノープラットフォームはあくまでも「スタッドレスタイヤとしての使用限界」を示すものです。紛らわしいですが、スノープラットフォームが露出しても、タイヤとしての機能は失われていないです。ですが積雪路面や凍結路面を走行する性能は失われている、というわけです。
ヒビ割れ
これはスタッドレスタイヤに限らずノーマルタイヤにもいえるコトですが、タイヤにヒビ割れが発生したままで走行してしまうとタイヤが破裂してしまい、大事故につながる可能が出てきます。
特にバーストです。タイヤにひび割れがある状態で、高速道路などを長時間走行すると、タイヤの摩擦熱でタイヤ内の空気圧が上昇し、ヒビ割れを中心に一気にタイヤが破裂することがあります。
私も過去に経験がありますが、6年目のスタッドレスタイヤでサイドウォールに深いヒビがある車でフル乗車し、冬の寒い日に高速道路上でバーストしたコトがあります。周りの交通の迷惑にもなるので注意しましょう。

私の経験上、図にある【要注意】のような状態になるのは、5年目以降のスタッドレスで保管方法が悪いタイヤによく見られます。
やはりスタッドレスタイヤの寿命は4年と考えるのが得策です。
硬度
硬度とは字の如く、タイヤの硬さを表した指標ですね。
タイヤは鮮度も非常に重要です。そしてゴムの劣化。スタッドレスタイヤは、夏タイヤに比べてゴムが柔らかいというのが大きな特徴でしたよね?。この柔らかさが経年劣化で失われ、硬くなってしまうと積雪路面や凍結路面でのグリップ力は期待できなくなります。
硬くなる原因は、経年劣化と保管方法でかなり左右されます。

で、どれぐらい硬くなったらダメなの?
そこでタイヤの硬さを測る測定器があります。
一般的に、タイヤの硬度が60を超えると、スタッドレスとしての性能が失われるといわれています。
50~60で要注意。新品時の硬度は45以下と言われています。現在スタッドレスタイヤをお持ちの人はぜひ測定してみて下さい。
まとめ
いかがだっだでしょうか?この記事では、
スタッドレスタイヤの寿命の見分け方
- 製造年月日の見方について
- 残り溝の見方について
- ヒビ割れはかなり危険
- 硬度計を活用しよう
こういったテーマで書きました。
スタッドレタイヤの寿命っていつなの?というザックリとした疑問があると思います。上記4点を目安にスタッドレスタイヤの状態をしっかり把握し、交換が必要であればしっかり交換し、冬のドライブを安心安全で楽しみましょう。
こんにちは。しーです。今回は、スタッドレスタイヤの寿命や限界について解説します。スタッドレスタイヤの交換目安として参考にして下さい。