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【車の暴走は車のせい!?】電子制御スロットルの故障に関する基礎理解【初心者向け】

accelerator

自分の運転操作ミス以外で、車が暴走するようなコトはあるの?

早速ですが、私のツイッターの知り合いでこんなツイートがありました。

2020年に10月8日、旧通産省工業技術院の元院長・飯塚幸三被告(89)が東京地裁の初公判で「無罪」を主張し、メディアが大きく報じました。

改めてこの事件を振り返ると、2019年4月、東京都豊島区東池袋の都道で、飯塚被告は運転していた乗用車を暴走させ、通行人を次々にはねました。

この事故で31歳の母親と3歳の娘が死亡し、通行人9人が重軽傷を負った事件です。

飯塚被告は「アクセルペダルを踏み続けたことはないと記憶している。車に何らかの異常が生じ、暴走した疑いがある。」と言って「無罪」を主張しています。

本当に車が暴走してしまうコトがあるのか!?

このコトについて、自動車整備士らしく車のアクセルペダルについて分かりやすく解説されたツイートです。

しー

そこで更に私が深掘りをして、アクセルポジションセンサーと電子制御スロットルの故障について解説します。

電子制御スロットルについて

世の中にあるスロットルシステムで主流なのは2種類あります。

アクセルペダルとスロットルが「機械式のワイヤー」で繋がっているのか、そうではないのかが大きな違いです。

スロットルとは

車のスピードを上げていくためには、エンジン内部に多く空気を取り込まないといけません。

水道の蛇口で水が出てくる量を調節できるのと同じで、アクセルペダルを踏むコトでスロットル弁(バルブ)の開度を調節し、空気を取り込む量を調節できます。

しー

アクセルペダルを踏むコトで、エンジン内部に空気を多く取り込んで、車のスピードが上がっていくわけです。

現代の車は「電子制御スロットル」

部品点数の削減(コスト削減)と車の軽量化、環境対策に伴って、電子制御スロットルが現代では主流です。

2000年以前のエンジンでは、スロットルは機械式のワイヤーで直接アクセルと繋いでいました。デメリットとして、微妙なスロットル開度調整ができないため、最近の燃費規制や排出ガス規制には対応が難しく、現在採用例は少なってきています。

アイドリングなどの微妙な空気量を制御するのには難しく、別のパーツ(ISCV)を使ってコントロールする必要がありました。

電子制御スロットルとは

「電子制御スロットル」とは、ドライバーのアクセルペダル操作を検出し、これをエンジンECU(エンジンをコントロールするコンピューター)で判定し、スロットルバルブの必要な量の開度を制御するシステムです。

ドライバーの不用意なアクセルワークを修正するコトにより、ドライバビリティ(運転性)を向上するとともに、有害排出ガスを低減させる効果があります。

またトランスミッション制御やブレーキ制御の中に、車両安定性や変速ショック低減のためにスロットルを閉じるコトでエンジン出力を低下させる方法は、従来の「フューエルカット」「点火時期の遅角」などで行ってきました。

ですが、エンジン振動が大きくなるのと、空燃費制御や排気温度の上昇など、触媒浄化性能に悪影響があるため、ドライバーのアクセルワークと切り離して制御できる「電子制御スロットル方式」が近年採用されています。

しー

難しい言葉が出てきましたが、覚えなくて良いですw

要はドライバーのアクセル操作に対して、コンピューターが介入してきています。

コンピューター制御を加えることで、走行条件に合った最適なスロットル開度で車をコントロールできるワケです。

電子制御スロットルの基本制御

電子制御スロットルには、2つのセンサーで情報を検出します。

基本制御としては、アクセルポジションセンサーでアクセルペダルの踏み込み量を電圧で検出し、エンジンECUはこの電圧値をもとに、スロットルポジションセンサーの開度信号を見ながら、スロットルモーターに流れる電流量をフィードバックして、スロットルバルブを開閉します。

スバル車の場合、SIドライブモードでも制限が加えられるコトがあります。

アクセルポジションセンサー

アクセルポジションセンサー
goo-net.com

アクセルポジションセンサーは、、アクセルペダルの踏み込み量と踏み込み速度を検出する回路が2コ(メインとサブ)独立して組み込まれています。

メインとサブは、出力特性が異なります。同じアクセル開度を検出しても出力される電圧値が異なります。

これらの出力値は、エンジンECUが記憶していてメインとサブが正しい出力値が出ているか常に監視しています。

例えば、エンジンECU側がメイン側の回路が「○○V」、サブ側の回路が「○○V」という出力値をアクセルポジションセンサーから受信すれば、

エンジンECUは、「現在のアクセル開度は50%だな」と認識し、スロットルモーターに流れる電流量をフィードバックします。

では、アクセルポジションセンサーが故障してしまい、メインとサブから本来ありえないような出力値をエンジンECUが受信した場合は、アクセルポジションセンサーに異常が発生していると判断し、制御をキャンセルします。

