
- フォレスターってどんな車なの?
- フォレスターってどんな性能なの?
- フォレスターってどんな歴史があるの?
フォレスターの誕生は、1995年。
この年の東京モーターショーにストリーガという名で登場したSUVが、1997年に市販化されたフォレスターのコンセプトモデルです。
この時代のミドルサイズSUVのライバル車といえば、ト○タRAV4、ホ○ダCR-Vなどがあります。
そんな中、インプレッサとプラットフォームを共有した兄弟車としてステーションワゴンと大型SUVの中間ポジションとしてフォレスターが市場に投入されました。

この記事では、スバル歴12年、ディーラーメカニック歴10年目の私がフォレスターの歴史について徹底解説します。
これからフォレスターの購入を考えている方や現在乗っている人もぜひ参考にして下さいね。
フォレスターの歴史まとめ【現役社員が徹底解説】
もくじ
フォレスターの歴史まとめ

北米、カナダ、オーストラリア、中国、ロシアなど世界で販売され、1996年12月からの生産以来、9年3ヶ月で累計生産販売台数100万台を達成しています。現在も安定的なセールスを維持し、もはやスバルの看板商品と言って過言はないスバルの名SUVです。
現在で5代目になったフォレスターの歴史を振り返ります。
【1997年】初代フォレスター(SF系)
インプレッサをベースに250PSを発生するEJ20型水平対向4気筒ターボエンジンを搭載していました。1998年には、2リッターNAモデルと2.5リッターNAが追加されました。すべてのグレードで4WDを採用しています。最低地上高は200mmと余裕のある数値で、ステーションワゴンの利便性とSUVの走破性を兼ね備えた、“クロスオーバーSUV”にふさわしいスペックを持っています。
クロスオーバーSUVで見た目の割に車重が軽く、2.0Lクラスは1400kgを切ってます。
車重が軽い分、他のクロスオーバーSUVに比べると操作性にダイレクト感があります。
そして初代フォレスターの特徴の1つとして、ボクサーサウンドを楽しめる点です。ターボモデルに限りますが、この頃は不等長エキマニを採用していました。
マフラーから「ドロドロ」「ボロボロ」音がなるボクサーサウンドには、今でも愛好家がいらっしゃいます。
各種センサー(ノックセンサー、エアフロセンサー等)の故障や、燃料ポンプなどの不具合など多々ありましたが、この頃のEJ20には堅牢性があってエンジン本体は非常に耐久性があります。今でも現役で走っている車両を見かけます。
さらにSTIモデルの場合は、今だに中古車市場では人気のモデルとなっています。
【2002年】2代目フォレスター(SG系)
2002年にフルモデルチェンジし、SG系フォレスターがデビューしました。このモデルからボクサーサウンドが消えましたが、初代SF系に比べて10~30kg軽量化されており、ターボモデルは最高出力240ps→220psへ抑えられています。初代モデルでは、最高出力の高さからじゃじゃ馬感がありましたが少しマイルドになっています。
後期型のSG系フォレスターではEJ25ターボエンジンを搭載するフォレスターSTI(SG型)があり、6MTトランスミッション、LSDが標準装備となっています。
こちらはどっちかというとオンロード重視です。
SG系の後期型にいえることですが、ヘッドライトに水が侵入する事案が多いです。原因は、レンズとレンズボディ間のシール性の問題。
SG系フォレスターは今でも現役で乗っている方はたくさんいらっしゃいます。私の知る限りでも走行距離30万kmでもまだまだ乗られている方をたくさん知っています。エンジン周辺の故障や足回りのヘタりはさすがに20万km付近になってくるとありますが、エンジンを載せ替えたりするような故障はあまり聞きません。
後期型のSTIモデルは、今だに中古車市場では人気のモデルです。
【2007年】3代目フォレスター(SH系)
SH系になってくるとクロスオーバー志向が強く、SG型よりも地上最低高が高く設定されホイールベースを拡張されています。エンジンはEJ20型のNAでは最高出力148ps、ターボ車は最高出力230psへと出力アップしています。
最終型になるとエンジンがEJ20→FB20に変更になりました。
ちなみにFB20エンジンを一番最初に搭載されたのはSH系の最終型からです。
SH系のフォレスターから電装部品が結構変更されています。トヨタとの業務資本提携が始まった頃もあって、トヨタ色が強くなってきた時期でもありました。