スロットルポジションセンサー

スロットルポジションセンサー
drogger.hatenadiary.jp

アクセルポジションセンサーからの出力値を受信したエンジンECUは、走行状況(他のセンサーの情報)を踏まえて「目標スロットル開度」を決定します。

その目標スロットル開度まで開くように、エンジンECUはスロットルモーターに駆動信号を送信し、スロットルバルブを開閉します。

ですが、もしエンジンECUからの指示をうまく再現できずに目標スロットル開度と異なる駆動をしてしまうとマズイです。

なので安全性を確保するタメにも、スロットルモーターの動きを常に監視しておく必要がありますので、スロットルポジションセンサーが存在します。

ここでもアクセルポジションセンサーと一緒で、メインとサブの2つ回路があり、出力値がズレていないかエンジンECUが監視しています。

ズレてしまった場合は、制御をキャンセルし、安全を優先します。

しー

2つのセンサーにはメインとサブ回路があり、コンピューターがその回路が基準からズレていないか監視するコトで、安全性を確保します。

もし故障した場合は、エンジン回転数が上がらないように制御をキャンセルします。

なので電子制御スロットルシステム故障したからといって、暴走するコトなどあり得ないです。

フェイルセーフ

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制御をキャンセルした後は、フェイルセーフモードに移行します。

フェイルセーフ機能とは、電子制御装置の一部が異常になり、そのまま制御を続けてしまうと危険な状態になる可能性がある場合、メーター内の警告灯によってドライバーに知らせるとともに、エンジンECUにあらかじめ記憶させてあるデータを使用して危険を回避する機能や最低限走行できるようにする機能です。

しー

故障してしまっても、危険を回避して、最低限走れるように制御してくれるワケです。

フェイルセーフの例
異常検出箇所フェイルセーフ内容
水温センサー系統故障ラジエーターファンが常時回転
アイドリング制御システム異常燃料カットで回転上昇を防止/ハンチング発生
スロットルセンサー系異常高回転、高開度時に燃料カット/エンジン息つき
ノックセンサー異常点火時期をノック発生がない時期まで遅らせる/加速不良

 電子制御システムにおける最も重要な考え方は安全最優先です。

電子制御スロットルが故障して、フェイルセーフに移行した場合は、安全性を重視してスロットルバルブの電気駆動を完全に止めます。つまり、ドライバーがどれだけアクセルペダルを踏み込んでもスロットルバルブは駆動されません。

 しかし電気駆動力がゼロになった際にスロットルバルブが全閉になってしまう構造にしていると、空気量がゼロになってエンジンが停止してしまいます。

 そうならないように、電気駆動力がなくてもスロットルバルブをスプリング力で最低限開かせます。これによって電気駆動力がゼロになっても、エンジンが停止しない程度の吸入空気量を確保できるとともに、公道上で最低限の退避走行ができるように、通常のアイドリング回転数よりも高い回転数を維持してクリープ力を高める仕組みになっています。

まとめ:安全マージンは十分とってある

いかがだったでしょうか。

スロットルは重要なシステムなので、しっかり安全マージンがとられています。

最近の車は、電子制御スロットルシステムを採用しているので、故障すればメーター内に警告灯が点灯し、必要異常にスロットルが開いてしまうコトはまずありえません。

スロットルバルブが、運転者の操作に対して、過度に開いたり閉じたりすることを防止するため、センサーの信号系をメイン、サブの2回路にしたり、エンジンECUには内にはメインマイコンとサブマイコンという専用コントローラーを設けてあり、フェイルセーフには万全を期しています。

車が暴走する原因は、車にはないです。

しー

あ、あとプラスチックのフロアマットを敷いている人は言語道断です。

大丈夫だと思っても、乗っているうちにズレてきてアクセルペダルに引っかかりますので。

使っている方は殺人者になる前に捨てて下さい。

その車に合った専用設計の純正フロアマットを使いましょう!

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しー
自動車整備士歴10年目|国家2級整備士|自動車検査員|愛車:SUBARU FORESTER(SK9)|スバリスト歴12年目|2020年6月ブログ&ツイッター&インスタ開設|ライティングスキルを磨くために日々奮闘中|車初心者や若手メカニックに聞かれる悩みなどにお答えします|スバル向けコンテンツに詳しい