SH系は、ドアミラーの故障、パワーウィンドウの故障などのトラブルが多かった印象です。
最終型に搭載されたFB20エンジンは、オイル漏れに関する修理をかなりやった記憶があります。FB20初期のエンジンというコトもあり、チェーンカバーのなどのシーリング問題がかなりありました。
このモデルから言えることは、車高もかなり上がって、SUV感がかなり増してきたというところ。
現行のフォレスターの原型を作ったのがSH系といっても間違いないです。
【2012年】4代目フォレスター(SJ系)
SJ系フォレスターから「アイサイトの搭載」と「新世代直噴ターボ」が登場してきます。MTは2リッターNAに残るのみとなり、それ以外のグレードはターボを含め全てがCVTの「リニアトロニック」となっているのはMT派にはやや寂しい部分ではあります。
ただ、MTといっても6速MTというのは少し嬉しいポイント。
悪路走破性を高めるAWD制御システム「X-MODE」の登場。
アウトドア路線を意識した「X-BREAK」の登場など、さらにSUV色が強くなってきたコトもあり、若年層のお客様が非常に増えました。
直噴ターボエンジン「FA20」は、歴代最大出力280PSとなっています。
FA20のパワー+シンメトリカルAWDの融合により、SUVの弱点である「コーナリング時の不安定さ」などを払拭しています。
「フォレスター」という名を全世代に知らしめたのは、SJ系だと個人的に思っています。
整備関係でいうと、前モデルでもあったように「オイル漏れ」関連の問題がまだまだ多くありました。FB20、FA20エンジンもまだ発展途上だったコトもあります。エンジン制御システムのプロミング書き換えも多くありました。
エアコン関連のトラブルやパワーリヤゲートの不良が最近では目立ってきており、今後は改善して頂きたいところ。
【2018年】現行フォレスター(SK系)
SJ系フォレスターから「スバル=フォレスター」というイメージが日本のみならず世界に広がりました。
発表当初は「マイナーチェンジじゃねーか」と言われるほど、前モデルと見た目にあまり変化はなかったです。SJ系フォレスターのデザインがヒットしたので、一部変更してきた印象。次世代プラットフォームである「SGP」を採用しました。新世代ターボ「FA20」が搭載されなくなったのと、MTの設定がなくなったのは寂しいところです。
SK系は、SJ系の弱点を払拭してきました。
車内の快適性の改善。
パワーリヤゲートの動作改善。
要望の多かったハイブリッドシステムの追加。
ハイブリッドを採用しているグレード「アドバンス」は、FB20+ハイブリッドで高速走行を電動アシストしてくれます。
ターボの代わりになるハイブリッドというイメージが理解しやすいかなと思います。
個人的にはフルモデルチェンジというよりかは、「ビックマイナーチェンジ」したようなイメージ。
さらに「SGP」の採用で、乗り心地や車内の異音がかなり改善されており、高級感が増しています。
今後のフォレスターについて
2020年10月22日、フォレスターを一部改良、またパワートレーンの新設定やハイブリッドグレードの拡充などラインアップを刷新した「C型」がデビューしました。
主な改良点はこちら。
- 新グレード「スポーツ」の追加
- 2.5LNAエンジンの廃盤
- 「スポーツ」以外のグレードは全車「e-BOXER」を搭載
注目はターボエンジンの復活です。
この辺は別記事で詳しく解説しています。
これからのフォレスターの予測ですが、ターボモデルが復活したとはいえ、4代目のターボモデルに比べると力不足。
歴代のフォレスターターボを愛用されてきたユーザーには物足りないかと思います。
では今後どうなるのか。
おそらく、北米アウトバック、アセントの「FA24」を搭載したハイパワーモデルが登場してくるんじゃないか思われます。
コアなファンが多い国内市場では、価格が上がっても需要があるんじゃないかと予想します。
スバルの名SUV「フォレスター」
フォレスターは、「グッドデザイン賞」をはじめ、高い衝突安全性能が評価された「自動車アセスメント優秀車08/09」、米国の「SUV・オブ・ザ・イヤー」など数々の輝かしい賞を受賞しています。
ちなみに車名のフォレスターは、英語で「森に住む人」、「森を育む人」、「森に住む動物」に由来します。
自然環境に優しい、自然を愛する方々へライフスタイルを提案する新しい世代のクロスオーバーSUVとして、相応しいネーミングです。
アウトドアシーンでも大活躍してくれるフォレスター。
今後も期待です。